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国民のための大東亜戦争史21~24汪兆銘工作の謀略的意義
22、永久抗争
「私はさらに進んで重慶政府と、近く現れんとするところの新政府との関係についてお尋ねを致したいのであります。昨年八月、阿部内閣が成立致しました当時においては、汪兆銘氏を首班とするところの新政府は今にも現れんとするがごとき噂が立てられたのでありますが、それがだんだんと延引して今日に至っているのである。しかし聞くところによれば、いよいよ近くその成立を見んとするのでありますから、これは日支両国のためにまことに慶賀に堪えないことであります。
我が国はさきに蒋政権を撃滅するまでは断じて戈をおさめない、国民政府を対手としては一切の和平工作をやらないと宣言している。しかる以上は新たに生まるるところの新政府、これを援けてもって和平調整をなさねばならぬ。これについては誰一人として反対する者はないのであります。しかしながら退いて考えて見ますると、一体この新政府はどれだけの力を持って現れるのであるか。これが私どもには分からないのであります。」
「申すまでもなくいやしくも国際間において、また国際法上において、政府として立ちまする以上は、内に向っては国内を統治するところの実力を備え、外に向っては国際義務を履行するところの能力を有するこの内外両方面の条件を兼備するものにあらざれば、政府として立つことも出来ねば、政府としてこれを承認することも出来ないはずであります。その実力とは何であるか、即ち兵力であります、軍隊の力であります。如何に法制を整えても、如何に政治機構を打ち建てても、また如何に文章口舌に巧みでありましても、兵力を有せざる政府の威令が行われるわけがない。
ことにこれを支那歴朝創業の跡に顧みましても、旧王朝を滅して新王朝を創業する、旧政権を倒して新政権を建設する者は、ことごとく武人であります。即ち兵馬の間に天下の権を握らざる者はないのである。
かの孫逸山が革命事業に向って一生の精力を傾倒したにかかわらず、その業が成らず志を得ずして終に最後を遂げたのは何が故であるか。つまり彼が武人にあらず、武力を有しなかったからであります。これに反して彼の後輩でありますところの蒋介石が一時なりとも支那を統一したのは何が故であるか。彼が武人であって武力を有しておったからであります。
ことに近頃支那の形勢を見渡しまするというと、我が軍の占領地域であり同時に新政権の統轄地域であるところにおいてすら、匪賊は横行する、敗残兵は出没する、国内の治安すら完全に維持することが出来ない。加うるに新政府と絶対相容れざるところのかの重慶政府を撃滅するにあらざれば、新政府の基礎は決して確立するものではない。それ故に新しき政府を打ち建てる第一の条件は何といっても兵力でありまするが、まさに現れんとするところの新政府にはその力があるのであるかないのであるか、これについてご説明を煩わしたいと思うのであります。」
「しかしてもし今後この方針を固く守って進みますならば、表面においても裏面においても、公式非公式を問わず、一切重慶政府を対手としてはならないのである。また我が国がこれを対手とすることが出来ないのみならず、近く現れんとするところの新政権も、断じて重慶政府を対手とすることは出来ないはずなのであります。我が日本は対手にしはしないが、新政府はこれを対手にしても宜しいということは、これは言われない。なぜならば新政府に対しては日本は干渉はしないが指導するのである。即ち新政府に対して日本は指導的立場に立っているのでありまするから、もし新政府が重慶政府に向って何か交渉の途を開くと仮定致しまするならば、これは誰が見たところが日本の指導に基づくものに相違ないと思う。また思われても仕方がないのであります。そうすると支那の将来はどうなるものでありますか。いつまで経ってもこの現状をば精算することは出来ないと思われるのでありまするが、政府はこの点についてどういうお考えを持っておられるのでありますか、これもあわせて伺いたいのであります。」
斎藤演説が警告した通り、蒋汪両政権の合流があり得ず、汪兆銘政権が支那大陸を統一し実効支配するための実力を欠くのに、大日本帝国が蒋介石政権を撃滅すれば、確かに支那の各所において政権が分立して、互いに軋轢して摩擦を起こす。その結果として「新秩序の建設も何もあったものではない」とすれば、支那大陸では何が起きるのか。我が陸軍参謀本部作戦課は既に「対支那中央政権方策」(一九三七年十一月二十一日)の中で「持久長きに従い蒋勢力の衰微と共に分裂の形勢を馴致し赤禍の台頭を予想すべく」と判断していた。
しかし対支那中央政権方策を起案した作戦課戦争指導班の堀場一雄少佐は昭和十五年二月二日の参謀本部には勤務しておらず、斎藤演説に相通じる堀場の情勢判断はこの時の陸軍首脳には活用されなかった。二月三日の衆議院本会議において、近衛文麿によって声明された東亜新秩序の内容を露程も疑わない畑俊六陸軍大臣は、斎藤代議士によって警告された汪政権樹立工作の問題点について何も言及しないまま、戦死者の心情について無惨にも尾崎秀実と同じく次のように断言したのである。
「今次事変の目的は、容共抗日政権を壊滅して、東洋平和を恢復し、日満支三国が善隣友好、共同防共、経済提携を具現し、以て東亜の新秩序を確立して、肇国以来の国是たる八紘一宇の大理想を顕現するにあります。是れ蓋し聖戦と称せられる所以でありまして、弱肉強食を本質とする所謂侵略戦争と、根本的に其の類を異にして居ります。其の来るべき東亜新秩序の恵沢は、払われたる物心幾多の犠牲を償いて余すなきを確信するものであります。在支百万の皇軍は固より、全陸軍将兵は、挙げてこの信念の下に各々任務を尽くし、聖業の完成に邁進致して居ります。而して又十万の英霊は、この信念に殉じ、従容死地に就き、事変処理の根本方針に関しまして、一抹の疑義をも存しあらざることをここにはっきり申して置きます。然るに今日に至りまして、尚且つ事変目的に関し、兎角の疑義あるを見まするは、真に遺憾に堪えざる所でありまして、ここに所信を明にする次第であります。」
さらに衆議院議長の小山松寿(民政党)に至っては斎藤演説の一部を議事録より削除し、斎藤隆夫を懲罰委員に付してしまった(10)。
(10)官報号外昭和十五年二月四日衆議院議事速記録第六号 米内国務大臣の発言 畑国務大臣の発言 吉田国務大臣の発言
畑俊六(1962年没)が敗戦後に戦争と共産主義(三田村武夫著/1950年刊行)を読んでいたら、自分の愚劣さを恥じ、恥辱に苛まれる余り発狂して自殺していたかもしれない。畑はまんまと近衛と尾崎の術中に嵌っていただけでなく、知らず知らずのうちに「東亜に終局的な平和を齎すべき『東亜における新秩序』の人柱となることは、この人々の望むところであるに違いない」という尾崎の断言を追認し、これを正当化してしまっていたから。まさに知らぬが仏である。
米内内閣も陸軍中央も三次にわたる近衛声明に拘束されていたこと、そして斎藤隆夫の質問演説は「反軍」ではなく「反近衛」であったことを知った方は、世界中で日本人に対する偏見と差別と迫害を助長している反日新聞社を崩壊させる大東亜戦争史を広めるために、終わりにブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
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