2006年10月31日

国語教育私見 東京大空襲訴訟の不条理

 東京大空襲の被害者たちが原告団を結成し、アメリカではなく日本の国に謝罪と損害賠償を求めて集団提訴を起すという。戦時中の日本の政府と軍部が高々度迎撃機の実戦投入を戦争に間に合わせることができず、B―29による無差別爆撃から国民を守り抜くことができなかったことについて、被害者たちは現代日本の「国」に謝罪を求めているのか?

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1/72 九州 J7W1 十八試 局地戦闘機 震電 #D20
幻の戦闘機―震電…開発の記録 (1980年)戦局に間に合わなかった日本の高高度迎撃機(日本海軍 局地戦闘機 最高速度750キロを予定)

東京大空襲 被害者らが原告団結成 初の集団提訴へ

 約10万人が犠牲になった1945年3月の東京大空襲の被害者らが国に補償と謝罪を求める集団訴訟の原告団結成のつどいが29日、東京・台東区民会館であった。法による補償を受けた軍人・軍属らとの格差などについて問いかけ、空襲の民間人被害者としては初の集団訴訟を空襲から62年となる来年3月9日、東京地裁に起こすことなどを決めた。

 遺族らが01年に結成した「東京空襲犠牲者遺族会」が中心となり、準備を進めてきた。21都道府県に住む50~90代の被害者ら138人が原告に名乗りを上げており、つどいには被害者45人と支援者ら約150人が参加した。

 空襲被害を巡っては名古屋市の女性2人が国に慰謝料を求めた訴訟で、87年に最高裁は「国の存亡にかかわる非常事態のもとでは等しく受忍しなければならなかった」として請求を退けた。

 今回の訴訟準備には、全国95人の弁護士が参加し、代表して中山武敏弁護士が「受忍論」に関し欧州では民間被害者にも補償、無差別爆撃は国際法違反で米国への補償請求権があったのに、サンフランシスコ講和条約で政府が勝手に放棄したなどと問題点を指摘。「戦地と銃後で補償に差があるが、東京だって『戦場』だった」などと声を震わせて体験を語る参加者もいた

 訴訟では、1人1000万円の損害賠償と謝罪を求める。このほか、無差別爆撃の違法性を明確にさせることや、犠牲者・遺族の体験を記録として後世に残すことも目的としている。原告団長に選ばれた星野ひろしさんは「裁判史上初となる訴訟。大事な歴史的一歩を踏み出した」などと語った。


 軍人軍属は、空襲の民間人被害者とは違い、公権力のの命令によって戦地に送られ死傷したのだから、彼ら及び彼らの遺族が政府によって特別の手当てを支給されることは当然である。

 それはさておき、上の原告団が国を相手に集団訴訟を起し、アメリカ軍の東京大空襲に関して国に謝罪と損害賠償を要求するということは、少なくとも現在において選挙権を有する日本国民すべてに謝罪と損害賠償を要求するに等しい。

 議院内閣制の我が国では、安倍晋三(1954年9月21日生まれ)総理大臣以下の日本政府は日本国民の代表であり、原告1人あたり1000万円の損害賠償金とは言うまでもなく日本国民の税金によって賄われるのだから。

 つまり原告団の歴史認識は、大日本帝国―帝国憲法下の日本の敗戦処理責任は、日本国―マッカーサー占領憲法下の日本に相続され、今を生きる日本国民が背負わなければならないというものである。所長はそれについて特に異存はない。

 しかしである、現在の日本国が大日本帝国の敗戦処理責任を負担するにあたり、1945年9月2日の休戦協定の成立以前に生まれた国民は、協定成立以後に生まれた国民よりも重い責任を背負なければならないはずである。
 大東亜戦争を経験した戦前世代の責任が大東亜戦争を経験していない我々戦後世代の責任より軽いはずはないのだから。

 それなのに原告団は、自分自身が日本国の敗戦処理責任を負担しなければならない戦争経験者であるにもかかわらず、厚顔無恥にも国を相手に訴訟を起こし、日本の敗戦後に生まれた安倍晋三総理を長とする日本政府に謝罪を求め、戦争未経験の戦後世代に損害賠償金を請求するのである。

 彼らは、GHQと日教組ら日本の反日左翼勢力に洗脳され日本という国家を呪詛するあまり、自分の精神を国家の外に置く非国民と化し、彼らの子孫も戦争未経験の戦後世代も、そして彼ら自身も、国家の一員であり国の分子であるということを完全に忘却しているのである。

 現在の日本の世相は、まさに石が流れて木の葉が沈み、西から昇った御日様が東へ沈むがごとき有様である。これでいいのか!?

 もし国の旧字体「國」の成り立ちが広く日本の世間一般に知れ渡っているならば、国民は、行政府の責任というべきところを国の責任と言い換え国民を苦しめる悪しき存在として殊更に国を批判し糾弾し視聴者を反国家主義的思想へ誘導するテレビ・マスゴミによって、愛国心を摩滅させられることもなく、また日本という国家をひたすら虐め貶め卑しめ弱体化させる朝日新聞ら反日左翼勢力の跳梁跋扈を許すこともなかっただろうに。

 確か「榮」は、陣中で焚かれる篝火が周囲を明るく照らす様子を意味するはずだが、「榮」の簡略字である「栄」は「榮」に比べて意味を表す能力を欠く。

 つまり漢字の簡略化は、漢字の姿かたちが持つ表意能力を著しく損ねており、「看護婦」を「女性看護師」に置き換えることと同じくらい、読者には不便である。

 せっかくワープロが文章を書く手間を省いてくれているのだから、児童生徒の国語能力を強化する必要性が叫ばれている今こそ、日本政府は漢字制限を撤廃し、国語教育において児童生徒に漢字の新旧字体と現代仮名遣いと歴史的仮名遣いを教えるべきではないか。

 戦後の国語改革が日本に引き起こした最大の公害は、戦後生まれの日本国民にとって歴史的仮名遣いと漢字の旧字体で書かれた戦前の書物が大変読みにくいものになったことであろう。

 所長は未だに敗戦以前の書物を速読できない。紙面を一瞥しても旧字体と歴史的仮名遣いで書かれた文章は脳裏に焼き付いてくれないのである。

 ソ連と共産主義の封じ込め政策を立案したことで有名なジョージケナンは1948年に来日し、実見した占領行政の過激さに驚愕した。軍隊も沿岸警備隊も内務省も破壊され、治安機能を喪失した占領下の日本の姿を見て、「マッカーサー将軍の本部によって、その時点までに実施された占領政策の性質は、一見して、共産主義の乗っ取りのために、日本社会を弱体化するという特別の目的で準備されたとしか思えないものだった」と述べ、さらに日本語と家族制度の無意味ないじくり回しを非難したという。

 おそらく敗戦後の国語改革は、現在から未来へ継承されるべき過去の伝統的遺産とを否定するマルクス主義を信奉するGHQのニューディーラーと連中に解放された日本の共産主義者によって進められ、日本国民を過去と断絶させる邪悪な狙いを含んでいたのであろう。

 それは文科省の革新官僚と国語審議会の進歩的知識人に継承され、万学の基礎である国語能力を日本国民とくにゆとり教育を受けた世代から奪い去り、日本国中に公害を撒き散らしている。

 我々日本民族はGHQによって建設された占領憲法体制という牢獄に幽閉されている虜囚である。
 悲しいことにGHQが牢獄の管理を止め牢獄から去ってから50年以上が経過したにもかかわらず、牢獄の中では、すぐにでも牢獄の扉をぶち壊して懐かしい日本の故郷に帰りたくてたまらない虜囚と、牢獄の生活に満足と快感を覚えている頭のおかしい虜囚が四六時中けんかしており、前者も後者に足を引っ張られて牢獄から脱出できないのである。


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posted by 森羅万象の歴史家 at 12:53| Comment(4) | TrackBack(0) | もろもろ時事評論 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 便利屋様、はじめまして。時事評論からフィギュアまで、毎日拝見させて頂いております。特に、憲法論と国防論には目を見張るものが多く、大変勉強になります。
 ところで最近、なかなか面白いサイトを発見いたしましたので、ご紹介いたします:

●地獄の箴言(歴史的仮名遣い)
http://kimura39.txt-nifty.com/

[コメント]
故・福田恒存氏とその後継者である松原正氏に関するサイト。国語問題中心ですが、時事評論も有り。

●日本保守主義研究会
http://www.wadachi.jp/

[コメント]
保守系の学生たちによる保守主義の研究会。著名な論客たちの講演会も行う。

ちなみに、私のハンドル・ネームは、以下のサイトで運勢が良いのを選んで作りました↓

http://hname.net/

最後に、これからも頑張ってください。応援しております!


Posted by かりあげ渉太 at 2006年11月01日 10:20
便利屋様、はじめまして。国語問題については、以下のサイトが詳しいので、ご紹介させていただきます:
http://kimura39.txt-nifty.com/

Posted by かりあげ渉太 at 2006年11月01日 10:40
すみません、間違って二回もほぼ同じ内容の書き込みをしてしまいました。もし不要でしたら、この書き込みと二回目の書き込みをお手数ですが、削除してください。すみません。
Posted by かりあげ渉太 at 2006年11月01日 10:44
かりあげ渉太さん、書き込み有難うございます。

 かまいませんよ、シーザーの反応速度は鈍いときがありますので。

>便利屋様、はじめまして。時事評論からフィギュアまで、毎日拝見させて頂いております。特に、憲法論と国防論には目を見張るものが多く、大変勉強になります。

 お恥ずかしい限りです(冷や汗)。

 紹介してくださったリンク先を拝見しましたが、やはり歴史的仮名遣いと旧字体の文章は眺め読みが困難で、一文一文を丹念に読む精読を行わないと私は理解できません。これも慣れれば何ということはないのでしょうが、やはり戦後生まれは過去と断絶させられているようです。

 私自身、歴史的仮名遣いと旧字体の文章を書いてみたいのですが、ブログの文章は不特定多数の人に容易く読まれてナンボのものなので、当面の間はやめておこうと思っています。
Posted by 便利屋こと所長 at 2006年11月01日 23:59
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