所長は去年ニホンミツバチを飼えなかったので、確実にニホンミツバチを誘引する遺伝子を持つ蘭を販売している明石蘭園から、ミスムフェット(原種キンリョウヘンと原種デボネアナムの交配種)と、ハニービー(ネパール産デボネアナム のキンリョウヘンの交配種)の苗を購入した。
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所長はニホンミツバチが日本の農業を救うを読み、ますますニホンミツバチを飼いたくなったからである。ニホンミツバチは賢く大人しく可愛いい益虫であり、ハニービーはニホンミツバチを誘引し、ニホンミツバチは日本人を魅了する。過疎地の振興策として花見山の造成にニホンミツバチの飼育が加われば、花木を植え草花を育てる作業の価値が上がり、田舎人の士気が高まる。
所長が作業していると、春から秋にかけて木葉の裏を覗きながら木から木へ飛翔するオオスズメバチを見かける。オオスズメバチは恐ろしい殺人虫であるが、同時に果樹や野菜を食い荒らす蝶や蛾の幼虫を捕獲する益虫でもあり、ニホンミツバチに劣らず賢くて、敵対しない人間にはなつくという。ニホンミツバチが日本の農業を救うには著者がオオスズメバチを手懐けている場面の写真が載っている。
オオスズメバチはニホンミツバチの天敵であるが、日本の養蜂家がセイヨウミツバチを使う西洋式養蜂を行うようになった明治以降は、ニホンミツバチの守護者を兼ねるようになった。
セイヨウミツバチはニホンミツバチより格段にアホなのでオオスズメバチに対抗する術を持たない。だからセイヨウミツバチが養蜂家の巣箱から逃げ出して野生化しようとしても、付近にいるオオスズメバチの襲撃を受けて全滅してしまう。結果としてニホンミツバチはセイヨウミツバチに蜜源を独占されることなく生きていけるのである。
オオスズメバチは般若心経の色即是空・空即是色を体現する虫である。所長は小室直樹博士の遺書になった日本人のための宗教原論を読み間違えているのかもしれないが。
オオスズメバチは自分達の餌場と巣を荒らす人間を攻撃するので、家屋に巣を作ったオオスズメバチは危険であり、これを駆除することは止むを得ない。しかし所長が思うに、それ以外の場合は、日本人はむやみやたらにオオスズメバチを恐怖、憎悪、駆除すべきではなく、むしろオオスズメバチの役割を理解し、これと共に生きてきた日本人の強靭さと豪胆さを誇り、外来種のハチを殲滅するオオスズメバチを見習わなければならない。
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