2013年02月10日

天賦人権説は妄想の空論に過ぎない-大日本帝國憲法とエドマンドバーク

 伊藤博文と井上毅ら大日本帝國憲法の起草者は、欧米憲政史の長短を取捨選択する比較憲法学を用い、その長所としてエドマンドバークの漸進的保守主義とイギリス流の歴史憲法学を採用し、その短所としてルソーの主権在民論、シェイエスの革命的憲法制定権力論、そしてフランス人権宣言の天賦人権説を拒絶した。

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「(第二十二條)以下各條は臣民各個の自由及び財産の安全を保明す。蓋し法律上の自由は臣民の権利にして其の生活及び知識の発達の本源なり。自由の民は文明の良民として以て國家の昌栄を翼賛することを得る者なり。故に立憲の國は皆臣民各個の自由及び財産の安全を以て貴重なる権利として之を確保せざるはなし。

 但し、自由は秩序ある社会の下に棲息する者なり。彼の仏國の権利宣告[人権宣言]に謂える所の天賦の自由は他人の自由を妨げざる限り、一の制限を受けざるの説は妄想の空論たるに過ぎず。

 法律は各個人の自由を保護し、又國権の必要より生ずる制限に対して其の範囲を分画し、以て両者の間に適当の調和を為す者なり。而して各個臣民は法律の許す所の区域において其の自由を享受し綽然として余裕あることを得べし。これすなわち憲法に確保する所の法律上の自由なる者なり」(憲法義解稿本大日本帝國憲法第二十二條解説)


 帝國憲法起草者の一人である金子堅太郎は、明治十四年(1881)に佐々木高行(元老院副議長)の依頼を受け、イギリス人エドマンド・バークの著書「フランス革命の省察」より其の政治意見を抜粋抄訳して「政治論略」と題して出版した。これが井上毅をして感激させ、伊藤博文をして金子を憲法起草者の一人として起用せしめたのである。井上毅は政治論略に依拠して天賦人権説を否定したのであろう。

「人民が占有する天賦の権理を暫く論理上より引き離して之を人間社会の実況に依て論究するときには彼の純粋なる天賦の権利も人民の情欲あるいは百般事業の盤根錯節(バンコンサクセツ-わだかまっている根と木のいりくんだ節、転じて困難な事柄)に触れて或いは曲がり或いは折れてその天然の性質を保存せざることは太陽の光線が地球上の木石等に触れ反射屈折してその直線を保つこと能わざるに似たり。

 故に人民天賦の権理は時代の変遷に拘らず古来純粋の性質を保つ者と認むるは誤謬の甚だしきものと云うべし。然るに論理に依て政治を論ずるものの称する人民天賦の権理は皆理論の極点に流るるが故に論理の順序においては真実なるものの如きも道徳及び政治の点より論究するときには真正なるものにあらず」(政治論略四十三ページ)。

これらの理論家が権利だと称することはすべて極端であり、そして、それらが形而上学的に正しいのに比例して、道徳的および政治的には虚偽である」(中央公論社の世界の名著34フランス革命についての省察125ページ)
  

 昭和十年から十三年(1935~1938)にかけて金子堅太郎が「憲法制定と欧米人の評論」を出版し、大日本帝國憲法の素性が英米系であることを明かしたのは、当時の日本に蔓延っていた反英米的な風潮と国家革新運動を鎮め、日本の世論と外交方針を再び明治時代の対英米協調路線に戻したかったのだろうか。

 21世紀の我が国において、日本国憲法の無効・大日本帝國憲法の復元改正(増補)が実現すると、帝國憲法の制定に多大な影響を及ぼしたアメリカ合衆国憲法のコメンタリー「ザ・フェデラリスト」と、マスコミと民主党にダマされた有権者が学ぶ新訳フランス革命の省察-保守主義の父かく語りきが憲法を学ぶ法学徒の必読文献となり、左翼全体主義の起源であるフランス暴力革命とルソーを美化する政治勢力が滅亡し、我が国は綺麗サッパリ垢(あか)抜けて明治時代の輝きを取り戻すのである

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<関連ページ>

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正統憲法復元改正への道標とともに芦部信喜の真赤なウソ憲法学を粉砕するとこしへのみよ

・自民党の愚劣さを痛感させる世界は憲法前文をどう作っているか

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