2011年01月10日

赤備えの皇軍を率いた神功皇后-丹波と播磨が語る日本古代史

 釈日本紀の播磨国風土記逸文<明石郡>と播磨国風土記の<揖保郡>に、神功皇后の新羅征伐を補足説明する伝承がある。これは日本書紀の記述と合致している。

<明石郡の現代語訳>

 播磨国風土記に曰く。息長帯日女命(おきながたらしひめのみこと)が新羅国を平らげよう、と欲まれ、下りて坐しています時、衆の神(みなのかみ)に祷(ねぎまつ)りされました。その時、国を固められました大神の子爾保都比売命(にほつひめのみこと)が、国造(くにみやつこ)石坂比売命に著われて(つきあらわれて)、教えて曰れますに、

 「よろしく我を治め奉れば、我はそれほどに善き験を出だそう、しこうして比々良木八尋桙根底不附国(ひひらぎのやひろほこねのそこつかぬのくに)越売眉引国(をとめのまよひきのくに)玉匣賀々益国(たまくしげかがますくに)苫枕有宝国(こもまくらたからあるくに)白衾新羅国(しらぶすましらぎのくに)には、丹の波をもちいよ、しこうしてまさに平らげ伏せ賜わるであらむ」

と。このように教え賜いましたとおりに、ここに赤土(に)を出だし賜いました。

 (息長帯日女命は)その土を天の逆ほこに塗り、神の舟の艪と舳に建てました。また御船の裳および御軍の着る衣を染めました。また、海の水を撹まぜて濁し、渡り賜いました時には、底に潜む魚、および高く飛ぶ鳥などは行き来をしないで、前も遮らないでいました。かくのごとくで、そして、新羅を平らげ伏せました。まもなく訖(お)わらせて、還(ゆきかえ)りて上りなさいました。

 そのようにしてつつしみ、その神を紀伊国の管川の藤代の峯に、鎮めて奉りました。


 「丹」は朱砂(辰砂-朱色の硫化水銀)のことであり、その鉱脈のある所のことを「丹生」という。朱砂はそのまま朱色の顔料となり、精製すると水銀がとれる。
 爾保都比売命は和歌山県伊都郡かつらぎ町の丹生都比売神社(にふつひめじんじゃ/にうつひめじんじゃ)が祭祀する丹生都比売大神の別名で、朱砂を採掘する一族が祀る神であると考えられている。

 丹には防腐作用があり、丹を軍船と軍衣とに塗った神功皇后の征西艦隊は日本初の赤備えであり、その重厚な威圧感に圧倒された新羅王は白旗を上げて降伏し、白い綬を首にかけて自ら捕われの身となったのではないだろうか。丹波という地名の由来は、神功皇后が新羅出兵の際に用いた丹の波-朱砂混じりの水の産出地であったことかもしれない。

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<揖保郡の現代語訳>

 萩原の里と名づけました所以は、息長帯日女命(おきながたらしひめのみこと)が韓国(からのくに)から還り上られていました時、御船が、この村に宿られました。一夜の間に萩の一根が生えました。高さが一丈あまりとなりました。そこで荻原(萩原)と名づけました。

 すぐさま御井を闢(はりひら)かれました。故に、針間井と云います。その処は、墾(はりひら)かないでいました。また、樽の水(用水)があふれ、井(用水路)となりました。故に、韓の清水と号(なづ)けました。その水は、朝(ひととき)、汲むと、朝、出でません。

 それから、酒殿を造りました。故に、酒田と云います。舟(酒桶)が傾き、乾いてしまいました。故に傾田(かたぶきだ)と云います。舂米女たちの陰(ほと)を、息長帯日女命の陪従が婚いで断ちました。故に、陰絶田と云いました。そこで荻(萩)が多く栄りました。故に荻原と云います(美しく読む「播磨国風土記」―読み下し文と55の謎)。


 朝鮮半島から日本列島に帰還した神功皇后の遠征軍が、播磨国揖保郡荻原里あたりの村に宿泊した際に、将兵が井戸を掘り用水路を作り、豊富な水と米から酒を造り、戦勝を祝い、地元の女どもを抱いたのだろう。

 これが風土記の伝える播磨という地名の由来であり、今でも播磨(兵庫県の南西部)は、日本酒米として有名な『山田錦』100%播磨の国の大吟醸の産地としても知られている。

 所長が思うに、地名には由来があり、日本の古い地名は日本の古代史を語っているのだから、行政は由緒ある地名や市町村名を大事に保存すべきである。

<関連ページ>

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「韓国に媚び諂い神功皇后を歴史から抹殺する戦後日本のインチキ古代史学者たちこそ抹殺に値する!」

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