2018年08月09日

司馬遼太郎がノモンハン事件の小説化を断念した理由

 NHKは2018年8月15日7時30分からノモンハン事件を報道する。NHKの番組表には次のように紹介されている。

「79年前、モンゴルの大草原で日本とソ連が戦ったノモンハン事件。ソ連の近代兵器を前に、日本は2万人の死傷者を出し敗北した。司馬遼太郎が『日本人であることが嫌になった』と作品化を断念したこの戦いで、何があったのか。新たに発掘した150時間の陸軍幹部の肉声テープには、曖昧な意思決定で紛争が拡大し、責任を現場へ押しつけ自決を強要していった実態が証言されていた。AIでカラー化した、鮮明な戦場の映像で伝える。」

 NHKは、性懲りもなくノモンハン事件日本軍敗北史観を流布している。

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 ノモンハン事件の虚像と実像34~41ページによれば、司馬遼太郎がノモンハン事件の小説化を断念した理由は以下の通りである。

1、司馬は日本軍敗北史観を信じており、関東軍司令部および陸軍省・参謀本部の高級将校を憎悪していた。

2、司馬は小説の有望モデルとして須見新一郎(元陸軍大佐、ノモンハン事件時は第7師団歩兵第26連隊長として第23師団に編入された)を見い出し、須見を取材していた。しかし司馬が瀬島龍三と対談したところ、須見から「よくもあんな卑劣な奴と対談をして、私はあんたを見損なった」と非難され、絶縁されてしまい、小説の有望モデルを失った。

3、司馬は読売記者の松崎昭一に、防衛研究所所蔵の「小松原師団長日記」を防研から借り出すことはできないかという手紙を送ったが、司馬の執筆姿勢や歴史観を危惧した松崎に無視され、小松原師団長日記を読めなかった。

4、司馬は自分の代理人を取材対象者のもとに派遣し事情聴取させており、取材対象者の中には、田中克彦教授のように、司馬の取材姿勢に強い拒絶反応を示す人がいた。

 ノモンハン事件の虚像と実像: 日露の文献で読み解くその深層の著者の岩城成幸は、

「司馬遼太郎が、ノモンハン事件を題材にした小説を書けなかった理由は、おそらく一つではなかったであろう。既に述べたいくつかの要因が、複合的にからみあっていたものと思われる。ただ、試験に優秀なだけの秀才が、闊歩していた参謀本部作戦課の人間模様に、つくづく嫌気がさしたということは、そのうちでも最も大きな理由であったかもしれない」

と、まとめている。

 しかし司馬が信じ込んでいた日本軍敗北史観は真っ赤な虚構で、司馬の『日本人であることが嫌になった』ことが司馬の著しい事実誤認の産物である。そればかりか司馬は、自分が信用しかつ吹聴していたノモンハン事件日本軍大敗北史観と昭和陸軍悪玉史観を補強したかったのか、自ら率先してノモンハン事件に関する虚偽をばら撒いていた。WIKIのノモンハン事件には次のように記されている。

 ソ連が崩壊する前は、ソ連側の情報はソ連に情報操作された出典に頼らざるを得ず、1963年に邦訳が刊行されたソ連軍の公式戦史でのソ連軍の人的損害が9,824名と過少に記述されていたり、日本軍の損失が55,000名と過大に記述されていたため[469]、ノモンハン戦は日本軍が約2倍 - 5倍の損害を被った惨敗であったという評価が定着することとなった[390]。

 ソ連寄りの恣意的な情報が頼りになったため、ノモンハンでの日本軍に対する評価は辛辣になることが多く、例えば、戦時中に学徒動員により予備士官として戦車第1連隊に配属された経験を持つ作家司馬遼太郎は、ノモンハン事件について小説を書こうと調査していく中で[470]、『もつともノモンハンの戦闘は、ソ連の戦車集団と、分隊教練だけがやたらとうまい日本の旧式歩兵との鉄と肉の戦いで、日本戦車は一台も参加せず、ハルハ河をはさむ荒野は、むざんにも日本歩兵の殺戮場のような光景を呈していた。事件のおわりごろになってやっと海を渡って輸送されてきた八九式戦車団が、雲霞のようなソ連のBT戦車団に戦いを挑んだのである[471]。』や『八九式中戦車が役に立たないと認識した日本軍は慌てて九七式中戦車の生産を開始したが、日本軍は貧乏性なのでうんと砲身が短い57mm砲を搭載させた[472]。』などと考え、その結果、日本はノモンハンで大敗北したのに、2年後に太平洋戦争を始めるほど愚かな国であり、調べていけばいくほど空しくなってきたから、ノモンハンについての小説は書けなくなったなどと、知人の作家半藤一利に後日語っているが[473]、そもそも司馬の知識は、日本軍戦車のノモンハン参戦時期や、九七式中戦車の開発経緯・生産開始時期など根本的に間違っている上に、日本軍歩兵が一方的な殺戮されたというのも、ソ連による不正確な情報に基づく事実誤認であった


 日本軍の戦死傷行方不明者は17,364人(ないし17,405人)で、ソ連軍の戦死傷者は25,655人以上である。関東軍は満洲国の防衛という任務を達成し、極東ソ連軍は日本に北進を一時断念させるという目的を達成した。停戦後の日満ソ蒙代表が行った国境画定作業ではノモンハン以北はソ連の主張が通ったが、以南では日本の主張が通り、満洲帝国は、ソ連軍に占領されたハイラースティーン(ホルステン)川周辺の係争地とほぼ同じ面積 (500 km2) の広大な土地を、停戦前に日本軍が確保した南部のハンダガヤ - アルシャン地区に確保できた。

 日本軍の戦果はソ連軍の戦果と遜色ないのだからノモンハン事件の結果は日ソの引き分けで、当時の日本軍はソ連軍より機甲火力・兵力・補給力に劣りながら凄まじい戦闘能力を発揮してソ連軍と互角以上に戦い、ソ連軍の戦車装甲車823輌中397輌を破壊したほか、夥しい数のソ連軍装甲車両を撃破した。ソ連は第23師団長の小松原道太郎中将を調略していたにもかかわらず、ソ連軍の機甲部隊は壊滅した。ソ連の崩壊から27年後の2018年にノモンハン事件日本軍敗北史観は成り立たない。

 それなのにNHKが日本軍敗北史観を流布する目的は、今なおNHKのドキュメントを妄信する視聴者に、日本軍を嫌悪し憎悪する感情を扶植し、国軍の再建ないし国防軍の創設を感情的に拒絶する日本国民および司馬遼太郎の様に護国敢闘精神を喪失し日本人および日本国を呪詛する反日的日本人を拡大再生産し、精神的にも物質的にも法制度的にも組織的にも 日本国を非武装化すること少なくとも今より軍事的に弱体化させることであろう。

 NHKを筆頭とする反日左翼マスゴミの洗脳工作は、外患誘致による国内革新の可能性が存在する限り、言い換えれば、我が国の隣国に中国共産党と北朝鮮労働党が存在する限り、これからも延々と続くだろう。

 NHKの邪悪な洗脳から日本国民を救うために、終わりにブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。

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posted by 森羅万象の歴史家 at 23:00| Comment(2) | 過去を旅する歴史コラム | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はっ、目標達成できなかったら敗北ですよ。
Posted by タカ派チキン at 2018年12月10日 01:35
 タカ派チキンさん、コメントありがとうございます。弊ブログに初めて書き込むなら、挨拶ぐらいしましょう。挨拶のない失礼な殴り書きを見ると、日本経済にタダ乗りしながら自他のブログで複数のハンドルネームを使い卑怯な自作自演と愚劣な反日言論活動を繰り返す某在日4世を思い出し、不愉快な気分になりますので。

 ノモンハン事件では、関東軍は、まずソ連軍から満洲帝国を防衛しソ連の極東攻略を阻止し、とりあえず満洲帝国の安定を維持しました。停戦後の国境線画定作業は、関東軍代表の同意を得た満洲帝国(日本)側の主張通りに進みましたので、関東軍は目的を達成しました。そして事件の結果として満洲帝国は事件前より少し領土を増やし、ソ連軍の損害は日本軍の損害を大きく上回ったのだから、タカ派チキンさんの定義に従う場合でも、ノモンハン事件日本軍敗北史観は成り立ちません。事件は日ソの引き分けで、ソ連にとっては痛恨の引き分けでしょう。

 それに、目的を達成するために国家に生じた損害が、その目的達成によって国家にもたらされた利益を大きく上回れば、それこそ「くたびれ損の骨折り儲け」で、目的達成は勝利とは言えません。

 また目的そのものが著しく国益を害する場合は、目的達成そのものが国家の敗北です。近衛文麿によって発表され朝日新聞出身のソ連スパイ尾崎秀実ら共産主義者によって盛んに美化宣伝され推進された我が国の戦争目的「東亜新秩序」が著しく国益を害するもので、この目的設定自体が既に我が国の敗北であったように。

 目的を達成できれば即ち勝利、目的を達成できなければ即ち敗北、と決めつけられるほど、戦争は単純ではありません。
 
Posted by 所長 at 2018年12月10日 20:33
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