一方、ドイツ軍は、五月二十六日、北アフリカ戦線で「ベネチア」作戦を発動、六月二十一日にはリビア(イタリア領)の要衝トブルクをわずか一日で奪還し、イギリスの準支配下にあるエジプト領スエズに向かって進撃を開始し、続いて二十八日、第二次対ソ大攻勢「青」作戦を発動した。以後、ドイツ政府は再三に亘り我が国に、ドイツ軍の攻勢に呼応して、ソ連に対し開戦すると共に、日本海軍の有力な艦隊をインド洋に進出させ、イギリス本土からアフリカ大陸南端の喜望峰を経由してスエズ、近東石油地帯、インドに至る連合国海上交通線を破壊し、エジプトを防衛するイギリス第八軍に対する補給を遮断するように要請してきた。
インド洋は、資源に恵まれている環インド洋諸国とそこから重要資源を輸入している東西洋諸国の大動脈であり、その戦略的価値は、アッツ、キスカ、ミッドウェー、ガダルカナル、ソロモン、ニューギニアとは比較にならないほど巨大である。
日本海軍のインド洋制圧が一時的にせよ実現すれば、北アフリカ戦線のドイツ軍はイギリス第八軍を撃破してスエズと近東を占領し膨大な石油資源を確保できた。またビルマ方面の日本陸軍は、ガンジス川河口を擁するインド東部ベンガル地方に侵攻し、イギリス本土からの補給を喪失したインド方面のイギリス軍を撃滅し、ベンガル湾のカルカッタとチッタゴンからインド東北部アッサムを経て昆明と重慶に至る米英最後の援蒋ルートを遮断することができた。
前年十一月十五日大本営政府連絡会議によって決定された「対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案」の要領(二)「日独伊三国協力して先ず英の屈服を図る」ための戦略(一)「帝国は左の諸方策を執る」の(ロ)「ビルマの独立を促進し其の成果を利導して印度の独立を刺激す」及び(二)「独伊をして左の諸方策を執らしむるに勉む」の(イ)「近東、北阿、スエズ作戦を実施すると共に印度に対し施策を行う」(ロ)「対英封鎖を強化す」(2)を遂行するための絶好機が我が国に訪れたのである。
(2)参謀本部編【杉山メモ上】五二三~五二四頁。
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