環境権と憲法改正 憲法義解第二十条解説改正案

　改憲派の国民は、改憲に賛成する理由として憲法が時代に合わなくなってきたことを挙げる。彼らは憲法を改正して環境権を盛り込むべきであると主張する。自公主導の憲法改正作業は危険だと憂いている方は一日一押人気ブログランキングをクリック願います。

　しかし所長は環境権には反対する。環境権は国民がこれを行使しなくても良いものだから、国民一人一人に崇高な環境保全の義務感を抱かせない。

　だから環境権は環境保全にはそれほど役立たず、おそらく反戦平和団体を詐称するプロ市民左翼が階級闘争の代替物である裁判闘争の手段として環境権を悪用し、政府の国防国策を妨害するであろう。

　だから所長ならば、帝国憲法改正試案第二十条二項に「日本国民は法律の定める所に従い環境保全の義務を有す」という一文を加え、憲法義解に次のような第二十条二項解説を加える。

　「恭て按ずるに、古より日本の皇室国民は自然を神々の宿る聖なる依代として崇拝せり。此れ人為をして自然を征服せしめず自然と調和せしめる日本民族の美徳なり。

　徳川幕府の世に江戸は百万都市を形成するも、為政者庶民は屎尿を巧みに活用して武蔵野を不毛な原野から広大な森林に変貌させ、江戸湾および日本近海を豊穣な海に育て上げ全国の庶民に海の幸を齎せり。

　所謂江戸前の寿司は人為と自然の調和の賜物と云うべし。江戸の清潔なる繁栄は、人口の増加と集中とによって森林を砂漠に変えられ国力を衰退させられたる古の諸文明とは正反対の世界史の奇跡なり。

　今日の日本帝国の為政者国民には温故知新の必要あり。此れ日本帝国の繁栄を築くのみならず人類を救済する捷径なり。

　日本列島は急峻な山岳に覆われ毎年台風の直撃を受ける世界有数の降雨地帯なるが故に、帝国の国史は治山治水に関する祖先の惨憺たる辛苦と不幸の記録に満ち満ちたり。環境保全就中保水力を有する森林と水田の保全は国家国民の存立の為に不可欠にして聊かの怠慢も遅滞も許さず。

　日本武尊が故郷を偲びて詠み給いし歌に「倭は国のまほろば、たたなずく青垣、山隠れる倭し美し」とあり。此れ独り大和の特徴のみならず日本帝国の原風景にして生命線なり。たたなずく青垣山隠れる美しき日本の国を祖先より受け継いで之を子孫に譲り渡すは皇室為政者国民の責務なり。

　本条二項に環境保全を掲げて之を不行使の許される国民の権利と為さず不履行の許されぬ国民の義務と為したるは、蓋し環境保全は国防義務の枝葉なればなり。」

　安倍首相は憲法改正の実現に情熱を燃やしているようだが、果たして現在の自民党議員の中に、自民党の新憲法草案各条項の由来と立法意思を日本の歴史から説き明かす「新憲法義解」を執筆し公刊できるだけの碩学がいるのだろうか？

　安倍首相および自民党各議員が、伊藤博文と井上毅の共著「憲法義解」より優れた新憲法義解を執筆する器量と見識を持ち合わせていないのに、拙速に憲法改正を目指しているのならば、それは亡国の憲法改悪になるだけであろう。


【日本国民を賢くする本】

＜参考文献＞

・日本人の叡智が凝縮された大江戸リサイクル事情

・敗戦後に石原が提唱した日本再建策人類後史への出発―石原莞爾戦後著作集

・憲法改正議論に参加する資格―明治最高の公民教科書「憲法義解」

・正統憲法復元改正への道標

▲法曹関係者の間では有名な東大憲法学の芦部信喜、小林直樹両教授は、昭和三十八年に、帝国憲法擁護派の小森義峯教授によって彼等の憲法論の誤謬を厳しく指摘され公開論争を挑まれたが、一言半句の反論もできず、沈黙を余儀なくされたことを付言しておきます。
　
　宮沢俊義によって捏造され、樋口陽一に継承されている東大法学部マルクス憲法学は、すでに論破され大敗北を喫した真赤なウソ学問なのである

・大東亜戦争を惹き起こした思想は国家神道ではない！目覚めよ日本人「現人神」「国家神道」という幻想―近代日本を歪めた俗説を糺す。

＜関連記事＞

・占領憲法無効論とは帝国憲法及占領憲法有効論

・日本人を覚醒させる日韓の糞尿処理史　後学のメモ

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Comments

ご提示の憲法義解、これなら気持ち良く義務を果たしたくなりますね。新無効論、新風や西村議員には是非この論を推して欲しいものです。それにしても国内に蔓延っている「大日本帝国＝悪」のイメージ、何とかならないものでしょうか。

Posted by penki at 2007年02月10日 01:09

仰るとおりです。今現在政治家であれ学者であれ大日本帝国当時の知的水準に匹敵する人物がどれだけ存在するのかと考えた時、全く心細い思いを否めません。
アメリカ主導の憲法改正であるならば、危険ですし断固反対に回ります。
真に日本の自存自衛の為の憲法は必要ですが。

Posted by sesiria at 2007年02月10日 09:36

penkiさん、有難うございます。しかし新風が私の20条解説を主張すると、たぶん「神道を美化している」とか「実在しない日本武尊の歌を引用するのは不適切である」とか「憲法は国家権力を縛るもので国民に義務を課すべきではない」とか反論する左翼系の政治家学者知識人が出てくるでしょう。彼は病んでいますから。

　テレビが真実を報道してくれれば良いのですが。たとえば元共産党員の方が告発しているレーニンの犯罪「レーニンの大量殺人総合データと殺人指令２７通」http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/leninsatujin.htmがテレビで報道されたら、治安維持法に対する誤解が解け、大日本帝国のイメージも改善されるのでしょうが、テレビがレーニンの犯罪を明らかにすると中国共産党と日本の各界で跋扈している左翼を間接的に非難することになるので、テレビは未だにレーニンの悪行を暴露しない。ヒトラーついては繰り返し非難するくせに。困ったものです。

Posted by 便利屋こと所長 at 2007年02月10日 20:23

sesiriaさん、たぶん今の我々には憲法義解http://www.asahi-net.or.jp/~xx8f-ishr/kenpou_gikai.htmより優れた、日本に相応しい新憲法義解を執筆する能力はないでしょう。伊藤博文の憲法義解は日本の国体や国柄を言い尽くしているからです。だから我々は帝国憲法を復活させその部分改正にとどめるべきなのです。

Posted by 便利屋こと所長 at 2007年02月10日 20:31