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拙者の記憶によれば、ある日、読者の声に日本の戦争を批判する投稿が掲載されており、その中で投稿者は、「日本が東南アジアの独立を支援したことは事実であったとしても、それは日本の利益のためであったから日本の戦争は正当化されない」という趣旨のことを述べていた。拙者はこれに強烈な反感と違和感を覚えた。
また最近では日本が戦時中にユダヤ人を救出したことに対しても同じような批判を浴びせる知識人がいる。拙者は、国民のための戦時国際法講義の中で、日本が自国の利益を絡めて人道的政策を実施したことを批判する反日的日本人に対し次のように反論した。
「およそ国家の国策というものは、国益に偏して人道を軽んじれば、外国民の恨みを買い後世に汚名を残し子孫に災いをもたらすだろうし、かといって人道に偏して国益を軽んじれば、現在の自国民に負担と犠牲を強いることになる。だから国策は国益と人道の合致が望ましい。
一九三八年、関東軍特務機関長の樋口季一郎少将が同軍参謀長の東条英機中将の承諾を得てドイツから満州国に逃れてきたユダヤ人を救出したことや、石原莞爾少将が極東ユダヤ国家の建設を企図したことは、ユダヤ人の救済という人道的措置の実施によってユダヤ人の持つ資金力、技術力、情報収集発信能力を我が国の味方に獲得しようとする狙いを秘めており、いずれも国益と人道を合致させた素晴らしい国策であり、我々はこれを拳々服膺しなければならない。
戦時国際法教育の徹底実施は現在の我が国が比較的簡単に採用できる国益と人道の合致する政策であると筆者は思うのだが、国益と人道を蹂躙する対中ODAを継続する我が国の政府と議会にそれを求めることもまた詮無きことであろう…。」
囲碁をたしなむ人には容易に理解されるだろうが、囲碁では、石を効率よく働かさなければならない、つまり一手一手が一石多鳥の効果を発揮しなければ、勝負には勝てない。国家の政策も同様である。
政治家の優先任務は国民を含む国家の利益を守ることだから、国策の上策は国益の増進と人道の尊重との両立、中策は国益の増進のみ実現、下策は人道の尊重のみ実現、下の下策は国益と人道の双方を犠牲にすることである。
北朝鮮人権法案第六条に対する国民の非難がネット界に渦巻く中、参院本会議は自公民の賛成多数をもって北朝鮮人権法案を可決し、これを成立させてしまった。
北朝鮮人権法案が成立 参院本会議
北朝鮮による拉致問題などの人権侵害に対して制裁措置を促す「北朝鮮人権法案」の採決が16日午前の参院本会議で行われ、自民、民主、公明3党などの賛成多数で可決し、成立した。北朝鮮が拉致問題に誠意ある対応を示さない場合、政府が経済制裁を行うための根拠法になる。
北朝鮮人権法は、政府が日本人拉致被害者の帰国の実現に最大限の努力をすることを明記。拉致問題など人権侵害状況に改善がない場合、政府が改正外為法・外国貿易法などによる経済制裁を発動することを求めている。北朝鮮を脱出した「脱北者」については「脱北者の保護・支援に関し、施策を講じるように努める」ことを盛り込んだ(産経新聞)。
北朝鮮人権法は限りなく下の下策に近い国策であろう。なぜなら北朝鮮当局は脱北者を民間団体に引き渡す代償として身代金を取り一党独裁の延命を図るかも知れず、難民として日本に入ってくる脱北者は日本に生活基盤を持たないのだから、犯罪者になるか、もしくは被生活保護者になるか以外に人生の選択肢はなく、いずれの場合にも、治安の悪化に怯えデフレ不況に苦しんでいる大多数の日本国民は脱北者を憎悪するに違いなく、在日朝鮮人と日本国民の軋轢が増々高まるだけだろう。それは両民族にとっても日本国にとっても不幸ではないか。
長島昭久は猛烈な非難から自分の主張を正当化するために約4000のコメントから以下の文を引用した。
「明治の人、サムライの心をまだ維持した人たちだったらどうかしら?と思うんです。目先とっても苦しくても、問題の早期、かつ究極解決を目指すために、困難に耐える覚悟があったんじゃないかしら、と。多少気にくわない相手であっても、アジアの人のために自分が犠牲になる寛容の心があったんじゃないかしら、と。真の愛国心があったのではないかしら、と。日本って、すっかり"サムライの国"から"商人の国"に変わってしまったんですね... ここのコメント欄を見てると、そう痛感します。」
しかし長島が愛読しているであろう司馬遼太郎の歴史小説「国盗り物語」の中では斉藤道三は武士の大将の道徳として次のように語っている。
「義戦じゃと?不思議なことを言うものかな。まさか信長ほどの男が、左様なうろたえた言葉はつかうまい。国に帰れば申し伝えておけ、いくさは利害でやるものぞ。されば必ず勝つという見込みがなければいくさを起してはならぬ。その心掛けがなければ天下はとれぬ。信長生涯の心得としてよくよく伝えておけ」
国策の利害損得を勘定せずに国民を国策の犠牲にしようとする長島は、サムライでもなければ商人でもない、単なる愚か者である。
また日本軍将兵が自己の生命を犠牲にしてインドの解放を目指したインパール作戦においても、我が国はインドを独立させることによって、インド人をイギリスの苛酷な植民地支配から救い出すと共に、ビルマを防衛し且つ援蒋ルートを断ち蒋介石政権を屈服させて日中戦争を終結させ戦局を一挙に好転させようとした。
つまり戦時中の我が国だって失敗したとはいえ懸命に上策を企図したのであって、それを戦時中の日本が下策を敢行したかのごとく吹聴し、それを根拠に北朝鮮人権法という下の下策を正当化して日本国民に新たな負担と大きな犠牲を強いる長島昭久は、女狂いならぬ売国狂いでも形容されるべきだろうか。それとも長島はパチンコ依存症に陥っており正常な判断能力を喪失しているのか。
いずれにせよ、もし世が封建時代ならば、長島は、怒り狂った農民の一揆勢と武士の軍勢とによって槍玉に上げられ、人間の姿形を留めぬ肉糊されているだろう。
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石原によれば、日本の敗戦は、狭小なる国土に圧縮された日本に、「民族の総力を傾注して内容一変せる新国土を建設し、土地資源の侵略を必要としない国家を実現し、世界に先駆けて、戦争を必要とせざる文化を創造する」という聖業を課す「神意」であり、石原莞爾は、
「かかる新日本の建設のみが、よく日本当面の諸問題を解決するのみならず、人類文化の最大転換期に際し、最も輝かしき貢献を為す所以である。」
と述べ、都市解体、農工一体、そして「自然を征服し人類を衰亡へ導く近代の文化生活を改め、大自然に抱かれつつ最高の科学文明を駆使して自然と人為を完全に調和し、真に人類の生命を永遠ならしめる」簡素生活を三本柱とする日本再建策を著した。
敗戦後に石原が提唱した日本再建策石原莞爾戦後著作集「人類後史への出発」は、現代日本の抱える諸問題の処方箋となり得る、また人類次世代文明の模範となり得る、先見の明に満ち溢れた日本文明論であり、戦後半世紀以上の歳月を経ても色褪せるどころか、暗中の模索を繰り返す二十一世紀の日本の国民に救いの手を差し伸べるかのように、増々美しく慈悲深く光り輝き、我が国の進むべき路を照らし示してくれている。
石原をして戦争の天才たらしめた彼の偉大な軍事的才能は、我が国の敗戦によって戦争から解き放たれ、神武天皇が橿原奠都に当たり勅せられた「上は則ち乾霊の国を授けたまう徳に答え、下は則ち皇孫の正を養いたまうの心を弘めむ。然して後に六合を兼ねて以て都を開き八紘を掩いて宇と為むこと亦可ならずや」という我が国肇国の理想たる八紘一宇―道義に基づく世界一家恒久平和―を実現する新文明の創造に傾注されて、敗残日本を照らす希望の燈明となった(国民必読の書、大東亜戦争の電子書籍 「戦争の天才と謀略の天才の戦い」国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56)より。
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