しかし筆者は漢籍調の文章を好むせいか、大阪朝日新聞の記事「満蒙栄光に映え溥儀執政、厳かに就任、三千万民衆の待望報いられ万歳轟く新国都長春」(1932.3.10)を読み、実に爽快な気分になった。ヤバい、戦前朝日のファンになりそうだ(笑)。
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満蒙栄光に映え溥儀執政、厳かに就任、三千万民衆の待望報いられ万歳轟く新国都長春(大阪朝日新聞1932.3.10)
これ時大同元年三月九日栄光燦然として輝く新興満洲国が若き新元首溥儀氏を迎え新国都長春において盛大なる建国の大典を挙げ、新元首執政就任の晴の大儀の行われるその日は来た、この日無風快晴、茫漠涯なき満蒙の夜は朗らかに明け、瑞雲靉靆して三千万民生の『新国都万歳』『新元首万歳』の歓呼の声は満蒙の天地に百雷の如く轟く、新国家、新首都、森羅万象はすべてこれ新にして生気溌剌、すべてこれ清新すべてこれ祝福、ことにめでたきは御齢正に二十七歳、清朝の末裔たる若き新元首溥儀氏が帝制と民本政治とその国体は異なれども再び一国の元首に就任され、しかも二百八十八年の昔清朝の祖愛新覚羅氏が創建せる清朝発祥の地たるこの満蒙の天地において世界の歴史を飾り極東史を画する執政衆院の大儀が行われることである、三千万民衆、殊に忍苦と受難に恵まれざりし宣統帝の同族満洲人三百万のその喜びと感激よ!
専制悪業、秕政、百悪の代名詞たる軍閥政治は根こそぎ打倒されてその廃墟の上に元首も国もともに若々しき王道国家『満洲国』は彗星のように極東の一角に打建てられた、晴の御儀はいよいよこの日午後三時新装なれる国務院内において金モール燦爛たる執政服を召された新元首溥儀氏臨場の下に厳かに挙行され、ここに新理想国満洲国の国基は名実ともに定まるのである、新満洲国と新元首と、三千万民衆の上に栄光あれ!
筆者は、まさに日本国民を鼓舞する名文である以上の記事を読んで感激し(笑)、思わずこれを「国民のための大東亜戦争正統抄史35、満洲国協和会と大政翼賛会」に挿入した。筆者は、1932年6月14日帝国議会衆議院が満場一致をもって満洲国承認決議案(久原房之助外45名提出)を可決したことを我が身をもって理解できた(笑)。
満洲国承認決議案、満場一致可決す 衆院で児玉君趣旨弁明に当る(東京朝日新聞 1932.6.15)
(十四日最終日の衆議院本会議)午後零時五十分休憩、午後二時十分再開、日程を変更して政、民両派の共同提案に成る一、決議案(満州国承認に関する件)を上程、その趣旨弁明をなすべく児玉右二君(政友)登壇次の通り演説をなす、政府委員席には斎藤首相をはじめ荒木陸相、永井拓相その他居並び、貴族院議員席には内田伯が傍聴に来て熱心に聞耳を立て、議場も重要問題と認めて割合におとなしく聞いている。
軍閥の支那には法治国の面目すらなく泰西人のいわゆる正当に行使する所有権すら国家が擁護しない況んや生命財産の保護すらなき支那、その証拠には支那の要人が日貨排斥とか利権回収を叫んでおるが一度下野すると大連大津上海へ逃げ込むこれは何をもの語るか自国に生命財産の保護なき野蛮蒙まいの証拠ではないか。
吾等は(満州国)は東洋文化老曹揚墨孔孟その他諸文豪を研賛して真の文化的和平統一を実現する楽天地にしたいと確信する、民族自決九ヶ国条約不戦条約連盟規約の精神より看て満洲国は黄色人種保障の中心となり東洋文化の中枢ともなり得ると信ずる殊に愛親覚羅氏の後えい溥儀氏が執政である事が歴史的考察の見解よりも篤学の紳士である連盟調査団一行も認められた模様である、彼のヘーヘラン条約がコロンビア上院に破れ米国がコロンに兵を挙げてコロンビア軍隊を買収しパナマ独立の承認が一週間以内に出来たのとは事が違う、斎藤子爵は正義と果敢なる和平を愛好せらるる人、内田伯は外交界の長老大先輩である、殊に満蒙を究めた人である満洲人の幸福、延て四の億民衆を教化する大見識の持主であろう、殊に為替より見たる満洲、関税より看たる満洲、機会均等よりみたる満洲、更にいえば機会均等を要望する白人の良心を米国のいわゆるグッドウィルを黄色人種差別撤排に導く第一印象として欧米先進国がこの承認を快諾するよう、リットン卿一行の先輩紳士諸君をもこの機会において民意を披て御願いする、有色人種に対する白人の試練とも確信する、我国も自ら求めたかつ正しき世界に貢献する東洋文化の顕現である以上は自ら信ずる信念の要求が満洲国新国家の承認であると確信する、当局その処置をあやまらず速に承認の実をあげられん事を述べて上程の理由と致します。
かくて児玉君、満洲国承認は国民一致の輿論であり、国民の声だと叱呼して討論にいり、民政党を代表し山道襄一君 登壇左の賛成演説をなす。
前議会及び今期議会における政府の満洲国承認に関する答弁を要約すれば、
一、満洲国の独立はこれを承認せざるべからず
二、唯その準備を整うる必要上承認の時期を明言する能わず
という二点にある、然しながら余りに準備用意に手間取ってその根本を閑却するが如きことがあってはならぬからこの際我々の意志を表示しておく。
満洲国の独立は事実なりその内容において完全ならざるの点ありとしてこれが承認をちゅうちょして時日を遷延せんか民心を不安に導き新国家建設事業の前途に大なる障害を与うることとなるの心配がある、我国は隣接同種同文同利同益の満洲国民の勇気と境遇とに同情し理解し彼等に独立国民たる自信を持たしむることは我国の義務であり情誼である、列国も承認は異議の余地なく国際連盟も又この事実を誤認するようなことはないと信ずるから一大決心をもって承認に進まれたい、
と力説すれば民政党は熱心に拍手を送り、政友会またこれに応じて拍手するものあり、山道君の速射砲的弁舌いよいよさゆると共に満場水を打ったるが如く静かであるかくて政、民両派の割るるが如き拍手に送られて山道君その演説を終るや第一控室代表として亀井貫一郎君(社民)民族国家として満洲国に政府は速かに承認を与え、この資源の解放機会均等を計り、我が国が率先して世界平和の確立に乗りだすべきである、とて賛成演説をなし議長はその採否を起立に問うたところ起立総員であり、満場一致を以って満洲国承認決議案は可決された。
テレビとネットがある今日に比べて新聞が国民世論に対して大きな影響力を持っていた1932年当時、朝日新聞が朝に夕に美辞麗句を連ねて満洲国の正当性を鼓吹すれば、国民の代表機関である帝国議会衆議院は満洲国承認決議案を可決せざるを得なかっただろう。
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<関連ページ>
・ひと目でわかる近衛文麿の正体-大東亜戦争史書の選び方
・筆者の大勝利(笑)国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56を補強する英国立公文書館所蔵の最高機密文書ULTRA
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・日本国民がマスゴミに騙されなくなる大東亜戦争史を広めるために、終わりにブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
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