2012年10月01日

現代日本に甦る美濃部達吉の遺言-立憲議院内閣制の理想型

 伊藤博文ら大日本帝國憲法原案起草者は、憲法の改悪に伴う國体の毀損を未然に防止するために、憲法には帝國政治の大綱のみを明示し、それ以外の細目は憲法に付随する法律と勅令に譲り、我が國が法律と勅令を変更することにより憲法の改正を待つことなく國運の発展と時代の変化に即応するための伸縮自在の運用性(フレキシビリティ)を帝國憲法に持たせ、憲法の改正が不必要になるように務めた。

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 だから帝國憲法は内閣総理大臣を含めた國務大臣の就任資格を明示していない。そこで帝國憲法の施行後、明治維新の元勲から成る元老会議が帝國議会の内外から内閣総理大臣候補を選定して天皇に奏薦し、最後の元老である西園寺公望の晩年すなわち昭和十二年六月の第一次近衛内閣の発足時からは、常侍輔弼の内大臣と内閣総理大臣の経験者らから成る重臣会議が奏薦の任に当った(山崎丹照著/内閣制度の研究297~326ページ内閣の首班奏薦の方式)。

 この慣行は憲法違反ではないとはいうものの、帝國憲法に規定されていない組織の元老会議と重臣会議が内閣総理大臣候補の奏薦を行っていたことは、やはり立憲政治において好ましくなかった。

 また朝日新聞出身のソ連スパイ尾崎秀実の同志であった近衛文麿は、我が國の立憲自由主義的議会制デモクラシーを破壊しながら支那事変を拡大長期化させ我が國を対米英戦争へ追いやった日本憲政史上最凶の総理大臣であった(近衛文麿の戦争責任にもかかわらず、第三次近衛内閣の総辞職後も重臣の一人として新しい内閣総理大臣の選定と奏薦に関与し続けた。これが我が國の針路を誤らせた。

 これはあたかも日本憲政史上最低の内閣総理大臣となったルーピーこと鳩山由紀夫が鳩山内閣の退陣後も延々と政界の重鎮として新総理大臣の選定に大きな影響力を及ぼし続けることに等しい我が國の大失態であった。
 
 しかし我が国がこの政治的な大失敗の再発を防止するためには、帝國憲法を改正して憲法に議院内閣制を明示する必要は無かった。立憲政治に好ましくない帝國憲法の運用を改めれば充分であった。すなわち重臣会議に代わり帝國議会衆貴両院が各々上奏権(帝國憲法第四十九條)を活用して内閣総理大臣候補を天皇に奏薦すれば良かったのである。

 大日本帝國憲法第四十九條 両議院は各々天皇に上奏すること得

 上奏は文書を上呈して天皇に奏聞するを謂う。或は勅語に奉対し、或は慶賀吊傷の表辞を上り、或は意見を建白し、請願を陳疏するの類、皆其の中に在り。而して或は文書を上呈するに止まり、或は総代を以て覲謁(註、きんえつ-覲は、まみえるという意味で、むかし諸侯が秋に天子のお目にかかり王事に勤め励むことを指した)を請い之を上呈するも、皆相当の敬礼を用うべく、逼迫強抗にして尊厳を干犯することあるを得ざるなり(大日本帝國憲法義解第四十九條解説)。


 帝國憲法第四十九條が帝國議会に天皇に対する上奏権を与えて、その上奏可能(禁止)意見を敢えて明示しないのは、帝國議会に広範な政治的役割を与えるためであった(小林よしのりを圧倒する伊藤博文の叡智-議院上奏権の意義)。

 「又意見の文字は漠然として予め(あらかじめ)其如何なる事件なるかを知る能ず(あたわず)との論あれども、其事件は一々本條に明記すること能わざるものなり。只(ただ)時と場合とに依て定まるものにして予め明記すること能わず。

 例えば政府に於て外国と無用な戦争を開くか、又は不急の工事を起すが如き事あるに当り、議会より之に関して意見を上奏することあらん。予め意見の区域を定むる時には必ず後日差支えを生ずるに至らん。又意見は独り法律上の意見のみならず、凡て政事上の意見たるも妨げなし。」(枢密院帝國憲法制定会議における伊藤博文の答弁)
 

 そして衆貴両院の議員は質問に由り公衆の前に大臣の答弁を求むることを得べく、議院は君主に奏上して意見を陳疏することを得べく、而して君主が才能を起用することは憲法上その任意に属すといえども、衆心の向かう所(希望)はまた君主の採酌の一に洩れざるがゆえに、國務大臣は天皇に対する直接的責任のみならず人民に対する間接的責任を負うのである(大日本帝國憲法義解第五十五條解説)。

 帝國議会が帝國憲法第四十九條および第五十五條の立法趣旨を貫徹し、重臣会議に代わり議会の内外から宰相の器量を持つ優れた人物を内閣総理大臣候補として天皇に奏薦すれば、我が国は帝國憲法の下で憲法の改正を待つことなく容易に議院内閣制を確立できるのである。

 大日本帝國憲法の起草を統率した伊藤博文自身は早くも明治三十二年(1899年)に将来の政党内閣の出現を予期し、天皇の大命を受け内閣を組織する政党人の心得について次のように演説していた。

「それで将来は政党の樹立の必要なると共に、又唯今申す通り君主は何人をも用い何人をも用いざることを得る大権をば御所有に相成つて居る以上は、党派の人といえども党員を以て政府を組織するに何の妨げもない。

 唯々その党派なるものが何時でも考えて居らなければならぬのは、党派が大権の作用を委任せられた場合においては、天皇は偏せず党せずであるから、偏せず党せざる天皇の大権の作用を委任せられたることを深く心に蔵めて、日本国民の為に春雨の霑う(潤う)が如き政治を行わなければならぬと云う責任のあることである。それを誤解されては大変なことである。

 ここにおいて将来に向つてはこの憲法の持続せらるるように、又この憲法に就いて政党なるものがその責任を深く省み而して一国の運命を托せられてこの進歩を計り、国を危殆に陥らしめざるように努めなければならぬと云う観念を、第一に政党は持たざることを得ぬと考える。先ず御話はこれだけであります」(伊藤博文演説集175~176ページ明治三十二年四月十二日長野答礼会)


 衆議院選挙後、衆議院は天皇に対する上奏文書の提出を議決し、衆議院議長が天皇に捧呈する上奏文書には、宰相の器量を持つ人物の名前と経歴とこれを内閣総理大臣候補として奏薦する理由を書き連ね、衆議院の奏薦する人物(たとえば衆院選挙で大勝した政党の党首もしくは幹部)を総理大臣に任命し、これに対して組閣の大命を降下するように天皇に請願する。

 貴族院は、衆議院の奏薦する人物が内閣総理大臣に相応しい器量を持っていると判断すれば、貴族院の単独上奏を見送り、あるいは衆議院と共同上奏すればよい。もし衆議院の奏薦する人物が鳩山ルーピー由紀夫のような詐欺政党の最低党首であれば、貴族院は彼を非難し、別の人物を天皇に奏薦すべきである。

 もし帝國議会の召集が不可能であるのに天皇が新たに内閣総理大臣を任命しなければならない非常事態の発生時には、天皇は新総理大臣の選定について枢密院に諮詢し、枢密院顧問官の奏薦を受ければよい。

 国務大臣の任免は天皇の大権であり、帝國議会奏薦の採納は天皇の任意であるから、天皇が衆議院と貴族院の奏薦する人物を好まず、全く別の人物を内閣総理大臣に任命するかもしれない。

 もちろん其の可能性はゼロに近いが、その時においても必ず衆議院の多数を占める政党を政府与党にするために、我が国は、大蔵大臣(財務大臣)の就任資格を衆議院の代議士に限定する大蔵省官制(勅令-行政命令)を制定し、軍部大臣現役武官制度ならぬ大蔵大臣衆議院代議士制度を確立すべきである。

 帝國憲法は議会に国政全般を支配する予算承認権を与え、憲法第六十五條は衆議院に予算先議権を与えている。予算審議の際に、政府の財務と国民の生計を比較対照し、政府は国民の生計を豊かにするために積極財政を採るべきか、あるいは財政再建のために緊縮財政を採り国民の生計に倹約を強いるかを決定することこそが、衆民の公選に依り成立する代議士の職任の中で、最も緊切にして重要だからである(大日本帝國憲法義解第六十五條解説)。

 そうであるならば大蔵大臣の就任資格は衆議院の代議士であるべきである。衆議院の多数を占める政党に属する代議士が大蔵大臣に就任し、内閣が政府予算案を議会に提出する前から各省庁および其の大臣長官と予算折衝を行う。こうなれば帝國憲法第六十五條の立法趣旨が徹底されるのみならず、国防省ならびに国防軍に対するシビリアンコントロールが強化される。

 帝國議会が天皇に内閣総理大臣候補を奏薦し、かつ大蔵大臣の就任資格が原則として衆議院の代議士に限定されるならば、衆議院選挙は事実上の政権選択選挙となる。

 かくして我が国は帝國憲法の改正を行うことなく容易に「日本国国民の間に於けるデモクラシー的傾向の復活強化に対する一切の障礙」を除去し(ポツダム宣言第10項)、かつ「日本国国民の自由に表明せる意思に従い平和的傾向を有し且つ責任ある政府」を樹立する(ポツダム宣言第12項)ことができる。

 だから美濃部達吉博士は1945年10月20日の朝日新聞紙上で次のように述べたのである。

 「私は決して憲法の改正を全然不必要となすべきものではない。むしろ反対に、憲法の実施以来、すでに半世紀余を経過し、国内および国際の政治情勢も当時とは甚だしく変化しているのであるから、憲法の各条項に通じて全面的にこれを再検討することの必要を痛感するものである。

 国家百年の政治の基礎がそれによって定まるのであるから、その改正には慎重の上にも慎重を期すべく、今日の如き急迫した非常事態の下においてそれを実行することは、決して適当の時期ではないことを信じ、かつこれを主張するものである

 いわゆる『憲法の民主主義化』を実現するためには、形式的な憲法の条文の改正は必ずしも絶対の必要ではなく、現在の憲法の条文の下においても、議院法、貴族院令、衆議院議員選挙法、官制、地方自治制、その他の法令の改正およびその運用により、これを実現することが充分可能であることを信ずるもので、たとえ、結局においてその改正が望ましいとしても、それは他日平静な情勢の回復を待って慎重に考慮せられるべきところで、今日の逼迫せる非常事態の下において、急速にこれを実現せんとすることは、徒らに混乱を生じるのみで、適切な結果を得る所以ではなく、したがって少なくとも現在の問題としては、憲法の改正はこれを避けることを切望してやまないものである。」


 帝國憲法の優れた特徴の一つである伸縮自在の運用性(フレキシビリティ)は陸上自衛隊の最新鋭装備10式戦車の設計コンセプトに似ている。国体護持機能も非常事態対処機能も軍隊運用機能も公選議院の弊害抑制機能も伸縮自在の運用性も一党独裁を防ぐ権力分立均衡抑制機能(鳩山民主党内閣という悪夢-日本国憲法下の異常な権力集中現象 )も持たないマッカーサー占領軍憲法は、さしずめアメリカ軍が1952年(昭和27年)に日本の警察予備隊に与えたM24軽戦車といったところか

 これをマイナーチェンジしたところで我が国は再興しない。まして戦後レジーム(マッカーサー占領軍憲法体制)からの脱却など夢のまた夢である。有権者はよくよく美濃部達吉博士の遺言を肝に銘じ、我が国は枢密院帝國憲法制定会議に結集した明治の偉人たちの叡智を素直に受け継ぐべきである。

 GHQの方針に反逆し歌舞伎を救った男マッカーサーの副官フォービアン・バワーズ大日本帝國憲法を「完全に有効でかつ実際にきわめて立派な明治憲法(the perfectly valid and really very beautiful Meiji constitution)」と称賛した。
歌舞伎を救った男 マッカーサーの副官 フォービアン・バワーズ

 今度は日本国民自身が、GHQによって違法不当に最高法規の地位から追われた我が国の正統憲法たる大日本帝國憲法を救済しなければならない。

 「中国が攻めてくる!日本が憲法で滅ぶ」前に、日本民族がGHQによって僅か一週間の間に建設された粗末な違法監獄から集団脱走して明治の偉人が叡智を結集して建立した素晴らしい故郷の旧家に戻り、井上孚麿が「いくそたび かき濁しても 澄みかへる 水やみくにの 姿なるらむ 」という歌に込めた「日本民族の正統憲法復原力」を生み出すために(現憲法無効論-憲法恢弘の法理)。

 しかし残念ながら現在の我が国では、鳩山ルーピー由紀夫の率いる詐欺政党が衆院選挙で大勝してしまうほど、有権者の政治能力は極端に低劣化している。またGHQに破壊された防諜法体系の修復が進んでおらず、マスコミとくに一朝夜にして数百万数千万人の視聴者を煽動し洗脳し得るテレビが連日のように偏向報道を繰り返している。このように我が国の国益を防衛するには極めて不利な国内政治情勢の下で憲法改正を焦るのは非情に危険である。

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