原子力村の悪魔ヨサノカオルと屈曲角の悪魔ディアボルス・インクリナタス

　与謝野馨経済財政担当相は２０日の記者会見で、福島第１原発事故について「神様の仕業としか説明できない」と述べ、「神様の仕業とは自然現象だ。人間の予想や知恵をはるかに超える津波が起きたのは自然現象であり、あたかも原子力事業者が事故の発生原因まで責任を負わなければいけないという言動があるのはおかしなことだ」と指摘し、過剰な東京電力批判に疑問を呈した。

　しかし今回の東北地方太平洋沖地震が引き起こした津波は、日本人の予想や知恵をはるかに超える津波ではなく、1896年に発生した明治三陸沖地震の大津波とほぼ同規模だった。

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　歴史的に三陸沖は地震の巣であり、岩手県・宮城県・福島県の太平洋沿岸は定期的に大津波の襲来を受け、多数の死傷者と甚大な経済損失を出してきたのである。

　だから原子力事業者と福島県と日本政府が三陸沖地震による大津波の発生を予想し、福島県双葉郡大熊町の海岸段丘に危険な原子力発電所を建設しなければ、今回の原発事故はなかった。危険な場所には危険な原発を建設しない。これが正しい大津波対策であり、それを怠った我が国の国土計画のミス、国防戦略のチョンボが福島第一原発事故であった。

　人災を神様の仕業に摩り替え、原子力事業者の責任を神様に転嫁する与謝野馨は反日の悪魔である。与謝野馨の厚顔無恥な言動には本当に萎える。

　前兆、被害、救援の様子を体験者の貴重な証言をもとに明治29年、昭和8年、昭和35年の三陸沿岸に襲来した大津波を再現した吉村昭の三陸海岸大津波が昭和45年（1970）に刊行され、以後40年にわたり読み継がれて来た。

　それなのに東北地方太平洋沖地震では「人間の予想や知恵をはるかに超える津波が起きた」と公言して憚らないヨサノカオルは原子力村の悪魔である。

　同じ悪魔でも、屈曲角の悪魔ディアボルス・インクリナタス（税込みネット特価6,850円！定価8,190円から16％オフ）とは大違いである。

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