2011年07月04日

石炭火力発電の大いなる可能性-クアドラプル・コンバインド・サイクル

 福島県いわき市にあるクリーンコールパワー研究所の石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証プラントも津波の直撃を受け、損傷した。

<発生経緯>

 2011年3月11日(金)プラント負荷225MW にて運転中。宮城沖を震源地とする大地震が発生し(M9.0 いわき市震度6強)、プラント停止した。その後の地震に伴う津波がプラント全域に来襲し、1階面フロアの機器がほぼ水没する被害を受けた。

14:46 頃 地震発生

プラント停止(タービン第二軸受振動大)

IGCC 所内全停(地震により常磐共同火力停止、東京電力系統阿武隈線電圧ゼロ)所内全停となった。

15:30 頃 津波(第一波)来襲、1FL 面(1~2m 程度)水没、その後2、3波襲来。

15:35 IGCC 非常用電源復旧(常磐共同火力M/C より受電)

<被害状況>

・CCP 職員および家族は全員無事を確認。けが人なし

・火災、爆発などなし。危険物等の大量流出なし。(灯油、アンモニア、薬液、潤滑油)

・プラント1FL の各機器は津波により水没したものの、主要機器(ガス化炉、ボイラ、等)の倒壊はなし。

・水没により、各機器には大量の泥が堆積。 特に電気品に短絡・絶縁不良等多発。

・CCP 事務所は1FL が津波で崩壊状態。

・通勤用の車両は全台水没・損壊

 しかし復旧工事は予定通り進んでおり、石炭ガス化複合発電(IGCC)の実証プラントは今年の7月中旬に起動するようである。

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 LNGと石炭を使う火力複合発電は爆発炎上して死傷者を出したとしても、厄介な放射性核廃棄物を出さないので原発に比べればダメージコントロールが極めて容易である。それはダメージコントロールにかかる金銭コストとエネルギーコストが低いということである。しかもJ-POWER(電源開発)は、IGCCと燃料電池発電を組み合わせるトリプル・コンバインド・サイクル石炭ガス化複合発電(IGFC)を鋭意開発している。

 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)システムとは、石炭ガス化設備、ガス精製設備、燃料電池発電設備、ガスタービン発電設備、蒸気タービン発電設備及び付属設備により構成され、石炭をガス化して得られる水素と一酸化炭素を燃料電池に供給して直接発電を行うと同時に、ガスタービンにも石炭ガスを供給して発電を行い、さらにそれらの廃熱を回収して蒸気タービン発電を行うという世界で初めてとなる夢のトリプル複合発電である。

 これは発電端発電効率約60%(現在の最新鋭石炭火力発電の発電端発電効率は約42%)を可能にする石炭火力発電における究極の高効率発電システムである。既存の石炭火力発電に比べCO2排出量を約30%も低減できる技術として世界から注目を集めているという。

 さらにJ-POWER は、去年から若松研究所 (北九州市)に設置されているEAGLE(Coal Energy Application for Gas, Liquid and Electricity)パイロット試験設備を活用し、国内初となる石炭ガス化プロセスからの物理吸収法を用いたCO2分離回収試験を中心とする革新的CO2回収型石炭ガス化技術開発を開始した。

 この物理吸収法は、次世代IGCC (1,500℃超級ガスタービン)を想定した高圧プロセス向けのCO2分離回収技術であり、発電プラントへの適用可能性やエネルギーロスの低減を目標にシステムの検証を行う。

 EAGLEパイロット試験設備では、従来の1,300℃級ガスタービンの低~中圧プロセス向けの化学吸収法を用いたCO2分離回収試験の実績があり物理吸収法によるCO2分離回収試験を実施することにより、現状技術から将来を見据えたIGCCに適用できるCO2分離回収技術の最適化を目指す。

 このCO2分離回収技術が確立され、新しいエネルギー藻類バイオマスを用いる人造石油生成技術と組み合わされれば、我が国の石炭火力複合発電はクアドラプル・コンバインド・サイクルにも成り得るのである。

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posted by 森羅万象の歴史家 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 元気が出る科学技術ニュース | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 中川八洋氏が雑誌「撃論」の巻頭論文で「脱原発は日本経済の破綻」を書かれてますね。
 もし読まれたら、所長様の見解を伺ってみたいです。
Posted by ロエスレル at 2011年07月07日 00:56
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