橋本龍太郎の後悔と自責の念を無視する冷酷非情な次期自民党総裁候補者たち

　2001年の自由民主党総裁選挙に出馬した橋本龍太郎は、自身の公式ホームページにて、財政再建を急ぐあまり経済の実態を十分に把握しないまま消費税増税に踏み切り、結果として不況に陥らせたことを謝罪した。

　橋本内閣によって実施された消費税率の引き上げは、日本経済をデフレ不況に陥れ、経済苦の自殺者を激増させ、深刻な就職氷河期を生み出した。これを目の当たりにした橋本龍太郎は、「財政再建のタイミングを早まって経済低迷をもたらした」「私は平成9年から10年にかけて緊縮財政をやり、国民に迷惑をかけた。私の友人も自殺した。本当に国民に申し訳なかった。これを深くお詫びしたい」という自責の念を示し、財務省の口車に乗って消費税率を引き上げ緊縮財政を行ってしまったことを死ぬまで後悔していた。

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　それにひきかえ安倍晋三も麻生太郎も自民党の首脳幹部連中は消費税率を5％から10％に引き上げ、しかも、醜い詭弁を弄してそれを正当化し続けている。

　行政の長にして国政の責任者たる内閣総理大臣として消費税率を3％から5％に引き上げた張本人である橋本龍太郎がそのことについて謝罪し、死ぬほど自責の念に苛まれ、死ぬまで後悔していたのに、石原伸晃と岸田文雄に至っては、消費税率の引き上げに尽力してきた先人の辛苦を口実にして消費税率の引き下げや消費税の廃止を頑なに拒絶し、それらを主張する自民党議員を非難するのである。

　消費税率10％によって生み出された惨状（消費増税後の10月から12月にかけて日本のGDPは年率換算マイナス7.1パーセントを記録した）を目の当たりにした為政者が、仁徳天皇並みの慈悲の心せめて橋本龍太郎並みの良心を持っていたら、社会保障の財源として消費税は不適格であることを悟り、消費税の廃止すくなくとも消費税率の引き下げを決断するだろうに。

　社会保障の目的は、社会的弱者や社会的貧者を公的に扶助し、彼らを強め富ませ、貧者や弱者の数を減らしていくことなのに、消費税は経済を悪化させ、社会的弱者や社会的貧者を爆増させ、社会保障の目的そのものに反するからである。しかも消費増税は法人減税の穴埋めにしかなっておらず、消費税は百害あって一利ない。それは1989年から2020年までの日本経済の低迷によって証明されたことなのに、自民党総裁に立候補している者たちは、橋本龍太郎と違って消費増税について謝罪も後悔もしないし、自責の念に苛まれることもない。

　安倍も麻生も菅も石破も岸田も自民党の首脳幹部は、橋本龍太郎ほどの道徳倫理良心をも喪失し、冷酷非情、厚顔無恥の集団に成り果てた。

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