2012年10月15日

GHQ検閲官-GHQの違法な占領作戦を暴露した甲斐弦

 甲斐弦(かいゆずる、1910年熊本県に生まれる)は、東京帝大文学部イギリス文学科を卒業後、佐渡中学校の教諭、蒙古政府の日系官吏を経て、1945年6月18日に応召、1946年4月下旬まで山西省で中共軍と交戦した後、同年5月13日に佐世保港に帰還した。

 甲斐弦は家族を養うために1946年10月28日から同年12月27日まで(日本国憲法の公布は1946年11月3日)まで福岡のアメリカ軍第三民間検閲局(CCD)に勤務した経験を持つ元GHQ検閲官である。

 甲斐弦著「GHQ検閲官」は、GHQの検閲に協力した日本人自身がアメリカ軍の検閲の実態を戦後生まれの日本国民に伝える貴重かつ稀有の回想録である

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GHQ検閲官(甲斐弦著/葦書房/1995年8月初版発行)の目次

第一部 夢見る人
一、わかれ道
二、悲喜こもごも
三、団子売り
四、山にいどむ
五、湯の谷ホテル
六、愚者の道

第二部 米軍検閲官
七、アメリカの犬
八、言論規制と庶民の生活
九、奥の堂にて
十、慢性金欠病
十一、ゆがんだ世相
十二、冬の嵐に
十三、静かなる決意
あとがき

 占領期間中にGHQが行った郵便物や出版社に対する検閲への一般の関心は、今でもそう高いとは言えない。多くの日本人は、敗戦によって我々は軍のくびきから解放され、大幅な自由を与えられたものと無邪気に信じ込んでいる。

 だが私の見たところ、これは大変な誤りである。戦時中われわれが軍に騙されていたことは事実だが、戦後はまた別な意味で騙されていると私は考える

 当時は日本人の一挙一動は、米軍の鏡に映し出されていた。新聞も雑誌も事前検閲を受けない限り出版は許されなかった。事前検閲廃止後もGHQの内面指導は続き、昭和二十年九月彼等が押し付けていたプレスコード(日本新聞遵則)によって新聞記事は依然規制される。しかもこの規制は自主規制の形を取って今もなお生きているのである

 原爆の残虐さを非難した鳩山一郎の談話を掲載したため朝日新聞が四十八時間の発行停止を食らったこととか(昭和二十年九月十八日)、進駐軍兵士の暴行を非難した石橋湛山の東洋経済新報が一部残らず押収の憂き目を見たこととか(昭和二十年九月二十九日)、果たして今何人の人が知っているだろうか。

 我々の私信もまた検閲の対象になっていた。全郵便物を検閲するなどとても出来ない相談であるため十通に一通を無差別に抽出し、日本人の動向を探ろうとした。

 日本人または日系二世の検閲官がこれを検閲し、検閲要項に抵触するものは片っ端から翻訳、危険人物と思われる者はブラック・リストに載せ、あるいは逮捕し、場合によっては手紙そのものが没収となった。

 新憲法第二十一条を読むたびに私は苦笑を禁じ得ない。

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」

 何というしらじらしい言葉であろう。言論および思想の自由を謳ったポツダム宣言にも違反し、GHQ自身の手に成る新憲法にも抵触するような検閲が、憲法公布後もなお数年間にわたって実施されていたのである。民間検閲局こそがこの違法行為の実行者であったGHQ検閲官119~120ページ)。



GHQ民政局のニューディーラー(アメリカの共産主義者)たちが犯した違法行為の破廉恥さは左翼の特徴である

 フランス革命では、革命勢力は自由平等博愛を掲げながら、信仰の自由と課役の平等を認めず、反革命勢力を大虐殺した(ヴァンデ戦争―フランス革命を問い直す

 ロシア革命では、レーニンらソ連共産党は、労農階級の利益擁護を掲げながら、国家権力を掌握した直後から農民と労働者を大虐殺した(共産主義黒書ソ連篇)。

 菅直人は、麻生太郎首相のバー通いを非難しながら、自分が首相に就任した直後から、毎晩のように異様な高級グルメ道楽に励んだ。菅直人の行動は古今内外の左翼勢力に共通する厚顔無恥や破廉恥を踏襲している。

 そしてGHQ民政局の厚顔無恥あるいは破廉恥な振る舞いは、違憲有効界に属する保守風味の改憲派の学者に感染している。

 改憲派の学者は、日本国憲法がマッカーサー占領軍憲法であることを指摘し、日本国を蝕む諸悪の根源として、日本国憲法とこれを信奉する左翼護憲派を非難しながら、憲法効力論争に入ると途端に馬脚を現し、左翼護憲派と同じく、立憲主義を破壊する違憲の憲法改正有効論を唱える

 また東日本大震災の発生以後、改憲派の学者は日本国憲法の欠陥として非常事態対処規定の不備をあげつらい、これを盛んに批判している。

 偉大な法力(非常事態対処規定)を持つ帝國憲法の復元神州不滅思想を捨てよう!真正の法力再生方策)を頑なに拒絶し、帝國憲法違反のGHQ製日本国憲法を有効な最高法規として罷り通らせている当事者の彼らが、今さら日本国憲法の欠陥を批判するのは、厚顔無恥の所業ではないか。

 所長は、彼らの改憲論を読むたびに、それこそ苦笑を禁じ得ない。あんな連中に憲法改正という国家の一大事を委ねてはいけない。

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世界がさばく東京裁判-85人の外国人識者が語る連合国批判が日本国民の間に知れ渡れば、日本政府のポツダム宣言の受諾を「日本国の無条件降伏」といい、8月15日を終戦記念日といい、東京裁判を国際法に基づく正義の裁判といい、ポツダム宣言を根拠にマッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)の制定を有効といい、日本国は東京裁判を受諾したから政治家は南京虐殺を否定できない、靖国神社を参拝してはいけないとか言ってきた政治家、学者、知識人、評論家、教師そしてほぼ全てのマスコミが壊滅する

 彼等の言ってきたことは全部デタラメのウソ八百なのである

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