2019年03月04日

毎日新聞が報道した特高警察の愛情-戦史修正のお知らせ

 安倍晋三が自分は森羅万象担当大臣と豪語したので、森羅万象は安倍の傲慢を揶揄し嘲笑する言葉になってしまった。安倍総理大臣は弱小の弊ブログにまで迷惑をかけるのだから、筆者は憤懣やるかたない。

 筆者が弊ブログに名付けた「森羅万象の歴史家」の意味は、ブログタイトルの下にある説明文の通り、歴史学徒としてジャンルを問わず何でも日本国民に役立つ事物を論じたり揃えたりしますということであって、当然ながら筆者は森羅万象の歴史に精通している訳ではない。そうなりたいとは思うが、一生涯のうちに大東亜戦争の真実を描き切るという単一の目的を達成することさえ至難である。

 最近の筆者は図書館を使えないので専らネットを使い戦前の新聞記事と帝国議会の議事録を読んでいるが、読めば読むほど自分の無知を思い知り、そこで国民のための大東亜戦争史1928-56の8、日本共産党に毎日新聞が報道した「特高警察の愛情」を追加しました(強調部分が加筆修正箇所)。

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 司法省、特高警察、内務省関係者の大半は、共産主義者を取り締まるに当たり、彼等が国体の変革を目的とした場合を重視し、私有財産制度の否認を目的とした場合を軽視していた上に、ソ連や共産主義者の謀略活動を充分に研究していなかった為、天皇制打倒の主張をとりあえず訂正した共産主義者を転向者と判定し、彼等を釈放するばかりか、政府、軍部、民間の調査研究部門への就職をすら斡旋していたのである(3)。その方針は、昭和十年(一九三五)四月二十三日の大阪毎日新聞記事「左翼転向者の身の振方に内務省一肌脱ぐ 全国警察署に職業紹介係設置」によって次のように報道されていた(4)。

 「内務省では全国から極左思想を清掃するため目下酷烈な弾圧を強行しているが、同時に転向者に対しては親切な身の振り方を講じてやる必要を認め種々研究した結果近く地方長官会議に引つづき行われる警察部長、特高課長二会議に諮りその上で具体案を決定、内務省令として全国に通牒することとなった。その内容は大体次の通り。
 
 【一】共産主義者を転向させるためには理論闘争は絶対に不可で、何よりも人情に飢えているから特に警察官は出来る限り愛をもって接する必要がある、【二】共産主義者は転向後も非常に活動的で何か仕事をしていなければ承知出来ないゆえその身の振り方についても普通の職業紹介以上の神経を用いねばならぬ、【三】従って転向者の職業紹介には彼らの神経を最も理解する特高警察官が彼らの職業紹介機関となる必要がある、という主旨のもとに全国六千の特高警察官を動員し全国各警察署に転向者のための職業紹介係を設置すると同時に現在転向者の指導や身の振り方に当っている更新会の如き半官半民の団体を全国各府県に設け警察の職業紹介係と協力させる。なお職業紹介係が出来ても世間が転向者を気味悪がって使用せねば駄目だから各警察署はもちろん内務省も率先して絶えず大会社と連絡をとり各学校当局とも接触することとなった。」

 また昭和七年三月十四日の報知新聞は「共産党に連座する微罪被告の就職を斡旋」と題して共産党事件担当検事の就職斡旋活動を次のように報道していた(5)。

 「東京地方裁判所検事局思想部の戸沢重雄氏といえば三・一五中間、四・一六再建等の各共産党事件の係検事として、また現に宮城裁判長係で審理中の佐野以下日本共産党事件の立会検事として有名だが、共産党事件に連座しながら罪が比較的軽く保釈出獄を許されて自由に活動出来る身になっている者でも、どこの工場、会社も雇ってくれず、結局再び救うことの出来ぬ深淵に陥るという状態にあるのを見て、みずからその被告達に適当せる職業を探し歩き、工場主または社長に面会して彼等のために就職を斡旋して歩いたので、最近では同検事の熱誠に動かされた会社や工場でも何等の別なく雇入れることが出来て、その数が今や十数名にのぼるに至り、被告達の頭脳を明せきや、すぐれた腕は、めきめき成績をあげ、今では会社になくてはならぬ者となっている人物も一二でなく、司法省辺りでも同検事の行動に対しては少なからぬ賞讚の辞を贈って居る。」

(4)神戸大学経済経営研究所新聞記事文庫思想問題(8-098)
(5)神戸大学経済経営研究所新聞記事文庫犯罪,刑務所および免囚保護(4-167)


 我が国の内務省と司法省がかくもお人好しで共産主義者に対して寛容だったから、レーニンの革命的道徳体系を信奉する尾崎秀実ら共産主義者と彼らを背後で操ったソ連は易々と日本国内に巨大な諜報謀略網を張り巡らして我が国の国策を操作し、我が国を対支米英戦から敗北へ追いやったのである。

 しかし今日の日本国民の大半は以上の事実を知らないので、過去の反省歴史の教訓として、防諜法および反共法の再建とその運用強化を政府と国会に求めない。だからイギリス紙ガーディアン(2018年12月9日)が「中国国営メディアは、海外の30以上の大手メディアと提携し、“China Watch”というプロパガンダまがいの記事を報じさせている」「日本国内でこれを担っているのが毎日新聞である」と告発しても、政府も国会もテレビも全く毎日新聞を非難せず、ネット外では騒動にすらならない。

 毎日新聞に至っては最近開き直ったのか、御用学者を動員し、日本国内で広がる貧困と格差を指摘して「やはりマルクス主義は正しい」と趣旨のことを言い始めた。これが毎日、朝日、NHK等が有り得ない財政破綻の危機を誇張し、積極財政を妨害し、消費税率の引き上げを煽動する狙いの一つであろう。

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posted by 森羅万象の歴史家 at 09:00| Comment(0) | 過去を旅する歴史コラム | 更新情報をチェックする
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