日本国憲法の制定時は、帝國憲法第七十五條にある「摂政を置くの間」と同等以上の国の変局時であり非常事態であった。
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枢密院帝國憲法制定会議帝國憲法草案第七十五條 憲法及皇室典範は摂政を置くの間之を変更することを得ず
【枢密院帝國憲法制定会議に提出された草案第七十五條注解】
恭て按ずるに、摂政を置くは國の変局にして其の常に非ざるなり(ヂヂトニッセン氏、白耳義憲法注釈に拠る)。故に摂政が統治権を施行すること天皇に異ならずと雖も、憲法及皇室典範の何等の変更も之を摂政の断定に任ぜざるは、國家及皇室に於ける根本条則の至重なること、固より仮摂の位置の上に在り、而して天皇の外何人も変更の大権を施行すること能わざるに由る。
【枢密院帝國憲法制定会議に提出された草案第七十五條参照】
荷(オランダ)第百九十八條 摂政大政を摂するときは根本法又は継嗣の順序を変更すべからず
「摂政を置くの間」は具体的には「天皇未だ成年に達せざるとき」と「天皇久きに亘るの故障に由り大政を親らすること能わざるとき」である(明治皇室典範第十九條)。
天皇久きに亘るの故障とは、重患彌留歳月の久しきに亘り医治の望なく、又は其の他の事故に因り、天職曠闕なるをいう(明治皇室典範義解第十九條解説)。日本国憲法の制定時は、まさに「天皇久きに亘るの故障―その他の事故(ポツダム宣言およびハーグ陸戦法規を蹂躙したGHQの戦争犯罪)に因る天職曠闕―に由り大政を親らすること能わざるとき」であった。
だから帝國憲法の改正=日本国憲法の制定は帝國憲法第七十五條「憲法及皇室典範は摂政を置くの間之を変更することを得ず」違反なのである。
それにもかかわらず、保守を自称する有効界改憲派の中には、有効界護憲派と一緒になって承詔必謹論という革命肯定論(違憲の憲法改廃を無効とせずに有効とすること)を振りかざし、GHQ民政局のニューディーラー(アメリカの共産主義者)たちが我が国に仕掛けた二段階革命戦術である日本国憲法を有効と強弁する者が後を絶たない。我が国の反日左翼勢力にしてみれば笑いが止まるまい。
大日本帝國憲法は、金子堅太郎の恩師にあたるオリバー・ウェンデル・ホームズJr(ハーバード大学教授、マサチューセッツ州の大審院判事、アメリカ連邦最高裁判所判事を歴任)から「予が日本憲法を熟読するに当たり、天皇及び其の政府において保守主義を以てこの憲法を制定せられたる精神の全篇に充満するを祝賀するものなり」という最大級の賛辞を贈られた(憲法制定と欧米人の評論 (1938年))。
それなのに保守派を自称する者が自ら率先して、帝國憲法の復原を妨害し、帝國憲法と昭和天皇を侮辱し(詳細はエセ民族派が行っている最悪の天皇利用-昭和天皇と憲法改正-天皇の発言と憲法の効力を参照)、挙句の果てに今なお我が国の反日左翼勢力が夢想する「外観誘致による革命」を正当化している。
彼らはGHQ製の日本国憲法が昭和天皇の裁可と「朕これを深くよろこぶ」という勅語を得たことを根拠にして、帝國憲法の改正限界を超越し且つ帝國憲法勅語および第七十三條および第七十五條に違反する日本国憲法を最高法規として有効だというのである。
このような承詔必謹論がまかり通るのであれば、日本国憲法の内容に不満を持つ日本の或る政治勢力が中国共産党人民解放軍の協力を得て日本国憲法に違反する憲法改正を強行し、暴力を用いて天皇を監禁脅迫し、天皇に違憲の憲法改正を裁可させてしまえば、この違憲の新憲法が、中国共産党人民解放軍製であり、立憲君主制自由主義議会制デモクラシーを否定するものであっても、有効になってしまう(詳細は日本国憲法有効論の弊害2-法戦不能に陥る日本の悲劇を参照)。
井上孚麿の表現を借りれば、だから次から次へと様々な革命肯定論を作ってはこれを喧伝する日本国憲法有効界の連中は、日本国憲法の助産師を務めようとして日本国憲法とその第九十六条から誕生するかもしれない新憲法の殺害、そして立憲政治の抹殺を準備している死刑執行人になっているのである。
・戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」―二段階革命理論と憲法

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