1950年7月7日、連合国安保理は以下の勧告を行い、アメリカ軍25万人を中心として、日本国占領のために西日本に駐留していたイギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス連邦占領軍を含むイギリス連邦諸国、さらにタイ王国やコロンビア、ベルギーなども加わった連合国軍を結成した。
1950年7月7日 連合国安保理決議第84号 大韓民国への侵略に対する非難
安全保障理事会は、大韓民国に対する北朝鮮からの武力攻撃は平和への侵害であると見なし、連合国(国際連合)加盟国が武力攻撃を撃退し当該地域における国際平和と安全の回復のために大韓民国への支援に必要と思われる措置を講じることを勧告し、
1.連合国の諸政府及び民衆が1950年6月25日付決議第82号・6月27日付決議第83号に従い大韓民国を支援し武力攻撃から防御し当該地域における国際平和と安全を回復するための迅速かつ力強い支援を歓迎する。
2.連合国加盟国は大韓民国からの支援要請を国際連合に移管したことに留意する。
3.前述の安全保障理事会決議に従い軍事力及びその他の支援を拠出するあらゆる加盟国はアメリカ合衆国による統一された指示系統の下に部隊や支援を形成することを勧告する。
4.アメリカ合衆国に対しそのような部隊の司令官を任命することを要請する。
5.同時に様々な国家が参加している北朝鮮に対する軍事行動において統一された指示系統にあることを示すため連合国旗を使用することを承認する。
6.合衆国に対し、統一された指示系統の下で為された行動について必要に応じて報告を提出することを要請する。
我が国は連合国軍の命令に従い、日本特別掃海隊を編成し、朝鮮水域に派遣した。日本特別掃海隊は、1950年10月から12月15日にかけて、元山、仁川、鎮南浦、群山の掃海作業に当たり、機雷27個を処分する成果を挙げ、連合国軍の制海権確保と上陸作戦に貢献した。これは戦闘行為であり、我が国の非公式かつ限定的な集団的自衛権の行使である。
さらに1954年2月19日、我が国は連合国の諸決議に従つて朝鮮に軍隊を派遣している国(アメリカ、カナダ、ニュージーランド、イギリス、南アフリカ、オーストリア、フィリピン、フランス、イタリア、タイ)と「日本国における連合国(国際連合)の軍隊の地位に関する協定」を締結した。
はじめにブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
連合国軍(国連軍)地位協定(日本国における連合国の軍隊の地位に関する協定)
千九百五十一年九月八日に日本国内閣総理大臣吉田茂とアメリカ合衆国国務長官ディーン・アチソンとの間に交換された公文において,同日サン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の効力発生と同時に,日本国は,連合国(国際連合)が連合国(国際連合)憲章に従つてとるいかなる行動についてもあらゆる援助を連合国に与えることを要求する同憲章第二条に掲げる義務を引き受けることになると述べられているので,
前記の公文において,日本国政府は,平和条約の効力発生の後に一又は二以上の連合国加盟国の軍隊が極東における連合国の行動に従事する場合には,当該一又は二以上の加盟国がこのような連合国の行動に従事する軍隊を日本国内及びその附近において支持することを日本国が許し且つ容赦することを確認したので,
連合国の軍隊は,すべての国及び当局に対して連合国の行動にあらゆる援助を与えるよう要請した,千九百五十年六月二十五日,六月二十七日及び七月七日の安全保障理事会決議並びに千九百五十一年二月一日の総会決議に従う行動に今なお引き続き従事しているので,また,
日本国は,朝鮮における連合国の行動に参加している軍隊に対し施設及び役務の形で重要な援助を従来与えてきており,且つ,現に与えているので,
よつて,これらの軍隊が日本国の領域から撤退するまでの間日本国におけるこれらの軍隊の地位及び日本国においてこれらの軍隊に与えられるべき待遇を定めるため,この協定の当事者は,次のとおり協定した。
第五条
1 連合国の軍隊は,日本国における施設(当該施設の運営のため必要な現存の設備,備品及び定着物を含む。)で,合同会議を通じて合意されるものを使用することができる。
2 連合国の軍隊は,合同会議を通じ日本国政府の同意を得て,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基いてアメリカ合衆国の使用に供せられている施設及び区域を使用することができる。
3 連合国の軍隊は,施設内において,この協定の適用上必要な且つ適当な権利を有する。連合国の軍隊が使用する電波放射の装置が用いる周波数,電力及び類似の事項に関するすべての問題は,合同会議を通じて相互間の合意により解決しなければならない。
4 連合国の軍隊が1の規定に基いて使用する施設は,必要でなくなつたときはいつでも,当該施設を原状に回復する義務及びいずれかの当事者に対する又はその者による補償を伴うことなく,すみやかに日本国に返還しなければならない。この協定の当事者は,建設又は大きな変更に関しては,合同会議を通じ別段の取極を合意することができる。
第六条
連合国の軍隊,並びに同軍隊の構成員,軍属及び家族は,日本国政府が有し,管理し,又は規制する公益事業及び公共の役務の利用については,連合国の軍隊は,日本国政府の各省その他の機関に当該時に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えられる。
第二十四条
すべての連合国の軍隊は,すべての連合国の軍隊が朝鮮から撤退していなければならない日の後九十日以内に日本国から撤退しなければならない。この協定の当事者は,すべての国際連合の軍隊の日本国からの撤退期限として前記の期日前のいずれかの日を合意することができる。
在日アメリカ軍基地のうち、次の7カ所(1.キャンプ座間 2.横須賀海軍施設 3.佐世保海軍施設 4.横田飛行場 5.嘉手納飛行場 6.普天間飛行場 7.ホワイト・ビーチ地区-沖縄県うるま市)が協定に基づく連合国軍施設であり、横田飛行場にある在日アメリカ陸軍・連合国軍後方司令部には、司令部要員として4名が常駐しているほか、各国大使館の駐在武官を兼務する者を含めて23人の連絡将校団が常駐している。
朝鮮戦争は休闘(戦闘の全面的休止)状態にあるものの、国際法上は終戦(戦争状態の終了)を迎えておらず、今なお継続中である。だから横田飛行場には連合国軍後方司令部が存在するのである。
我が日本国は、今日なお継続中の朝鮮戦争において北朝鮮軍と対峙する連合国軍に対して「施設及び役務の形で重要な援助」を行っており、この援助を通じて北朝鮮と戦争状態にある韓国を軍事的に支援しているのである。これを集団的自衛権の限定的行使と言わずして何というのか。
北朝鮮は1994年、1996年、2003年、2006年、2009年、2013年の少なくとも6回にわたり、もはや休戦協定に束縛されないと表明しており、朝鮮戦争が再び全面的戦闘状態に入る可能性はある。
このとき、北朝鮮軍の特殊部隊と、北朝鮮を支持する我が国の反日左翼(マルクス・レーニン主義)勢力の幾つかは、必ずアメリカに統一指揮される連合国軍の後方撹乱を狙い、日本国内で再びテロ活動・ゲリラ戦を行うに違いない。
だから日本政府による「日本国における連合国の軍隊の地位に関する協定」の締結と履行を非難せずに、安保関連法案に反対している連中は本当に滑稽千万なのである。
<関連ページ>
・筆者の大勝利(笑)国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56を補強する英国立公文書館所蔵の最高機密文書ULTRA
・筆者の戦史を読み謀略史観を重視する歴史家に転向した平間洋一氏の最新著書イズムから見た日本の戦争 ―モンロー主義・共産主義・アジア主義
・日本国民がマスゴミに騙されなくなる大東亜戦争史を広めるために、終わりにブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
↓↓↓

【関連する記事】
- 古谷経衡が知らない空爆損害の適法性と違法性
- 丸山穂高によって暴かれた戦後日本の自己欺瞞
- 日本政府の対抗措置は法の支配に反しない-橋下徹の無教養
- 韓国の対日請求権資金白書に記された日本政府の戦時国際法論
- 核兵器禁止条約の欺瞞と連合国(国連)憲章の欠陥
- 極東国際軍事裁判最大の問題-戦史修正のお知らせ
- 捕虜殺害が合法となる場合-戦時国際法と南京事件
- 東京大空襲と1907年ハーグ陸戦法規第25条-空襲の歴史及び空襲に関する国際法の..
- 毎年8月15日の終戦記念式典は違憲慣行の疑い(笑)
- 日本は宥和政策を放棄せよ!中国共産党は東アジアの国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ..
- 南京大虐殺肯定論を粉砕する戦時国際法の砲爆撃の法理-空襲と国際法
- 支離滅裂な民主党の歴史観
- 君主主権の由来と定義 ジャン・ボーダン
- 法戦不能に陥る日本の悲劇 日本国憲法有効論の弊害2
- 鳩山由紀夫は無法者 フン公害を撒き散らすハトを撃退するタカ派のアイテム
- 国際法上の侵略の定義
- 占領軍憲法第9条は日本人に対すると虐めと嬲り 連合国の犯したポツダム宣言違反
- チベット問題と国際連合
- 1907年ハーグ陸戦法規第43条の沿革と解釈
- 1937年南京攻防戦再考 1907年ハーグ陸戦法規25、26、27条について