2008年03月03日

カジノVSパチンコ!ヤクザの指つめの起源から日本が採用するカジノ形態(クルーズ・トゥー・ノーウェア)まで

 「カジノが日本にできるとき大人社会の経済学」(谷岡一郎著)の読了感想は、所長は大天才かもしれないわーい(嬉しい顔)ということである。

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 著者の谷岡一郎氏は、大阪商業大学学長で、専門は犯罪学、ギャンブル社会学、社会調査論。

 著者は、ラスベガスの成功、沈む街チュニカの挑戦、インディアン自治区カジノの台頭等を挙げ、主なカジノ反対論すなわちカジノの社会的コスト

犯罪の増加
ギャンブル依存症患者の増加
青少年への悪影響
勤労精神を減退させる
闇組織の資金源になる

に反駁を加えている。

 著者の意見には傾聴に値する所がたくさんあるのだが、いかんせん著者の論拠はアメリカのデータである。それが日本国にあてはまるかどうかは不明である。

 著者は今なにかと問題にされている慶応卒であり、著者のカジノ論には、どこか無常観ならぬ英米思想にかぶれた者特有の無日観もしくは侮日感が漂う。だからなのか、日本を蝕むパチンコに対する著者の評価は極めて甘い。

 「パチンコも完全にとは言えないが闇組織の影響はあまり残っていないと言える」とか、「不正とまでは行かないレベルのアンフェアな点がパチンコにはある、それは釘の甘い台と釘のキツイ台とが存在する事実。パチンコは朝早く並ぶ余裕のある人に有利なゲームとなるとか」…。

 2002年初版本の記述とはいえ、著者のパチンコ論は言語道断である。日本におけるカジノ解禁の是非を考える際は、日本賭博史の調査が必要なはずであるが。

 しかし所長はカジノ解禁に賛同する。それは著者の「カジノは闇組織の資金源になる」に対する反論が説得力を持っているからである。

 「これは話が逆である。合法化していないから闇組織が儲けているのである。1999年に新宿で摘発されたカジノ・バーは年間1兆円が賭けられていたという。

 かりに良心的なレートで5パーセントが収益になっていたとしても、500億円という金額がヤクザのふところに入っている勘定になる。しかもこれは日本国内で1000軒は下らない違法換金店のひとつに過ぎないのだ。

 少なくともヤクザの資金源にするなら、国なり地方自治体が(カジノを)やって、収益をもっと国民のためになることに使ってはどうか、というのがカジノ賛成派の有力な論点でもあるのである」

 まことに正論である。日本のヤクザには在日朝鮮人が多い。従ってカジノ禁止措置は、朝鮮いかさま賭博「パチンコ」という脱法行為を流行らせ、かつヤクザの違法カジノ・バーを闇社会に横行させ(アングラ化)、結果的に日本の国富を朝鮮人に貢いでいるのである。

 またこれこそ表面上は良識人を気取る者がカジノ解禁に反対する理由であろう。著者も憤りを込めて書いているが、「子を持つ父として本当にいいのですか」とサッカーくじにさえ反対し続けた朝日新聞社(著者はA新聞と書いているだけだが)が、自民党が検討しているカジノ解禁に反対したら、政界とネット界が一致団結して次のように反論すべきである。

 「それなら、なぜパチンコに反対しないのか?なぜテレビ朝日はパチンコのCMを流すのか?」

 「さすがは、アカが書きヤクザが売つてバカが読む朝日新聞!ヤクザに儲けさせたいのか!!」

 因みに山本七平氏の「日本的革命の哲学」によると、承久の乱後の鎌倉幕府は再三にわたり賭博禁止令を出しており、ヤクザの指つめは、御成敗式目追加法(1239年)が定めた賭博に対する罰則規定の名残であるという。

 「博奕の事、侍においては斟酌あるべきか。凡下に至っては、一二箇度は指を切られ、三箇度に及ばば伊豆大嶋に遣わさるべきなり」

 つまりヤクザの指つめは、彼らが違法賭博を生業としてきた証拠といえようか。また違法賭博の利益が北朝鮮産の覚せい剤を仕入れる資金となっているだろうから、青少年に対するパチンコおよび向精神剤の悪影響を防ぎたい者はカジノ解禁に賛成すべきである。

 周囲を海に囲まれている日本に向いているカジノの形態は何と言っても船上カジノであろう。

 この利点は犯罪の防止が容易であることである。航行中の船の中から犯罪者は逃げられないし、港においても出入り口が限定されているからである。またカジノ経営者は入場料を取ることでカジノに現れる売春婦を排除しやすくなる。

 もうひとつの利点は、土地を取得する必要がなく投資額が安く済むということである。

 それに付随して船上カジノには反対運動を形成しにくいという利点がある。すなわち明確な地元住民なるものが存在しないため、反対運動の核になるグループが現れにくいという。これは我が国がカジノを解禁する際に最も留意しなければならないことだろう。

 船上カジノの欠点は都合のいい時間に出入りできないこと、そして船揺れと船酔いであるが、著者はいささか興奮気味に次のように指摘している。

 「このような欠点を一挙に解決したのは、前にも触れたが、ミシシッピ州が一九九二年の合法化で見せたウルトラC的裏技で、なんと船は航行する必要がなく、常に桟橋に繋いだままにするという方法だった。この方法はドックサイト船、もしくはクルーズ・トゥー・ノーウェアと呼ばれている。

 動かない船の利点は、出入りが自由であること、揺れないこと以外に(周航する船に比べて)スペースが有効に使えることが挙げられる。機械類や船室がないからである。また、人員も(航行する必要がないので)少なくてすむ。まさに天才のひらめきだったわけである。現在では、実際に航行するカジノは少数派になってしまっている」

 この程度のアイデアが、ウルトラC的裏技であり天才のひらめきなら、所長の持論である危機管理船の建造案は神の啓示ですなわーい(嬉しい顔)

 カジノは富裕層の娯楽であるから、日本国内に沈殿している金融資産の流動性を増すだろうし、カジノに付随する飲食産業(ドリンク・フード部門)と各所の娯楽産業を育てる。カジノ解禁は内需不足に苦しむ日本経済を救う政策となるのではないだろうか。

 また著者はカジノの経営方法やバランスシートを詳しく紹介しているが、とくに性悪説に立脚するカジノの金銭管理方法は、不祥事を頻発する防衛省自衛隊の再生に非常に参考になる。

 カジノでは、現金に絡む決断には「相互に監視しあうシステム」が確立している。つまり部下も同僚も上司も「信頼に基づいて行動する」ことはなく「放っておいたら悪いことをする」という前提でチェックしあう、性悪説に立つ管理システムである。

 政治家、自衛隊、警察、企業関係者が危機管理を考える上で参考になる本が「カジノが日本にできるとき―「大人社会」の経済学」です。


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天武天皇は富本銭を使う賭博に夢中になっていたとか。

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