永原氏は神皇正統記を現代語に訳するに当たり、底本には岩佐正氏校注『神皇正統記 増鏡』(日本古典文学大系87)を用い、皇紀2600年の昭和15年から神宮皇學館大学学長を務めた国語学の大家の山田孝雄著『神皇正統記述議』等を参照にしたということである。永原慶二の解説文は大変わかりやすいので以下に引用する。
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神皇正統記の論理的運びを忠実にたどってみると、君徳の強調は、後村上天皇に対して、帝王の心得を説くためというよりは、君徳ある天皇の子孫が栄える、皇位がいったんは傍流に移っても結局は君徳豊かな天皇の流れに戻る、君徳のない天皇は人民の支持を失ってもいたし方ないといった、正しい皇位の伝わり方の歴史を説明するためなのである。
親房がもっともいいたいのは、そのような「正統」の歴史であり、いまの後村上天皇がいかに「正統」の天子であるかということである(中略)。
親房は南朝の天子が「正統」であることを主張したが、天皇のあり方や皇統の継承については独特の考え方を持っていた。彼は君徳のない天皇は長続きしないし、その子孫は皇統を継承できないと主張する。
だから、ある天皇の子孫が絶え、傍流の皇族が皇位につく場合でも、それが君徳の有無という観点で肯けるものなら積極的に当然としてゆくのである。
光孝天皇が即位したことについて「陽成悪王にて、しりぞけられ給しに、仁明第二の御子にて、しかも賢才諸親王にすぐれましましければ、うたがいなき天命とこそみえ侍し」(現代語訳403ページ)と説明しているのがその例である。
親房はこの場合「正理にかえる」ともいっているが、「正統」とはまさしくこのようなことなのであって、それは血統における嫡流の絶対ということではなく、有徳の皇族のなかに皇位が伝えられてゆくことにほかならない。
それゆえ親房にとって天皇の地位は、人民が一指もふれえぬ絶対者ではなかった。むしろ、君徳がなければ人臣がこれを降位させるし、皇統の近い遠いにかかわらず、有徳の皇族を選び出して、これを皇位につけることさえ積極的に肯定されるのである。
その点で、親房の考え方は儒教の放伐思想に近い面をもつといわなければならない。天子にして君徳がなければ追放されて当然としているのである。
ただ、それが儒教思想と区別されるのは、皇位につく人が天照大神の子孫、すなわち天皇家一族に限られねばならないとしている点である。その点ではまことに日本的であるが、皇族の枠内では君徳を備えたものに皇位が伝わるのが妥当と考えているのである。
親房の立場からすれば、神武以来、皇位は途中いくたびか傍流に移るが、それには皆いわれがあるのであって、結局はすべて「正路」「正統」であり、その結果が今日の後村上天皇に至っているのだといわねばならない。それを合理的に説明する尺度が君徳の有無であったのである。
しかし親房が『神皇正統記』を書いた年、後村上天皇はまだ十二歳にすぎないのであって、君徳という視点だけからその正統を論証し、人々を説得することは甚だ困難であった。そこに親房の苦衷があるが、それを解決するために持ち出されたのが神器論にほかならない。
三種の神器に関する記述は『神皇正統記』の随所に見られるが、親房によれば、鏡は正直、玉は慈悲、剣は知恵(決断)をあらわすものであり、それらは政道にたずさわる帝王のつねに備えるべき根源的な徳目であった。
だから「正統」の天皇は当然神器を持たねばならず、神器なき天皇は「正統」と認めるわけにゆかない(日本の名著<9>慈円・北畠親房53~55ページ)。
北畠親房が「正統」と認める天皇は、
1、神武天皇に連なる皇統に属すること
2、君主に相応しい徳を備えていること
3、三種の神器を保持していること
である。この三条件が満たされた時に親房のいう天皇の正統性が担保されるというのである。だから北畠親房の神皇正統記は皇位の傍系継承を否定していない。男系より直系が優先されるから直系であれば女系は容認されて構わないという高森勅明と小林よしのりの論理は神皇正統記には全く無い。
・北畠親房―大日本は神国なり

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