「日本当局はまた、粥炊き出し所運営のための石炭を充分に安全地帯に搬入することを認めてきた。そして二月八日当局は二千ガロンのガソリンを自治委員会に与え、食料と石炭の継続搬入を大いに楽にした。」
当時支那戦線の日本軍にとってガソリンは貴重品であったろうに、なぜ我が軍は二千ガロンものガソリンを南京住民の自治委員会に与えたのか。筆者をはじめ南京安全地帯の記録を読んだ戦史学徒が抱くこの疑問に対する解答は、日米開戦前の朝日新聞社によって報道されていた。
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1941.3.28大阪朝日新聞 記事「世界戦史に比なし!皇軍の文化擁護 文化施設の返還 故新城博士ら血の滲む労苦」
【南京特電二十七日発】国家間の争闘裏に一国の貴重な文化資料が烏有に帰した例は古来枚挙に遑がないが、今次事変で抗日首都南京の陥落直後からわが方により保存されたものは南京市内の図書文献だけで実に八十数万冊、そのほか紫金山の天文台の復興や学術標本類の蒐集、整理などは世界戦史にも類例のない成果を収め文化擁護に対する日本側の崇高な精神と、これにあたった人たちの血のにじむ労苦の結実はいよいよ国民政府の手に移って日支協力による文化面の建設に大きな役割を果そうとしている。
江南の各地を掩う激戦の巷からいち早く文化資料の散逸を防止すべく軍特務部主班のもとに民間側満鉄上海事務所、上海自然科学研究所および東亜同文書院の協同による占領地区図書文献接収委員会の組織されたのは昭和十二年十二月であった(中略)。
これよりさき首都南京はすでに十二月十三日皇軍の手に帰しこの方面の調査が急がれていた。上海が片づくとただちに梅田潔氏(現中支建設資料整備事務所図書部員)西村捨也氏(現上海自然科学研究所員)ら九名の接収委員は決死的覚悟で三台の自動車に分乗し数日間の食糧、毛布ガソリンを積込んで一月十九日上海を出発、途中車輪を没する泥濘や破壊された道路、橋梁に難行をつづけながら残敵彷徨する戦場を突破、二十三日吹雪の南京についた。
翌日から軍の指示にもとづいて調査に着手、大学図書館など七十箇所の文化機関の残存状況を点検し応急保存処置として目星しいものに封印したうえ約一週間で上海に引揚げた。ついで二月二十二日には杭州に赴き三日間にわたって文化諸機関二十六箇所を探訪、かつては二十数万冊を蔵した浙江省立図書館には一物も存しない有様(後に附近の民家から数万冊を発見)だったが約二万冊だけ応急処置を施した。
ところが南京からは封印された残存図書は日に日に掠奪されているとの情報がひんぴんと伝えられた。陥落後の南京は一時燃料の補給が停止したため酷寒下に薪をもとめる民衆はあれほど苦心して蒐集した図書類まで争って焼くという惨状であった。接収員三名はふたたび三月六日南京に急行、特務機関、憲兵隊、千田兵站と協議の結果接収図書は全部城内珠江路の旧実業部地質調査所に収容することに決し、兵員トラックの掩護によって同月十四日から蒐集運搬を開始、約一ヶ月間にわたり接収員、兵員、苦力の総延員一千五百余名、トラック延台数三百余台を要して同調査所内への搬入を終った。
書類の山を計算した結果は総数八十数万冊、戦前の共公蔵書数百四十二万冊に比して約六割を戦禍散逸のうちから救出し得たわけで書架の蒐集にも苦心を払ったのち整理員二十五名で七月から本格的整理に移ったが数十年来の酷暑に病人は続出し仕事は困難を極めた。
梅田潔氏と西村捨也氏ら九名の接収委員が日本軍の指示に基づき1938年1月24日から約1週間かけて南京の文化機関所蔵の膨大な図書類を封印したものの、南京の民衆がそれらを略奪し燃料として焼いてしまい、日本軍は2月8日に食料と石炭の継続搬入のためのガソリンを自治委員会に提供したのである。
1941.3.28大阪朝日新聞記事「世界戦史に比なし!皇軍の文化擁護 文化施設の返還 故新城博士ら血の滲む労苦」は南京安全地帯の記録と符合しており、これもまた南京虐殺が虚構である貴重な証拠史料の一つである。しかしそれらが地上波テレビや中学高校歴史教科書によって広く日本国民に紹介されることは、もはや有り得ないであろう。
センメルヴェイス反射と強結合した反日左翼イデオロギーが日教組、全教組、教科書出版会社、文科省、テレビ局を覆いつくしており、誰もそれを突き崩せないからである。
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