44、日独伊ソ四ヶ国協商構想の背景
松岡はベルリンからの帰途モスクワに立ち寄り、日ソ中立条約を締結し(昭和十六年四月十三日、発効は同年四月二十五日、有効期間は五年間)、我が国からドイツに呼応する北進戦略を少なくとも条約上奪ってしまったのである。
79、種村佐孝
小磯内閣が総辞職し、ソ連のモロトフ外相が佐藤尚武駐ソ大使に日ソ中立条約を延長せず廃棄することを通告した(1)四月五日、陸軍省軍務課(昭和二十年四月二十三日、陸軍省と参謀本部のニ位一体制により参謀本部戦争指導班と合併)は、重臣会議終了後、鈴木貫太郎海軍大将が宮中に残ったという情報を得て、鈴木大将への大命降下を必至とみなし、次期内閣に対する要求として、大東亜戦争の完遂、陸海軍の統合、本土決戦の準備、対ソ施策の促進、戦争遂行妨害分子の絶滅を挙げ、これ等を鈴木新首相に受諾させた。
(1)日ソ中立条約廃棄に関するソ連覚書(一九四五年四月五日)「日ソ中立条約は独ソ戦争及日本の対米英戦争勃発前たる一九四一年四月十三日調印せられたるものなるが、爾来事態は根本的に変化し日本は其の同盟国たる独逸の対ソ戦争遂行を援助しかつソ連の同盟国たる米英と交戦中なり。斯る状態に於てはソ日中立条約は其の意義を喪失し其の存続は不可能となれり。依て同条約第三条の規定に基きソ連政府は、二日、ソ日中立条約は明年四月期限満了茲後延長せざる意向なる旨宣言するものなり。」
88、統制派とコミンテルン
満洲事変の最中の昭和七年(一九三二)一月から七月にかけてソ連が我が国に不可侵条約の締結を求めてきた際、皇道派の荒木貞夫を陸軍大臣、真崎甚三郎を参謀次長、小畑敏四郎を作戦課長とする陸軍は、ソ連との不可侵条約の締結を拒絶した。
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