【国際司法裁判所の成立】
25、竹島の帰属問題
昭和二十七年(一九五二)一月十八日、韓国大統領の李承晩はいわゆる李承晩ラインの設定を発表、ラインに囲まれた韓国沿岸水域圏に韓国の主権を及ぼすことを宣言し、翌年九月九日、韓国政府は、圏内にある島根県隠岐郡の竹島を韓国領と主張する根拠を日本政府に通告してきた。これに関して同年九月十七日の衆議院外務委員会では、下田条約局長が議員の質問に対して次のように答弁した。
「韓国政府が挙げている重要なる点は、1、韓国の文献によれば、竹島は韓国領で、昔から韓国人が竹島に行っていた。2、対日平和条約は竹島について何等触れていない。3、米国は竹島の射撃中止を韓国政府に通報して来た等である。
これに対し我が方は、1については、人が行っていたことは直ちに領有権の根拠にならない。2、平和条約が竹島に触れていないのは、竹島が日本領ではないからではない。平和条約では、日本が取り上げられる領土だけを書くのが当然で、書かない限り日本に残る。もし平和条約に明記されている鬱陵島よりもっと日本に近い竹島を奪うというならば、まさに平和条約に特記すべきである。3、米軍は竹島が日本領だからこそ、竹島の演習地指定および解除に関し日米合同委員会の手続きを取ったので、韓国に対しては、ただ念のため便宜上通報しただけである、との立場に立ち、以上のような見解から、政府は韓国の見解は成立しないと考える。」
当時の日本政府の岡崎勝男外務大臣は、竹島に関する韓国政府の主張は日本の領土権に対する侵略であるとし、昭和二十八年十一月十三日の自由党総務会において、日米安全保障条約を発動させることについてアメリカ政府との協議方を考慮中なる旨を語ったようであるが(1)、結局のところ日本政府は韓国に対する自衛権の発動を抑制し、一九六五年の日韓国交回復以降、韓国政府に対して竹島問題の司法的解決を要求しているが、韓国政府は頑としてこれに応じようとはしない。理由は明白である。これに応じれば国際司法裁判所の判決によって韓国の主張が斥けられて竹島の帰属先が日本国に確定されることを、韓国政府自身が自覚しているからに他ならない。韓国政府は竹島を日本固有の領土と認識しつつ、これを不法占領する確信犯であり、我が国は韓国軍に自国の領土を不法占領されている被害国なのである。にもかかわらず日本政府は個別的自衛権の発動を我慢して国際法に基づく竹島問題の平和的解決を希求しているのである。しかし国際司法裁判所と連合国(国連)は日本を救済せず、韓国を懲罰しない。かくのごとき理不尽な現実を国際社会に生み出した原因について、オックスフォード大学教授ウォルドックは次のように解説している(2)。
「連合国憲章はこのように、違法行為をなす国に自己の主張に基づいて自ら裁判官となる権限を与え、原告(違法行為によって損害を受け、行為の排除と償いを求めようとする国)がその請求を第三者的法廷に付託できない地位に置いたままにしておこうとする。憲章が、力によって紛争を一方的に解決しても咎を受けぬという権利を、原告の手から奪い去ったことは正しいであろう。しかしそれと同時に憲章は、右の請求を裁判に付することを拒否して一方的に紛争を解決する権利を被告たる国に与えたのである。一方において武力に訴えることを禁止しながら、他方において正しい請求権を持つ者に、武力に代わるべき他の適当な求償の手段を与えていない法というものが、災いの種を蔵することは明らかである。この点について憲章の規定が不満足なものに終わったのは、サンフランシスコ会議における多数国の罪ではない。彼らは、法律的紛争について国際司法裁判所が強制的管轄権のあるものにしようと欲したのであるが、アメリカ合衆国およびソビエト連邦の反対の前に屈したのである。」
第二回ハーグ平和会議から連合国サンフランシスコ会議に至るまで、常設国際法廷に強制的管轄権を付与する試みは、常に多数派の小国群によって賛同されたものの、その時々の世界の覇権を掌握する少数派の大国の反対によって、ことごとく潰されてきた。
強大な軍事力を保有する大国は、小国との紛争において、戦争もしくは軍事力をちらつかせる脅迫外交を展開して小国を捻じ伏せることができるが故に、司法的解決を歓迎せず、軍事的に弱体な小国は、大国との紛争において、自己の要求を貫徹する毅然たる外交を展開して交渉を決裂させ大国と戦端を開いてしまうと敗戦を免れ得ないが故に、小国が国際法と弁論をもって大国と互角に渡り合える場である常設国際法廷の積極的利用を希望するのである。これが「国際法は弱者の武器」と言われる所以である。しかしだからといって小国が大国よりも理性的かつ平和的かつ謙譲的であるとは言えない。常設国際法廷の管轄権を巡る大国と小国との軋轢とは、少しでも自国に有利な国際紛争の解決の獲得を目論む各国代表の意思と意思との衝突であり、国の大中小を問わず、健全な国家は自国の利益を追求する極めて利己主義的な存在にならざるを得ない。
国内社会において個人が自己の利益を犠牲にして他を利することは多くの人々に幸福をもたらす美徳であり、その実践は容易である。しかし国際社会において国家の運命を託されている政府が自国の利益を犠牲にすることは極めて困難であり、ほとんど許されない。それは無数の自国民に犠牲を強い、負担を課し、不幸をもたらすからである。故に滅私奉公の精神を身命に満たし真心から国民を愛する為政者に指導される国家の国際社会における行動は、為政者の人格とは全くかけ離れた利己主義的なものになりがちである。国家が利己主義的な行動をとるのは、国家の存在そのものが悪だからではない。国家が余りにも多くの国民の生活と生命を守らなければならない砦だからである。国家の主権を呈する為政者の言動は、国家に抱擁される過去現在未来における無数の国民の運命を左右し、国家の死活を決する。このことを自覚しないまま安易に国内の美徳を国際の政治に持ち込む政治家は、必ず国民に塗炭の苦しみをもたらすのである。
否、そうではない。「損して得とれ」という教えは国際政治にも通用する。韓国政府が竹島問題の司法的解決に応じないならば、日本政府は日韓併合の罪滅ぼしとして竹島の領有権を潔く放棄し、これを韓国に譲渡すればよい。日本の謝罪と譲歩こそが竹島問題を平和的に解決し、日韓友好を一層深めるのである。ごく小さな島一つに執着するよりも日韓友好を深める方が日本の国益に適う…。以上のごとき主張が、反日の韓国に精神的国籍を持ち「韓流」なるクダラナイ韓国ブームを煽動する日本の反日テレビマスゴミ関係者の本音なのかも知れない。しかし日本政府の竹島放棄宣言とは、韓国の不法行為を追認し国際法秩序の破壊に手を貸す暴挙であるばかりか、必ず日本の自滅を招くであろう。それは「日本は外国によって自国の領土を不法に占領されても決して自衛権を発動せず、外国に司法的解決を求めてこれを拒否されるならば、占領された自国の領土を外国に譲渡する」ことを世界各国に通告する、泣き寝入りの「無抵抗譲歩平和主義宣言」に他ならず、宣言の発表後、日本国は周辺諸国の格好の餌食となり、日本の領土は次々とロシア、韓国、中国、そしてアメリカによって侵蝕されていくに違いないのである。
もし日本の反戦平和主義者が「あらゆる国際紛争は平和的に解決され得るので、日本が軍隊や交戦権を持つ必要はない」と言い張るのであれば、それを実証する為に、国際法秩序の破壊なしに、日本の抱える竹島問題や北方領土問題を平和的に解決する具体的方法を提示しなければならない。
(1)信夫淳平【海上国際法論】一一〇~一二〇頁。
(2)田岡【国際法上の自衛権】三〇一頁。
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