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「戦争の天才と謀略の天才の戦い」 国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56 【東条内閣の和平努力】 64、平和と自由に対する罪を次のように加筆修正
東京裁判において被告弁護団副団長の清瀬一郎弁護人は、九ヶ国条約が成立した一九二二年から支那事変が勃発した一九三七年までの十五年間に、ワシントン会議が想定していなかった次の五つの異常な変化が起きたことを挙げ、国際法上の事情変更の原則を援用して、九ヶ国条約の失効を主張した(5)。
一、九ヶ国条約以後、中国は、国家の政策として抗日侮日政策を採用し、不法に日貨排斥を年中行事として続行するに至り、また反日感情が広く青年層に伝播するようにと公立学校の排日教科書を編纂したこと。
二、第三インターナショナル(コミンテルン)がこの時代に日本に対する新方略を定めて、中国共産党がかの指示に従い、かつ蒋介石政権もこれを容認したこと。
三、ワシントン会議で成立した中国軍隊削減に関する決議が、ひとり実行せられざるのみならず、かえって中国軍閥は以前に何倍する大兵を擁し、新武器を購入し、抗日戦の準備に汲々たる有様であったこと。
四、九ヶ国条約に参加しなかったソ連の国力が爾来非常に増進し、ソ連が三千マイルにわたるソ中両国の国境を通じて異常なる力を発揮してこれに迫ってきたこと。
五、九ヶ国条約締結以来、世界の経済が経済的国際主義より国内保護主義への転換を示して来たこと。
事情変更の原則とは「ある条約成立の根拠となった根本的事情が本質的に変化した場合には、その条約は拘束力を失う」というものである。弁護側の主張は、終了期限を規定していない九ヶ国条約は「現状の持続する限り」という黙契条件によって結ばれた条約と了解すべきであり、事態がすべて変化した以上、九ヶ国条約上の日本国の義務は終了したというものであった。
東京裁判判事の中で唯一の国際法の専門家であったインド代表判事ラダビノッド・パル博士は、「これらの主張は甚だ有力なものであって、もしこの条約義務によって左右される問題が生じた場合には、これは明らかに慎重な考慮を必要とするものである」という見解を判決書に記している(5)小堀【東京裁判日本の弁明】一〇六~一〇八頁。【パル判決書上】六八八~六九〇頁。【パル判決書下】二九九~三〇二頁。
ワシントン会議で成立した中国軍隊削減に関する決議が九ヶ国条約付属第十号決議である。
被告弁護側は、ワシントン体制の崩壊と満州国の建国が中華民国自身の条約不履行によって引き起こされたことを証明する証拠資料として「満州国出現の合理性」の抄訳を用意していたが、裁判所にその提出を拒絶されてしまった。
もしジョージ・ブロンソン・レーの著書が法廷に提出され、証拠資料として採用されていれば、一人のアメリカ人によって東京裁判の事実上の実施者である連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥の目論見が覆されただけでなく、ジャーナリストの足元にも及ばないアメリカ政府の低劣な予見能力が世界中に暴露されたであろう。
なぜならレーの洞察力は驚くべき予言を彼の著書に記していたからである。
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いつも興味深く読ませていただいております。
パール判事の言葉を曲解する輩が居たり、九ヶ国条約についてもしかり…。
敵は内にも外にも多いですね。
所長のさらなる健勝を祈ります。
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