国の借金849兆円!(産経新聞社05/12)
財務省は12日までに、国債や借入金などを合計した「国の借金」が平成19年度末時点で849兆2396億円に達したと発表した。前年度末に比べ、14兆8610億円増加し、過去最高を更新した。
国民1人当たりの借金は約665万円で、1年間で約12万円増えた。国の歳出が税収を大きく上回る状態が続いており、「借金」の拡大に歯止めがかからないままだ。
内訳をみると、歳入不足を補うために発行する普通国債が前年度比で9兆7569億円増え、541兆4584億円となった。特殊法人向けに発行する財投債などを含めた国債残高は684兆3278億円に達し、10兆2058億円増えた。
一方、借入金は2兆1235億円減り、57兆1589億円となった。一般会計などの一時的な資金不足を補うために発行される政府短期証券(FB)は6兆7787億円増の107兆7528億円。
政府は公共事業費や社会保障費の削減など歳出削減に取り組むが、政府開発援助(ODA)や教育費などの増額を求める声は強まるばかり。国の借金は先進国の中でも最悪の水準にある。
普通の家庭なら、破産寸前の借金体質をどう改善するのか。真剣な議論が求めらている。
我々一般国民は、子孫にツケを残さないためにも、自民党と財務省が企むスタグフレーション(デフレ不況に原料高騰が重なり物価が上昇し不況が深刻化する現象)下の増税政策に屈してはならないと思う方は、ブロガーに執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
国家の財政と私人の家計を混同することさえ言語道断の所業なのに、産経新聞社はいつも以下のことを読者に説明しない。
国の借金とは、誰がどこから借りている金なのか。
国の資産はどのくらいあるのか、国の純債務はどの程度になるのか(政府の実際の純債務は約300兆円程度)。
税収不足を招いているデフレ不況を克服するためには、どの程度の総需要喚起が必要なのか、デフレギャップはどのくらいあるのか。
デフレギャップと関連して、ハイパーインフレを起さない政府貨幣発行額はどのくらいの範囲なのか。
政府が通貨発行益を財源として積極財政に転じる場合、これが名目GDP、税収、株価、物価、為替、経常収支、雇用などに及ぼす影響はどのようなものなのか。
産経新聞社が朝日新聞社と違い社会の木鐸としての気概を持ち合わせているのならば、以上のデータを読者に説明すべきだろうし、説明する能力がないなら、説明できる人たとえば日経のスパコンを使いシミュレーションを重ねている小野盛司氏のようなマクロ経済家に寄稿を求めるべきだろうに。
日本経済復活の会 日本再生のストラティジー ~過去の景気対策が効かなかった理由を徹底分析~
実際は景気対策は、実質GDPを押し上げる。10兆円だけ景気対策の規模を増やすと(つまり5年間で50兆円増やす)5年後の実質GDPは約30兆円増加(約5%)することが分かる。
但し、規模が50兆円以上になると増加率は鈍ってくる。借金の重みは景気対策の規模が大きくなれば軽くなる。
これは前論文でも述べたことだが、例えば60兆円の規模の景気対策を5年間続けると、法人企業利益は3倍に増加、日経平均は3万2千円にもなるから、税収が増え財政が健全化し、借金の重みが減っていくのである。インフレ率も2.6%となりデフレから脱却できる。
このシミュレーションにより、多くの人が日本経済に関して持っている次のような考えは間違いであることが分かる。
1.景気対策はもはや効果がない。
【誤りである理由】 図1より、景気対策は極めて効果的であることが分かる。
2.国の借金を考えると、これ以上財政拡大は無理。
【誤りである理由】 財政を拡大すれば、借金の重みが減り、財政を縮小すれば借金の重みが増す。ということは、国の借金を考えるなら、直ちに財政を拡大しなければならない。
3.構造改革なくして景気回復なし。
【誤りである理由】 図1を見れば明らか。
4.財政を拡大すればハイパーインフレになる。
【誤りである理由】 毎年60兆円の景気対策を5年間続けてもインフレ率は僅か2.6%である。
5.財政規律を守らなければならないから財政を拡大はできない。
【誤りである理由】 財政を拡大すれば、財政が健全化することが示されたのだから、財政を拡大することこそ財政規律を守ることになる。
6.不良債権処理なくして景気回復なし。
【誤りである理由】 シミュレーションによれば、財政を拡大するだけで景気は回復する。結果として企業の経常利益が増加し、株も土地も値を戻してくるから不良債権処理は進む。そこで更に景気が良くなる。これは相乗効果である。
7.デフレの原因は中国から安い製品が入ってきたから。
【誤りである理由】 シミュレーションで分かるように財政拡大でデフレは止まる。中国製品の輸入を止めなくてもデフレは止まる。
第1次世界大戦直後のドイツ、あるいは連合国とポツダム条約を締結し有条件降伏した直後の日本のように、生産力を失った国の政府が、貨幣を造り紙幣を刷る通貨膨張政策を取れば、増大する需要に対して供給が追いつかなくなり、深刻なモノ不足が生じ、モノの値段が高騰し、通貨の価値が暴落する。
しかし現在の日本は、無差別爆撃を受け生産力を喪失した昭和20年の日本とは違う。現代日本の工業生産力は、工作機械をはじめ生産財を自国で開発し生産できなかった大日本帝国の貧弱な工業生産力(だから石原莞爾は1941年時点での日米開戦に猛反対した)とは段違いに強大である。
我が国では絶え間ない改善と改良、合理化とロボット化と技術革新によって肥大化する生産力に対して、需要が追いつかない状態がずーと続いている。これがデフレである。デフレ不況が続いているからこそ、税収が上がらず、政府は国債を発行して税収不足を補い、銀行は国債を購入して融資先不足を補い利ざやを稼いでいる。
日銀が低金利を続けても、消費が低迷し既に生産力が過剰なのだから、企業は銀行から融資を受けて設備投資をあまり行わない。だからデフレ不況が続き、税収が上がらず、政府は国債を発行しているのだが、実は国債を発行せずに財源を確保する方策が政府にはある。
洞爺湖などをデザイン 北海道の記念貨幣
財務省は13日、地方自治法施行60周年を記念して今年から発行する貨幣の、第1弾となる北海道分のデザインを発表した。7月に開かれる主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)にちなみ、1000円硬貨の表面は洞爺湖と北海道の鳥であるタンチョウをデザイン、500円は洞爺湖と道庁旧本庁舎をあしらった。
純銀製の1000円硬貨はサミットの開催時期に合わせ7月ごろに販売を開始、10万枚を発行する。価格は専用の箱入りで6000円。500円は12月ごろに発売する予定。
今後、全都道府県にちなんだ硬貨を2016年までに順次発行する。「ご当地」での販売を優先する。2008年度中に京都府と島根県の分も発行する。
また郵便事業会社は、洞爺湖とタンチョウなどをあしらった記念切手を7月から販売する(北海道新聞05/13)
中央政府には政府貨幣発行権がある。だから国家の財政と私人の家計を混同してはいけないし、また中央政府の財政政策と地方自治体の財政政策を混同してはいけない。
中央政府が大阪府の橋下行革を真似ると、合成の誤謬が進み総需要が減り、日本経済がガリガリに痩せ細っていくだけである。
だから丹羽春喜氏や小野盛司氏が主張しているように、日本政府は通貨膨張政策を取るべきである。もちろん政府が一挙に849兆円ものお金を造る必要は全く無い。
年間の政府貨幣発行額を現行の約3000億円から約20兆円、あるいは10兆円、少なくとも5兆円程度にまで引き上げ、それを新たに国防、教育、環境、福祉部門の政府支出にまわし、さらに物品税率を下げ、総需要を喚起し名目GDPと税収を上げながら、少しずつ財政の改善を図っていけば良い。
日銀は景気の腰折れと国債償還費(利子)の増大を防ぐために低金利を維持すれば良い。また国債の買い切りオペを増やせば良い。
貨幣鋳造額に限界があるなら、丹羽氏の主張どおり、政府が法律を改正して、日銀に30兆円分の政府貨幣発行権を20兆円で販売しても良いだろう。
海上保安庁の予算が純増すれば、日夜、特亜の海賊を取り締まっている海保隊員が楽になり、日本海沿岸の漁業関係者が喜ぶ。自衛隊の予算が純増すれば、F-Xの選定に難渋している空自は本腰を入れて心神を開発でき、日本のミリオタが喜ぶ。農林水産省(林野庁)がまとめた間伐事業に予算がつけば、林業従事者や土建屋が喜び、国民はスギやヒノキの花粉症に悩まずに済む。
これ以上だれも苦しむ必要は無い。痛みに耐える必要も無い。
まさか年間10兆円か5兆円程度の通貨膨張と政府支出(需要)増大がハイパーインフレを引き起すとは、誰も考えないだろう。
我々国民は、子孫にツケを残さないためにも、自民党と財務省が企むスタグフレーション(デフレ不況に原料高騰が重なり物価が上昇し不況が深刻化する現象)下の増税政策に屈してはならないと思う方は、ブロガーに執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
自分で書いて思わず失笑してしまったのですが、スタグフレーション下で消費増税を企む自民党は一体なにをしたいのでしょうか。民主党がギロチンブーメラン党なら、さしずめ自民党は自滅党でしょうな。
衆院選では、平沼新党と国民新党を応援しましょうか。どちらも積極財政に理解を示しているようですから。平沼さんが櫻井よしこさんあたりを擁立できれば、平沼新党は躍進できそうな気がします。
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元本ではなく 国内経済の実勢より政策的に高い国債の実質利率が
単年度予算である国家の政策的予算部分の圧縮を呼び 予算編成における政権の主導性の足枷となっていることが積極財政に踏み込む事を 心理的に躊躇させ 小出しゆえ 税収の増大につながらない財政支出を無駄に重ねる という一連の国家固有の行財政構造が 「普通の家庭」に例えられては何にもいえません
麻生さんの方が 知的じゃないだけ詐欺的比喩じゃないくらいです
バブル崩壊後の日本は、1930年代のアメリカと同じ失敗を犯しているのですね。
所要に満たない景気対策を逐次に投入する愚を犯して、国債残高のみが膨れ上がっていくという…。