しかし筆者は断じて敗戦前の鈴木安蔵と同じ右翼-国体の衣を着けた共産主義者(戦後の左翼護憲派のみが熟知する戦時中の好戦右翼の正体参照)-ではない(笑)と信じてくれる方は、ブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
以上のニ条文(筆者注、帝国憲法第七十条および七十一条)だけについて見ても、如何に起草当事者―とくに井上毅―が苦心し、全世界の憲法について如何に綿密熱心な調査研究を行ったかが極めて明瞭に看取されるのである。
それにしても、ひとしく全世界の各憲法を参照しながら、かの明治九年以来十一年、十三年に及ぶ元老院の国憲取調員たちの作成した草案、十五年井上毅がプロシア憲法を範として作成せる私案等とグナイスト、スタイン、モッセ、特にロエスレルの助言の下に愈々公的に作成された諸草案との間に生じた相違、またこの公的諸原案自体の間における相違の意義こそは、我々の見逃してならないところである。
しかもなお井上毅などが、我が国体の独自性を余すところなく憲法上に条文化しつつも、幾多の条文について参照し典例とせる諸外国と共通の立憲主義的原則ないし法理によって条文の理論的基礎づけを全からしめんと努力せる事実は、けだし近代国家の根本法としての普遍性の存在を一方において一定程度において認めたがために外ならぬものと思われる。
この事実は特に今日において再認識するを必要とする。もちろん帝国憲法の本質を認識するに当たって、我が国にのみ独自的に存在する諸契機、諸範疇の識別は根本的に重要であり、いたづらに諸外国憲法の普遍的帰納の成果たる諸概念、諸基準をもって解釈するは誤りであるが、しかしながら如何なる国家といえども、それがひとしく近代的立憲国家たるかぎり、近代的国家統治の根本法たる憲法を有する国家体制たるかぎり、それは一定の近代的普遍性を共通に有するものであり、共通的原理を根柢に有するものであって、一国の独自性は実にかかる普遍性と共通性に立っての、もしくは貫かれての、あるいは背景づけられての独自性に外ならないのである。
この近代的契機を有することが帝国憲法たるゆえんの一つであって、これなくしては憲法発布前の統治形態と発布後の統治形態とは同一のものとならざるを得ない。
帝国独自の史的特性、国体、仁愛と忠愛との原理が近代的諸要素・諸規定のうちに生かされ顕現せるもの、すなわち帝国憲法である。
明治天皇が伊藤博文を遠くドイツに派遣し給いしも、かかる近代的諸要素、諸規定の調査に万遺憾なからしめんとされし大御心によるものであり、井上毅が終始あらゆる国家の憲法を研究し、絶えずロエスレル等に質疑し教示を乞うたのも、一面より言えば、帝国憲法をして近代的国家統治の根本法として間然するところなからしめんがためであった。しかもこの近代的契機と我が国独自の伝統、国体、特殊性とは二つの分離・対立せる因子ではなくして、渾然と融合・統一されて比類なき独特の憲法をなしているのである。
帝国憲法の本質の研究にあたって、ひろく諸国の憲法、憲法史、憲法学説の研究の必須不可欠なるを、この際なお繰り返して力説しておきたい(憲法制定とロエスレル日本憲法諸原案の起草経緯と其の根本精神/鈴木安蔵著/東洋経済新報社/1942年発行、318~320頁)。
大日本帝国憲法原案付属文書の注解と参照という第一次史料とこれに依拠する鈴木安蔵の帝国憲法評は、明治憲法を指して、非近代的・非民主的憲法であり「基本的人権と文明社会に発達した法秩序観念そのものを否定した」憲法であったかの如く説いた東大法学部教授の小林直樹と芦部信喜の憲法学が「言語道断の謬論」(小森義峯の言葉)であることを証明する。
第一次史料に背反して帝国憲法と敗戦前の日本国を侮辱し続けた芦部信喜は、第一次史料によって報復され、憲法学の権威から、GHQの戦争犯罪を擁護するために反日的虚偽宣伝を繰り返し法学初心者を騙した憲法学の戦後犯罪人へ転落させられるのである。
正統憲法復元改正への道標が記録する憲法学界の真相は、法曹関係者の間では有名な東大憲法学教授の芦部信喜と小林直樹は、昭和三十八年に、帝国憲法擁護派の小森義峯教授によって彼等の憲法論の誤謬を厳しく指摘され公開論争を挑まれたが、一言半句の反論もできず、沈黙を余儀なくされたことである。
宮沢俊義によって捏造され、樋口陽一に継承された東大法学部マルクス憲法学は、すでに論破され大敗北を喫した真赤なウソ学問なのである。
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<関連ページ>
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