所長は、現代史資料ゾルゲ事件、尾崎秀実著作集、大東亜戦争とスターリンの謀略-戦争と共産主義をはじめ本書の基礎資料をすべて読破したが、中央公論昭和十三年六月号「長期戦下の諸問題」や改造昭和十六年十一月号「大戦を最後まで戦い抜くために」といった尾崎秀実の戦時論文は執拗に支那事変の拡大を煽動していた。それはレーニンの敗戦革命論やコミンテルンのテーゼに沿った帝国主義国家相互間の戦争激発宣伝謀略活動であった。
近衛文麿が河上肇に師事してマルクス・レーニン主義に傾倒し、日本の立憲議会政治と自由主義市場経済を破壊しソ連型の一党独裁と計画経済を実現しようとした革新貴族であったこと、近衛のブレーントラスト昭和研究会には、尾崎秀実や三木清のほか、西園寺公一、堀江邑一、風見章、勝間田清一、佐々博雄、笠信太郎、宗像誠也など共産主義者が参集していたこと、陸軍統制派が革新(左翼)思想に染まっていたことは事実であって、これを妄想と揶揄する者こそ国際共産主義を反戦平和主義勢力として美化したい妄想家であろう。
1995年公開のVenona機密文書は、ハリー・ホワイトがRichardという暗号名を持つソ連のスパイであったことを立証したにもかかわらず、日米開戦にソ連の作為戦争謀略活動があったことを否定する「ハルノートを書いた男」の著者の須藤真司など歴史を偽造する者(詳細は憤るロシアの研究者と騙す日本の歴史学者-プリンス近衛殺人事件とハルノートを書いた男)が後を絶たない。
本書の復刊は、ソ連崩壊後も依然として歴史の偽造をほしいままにするマルクス主義者が歴史学会に跳梁跋扈する戦後民主主義を覆滅するために必要不可欠の快挙である。
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大東亜戦争のたった一つの真実―近衛文麿の戦争責任(中川八洋著/PHP出版/2010.8.10復刻)の目次(旧題は近衛文麿とルーズベルト)
はじめに
前編 近衛文麿-「仮面の戦争屋」
第一章「八年戦争」と尾崎秀実-大東亜戦争の真実
第一節 偽りの「十五年戦争」論
・共産ロシアの対日「十五年戦争」
・「八年戦争」解明の方法
第二節 日本の経済破綻-日中戦争の目的の一つか?
・教養で化粧した煽動-尾崎秀実の戦争宣伝
第三節 東アジアすべての共産化-尾崎秀実の策謀
・「本土決戦」と日露共産同盟
第二章「ハル・ノート」とロシアの積極工作
・財務省次官補H・D・ホワイトとルーズベルト
第一節 真珠湾攻撃の不毛と狂気
・南進-日本からの「逆ハル・ノート」
・「ハル・ノート」より一日早い機動部隊の出撃
第二節「ホワイト試案」採択の謎と内幕
・大英帝国凋落の工作
第三節 政府高官をおおう赤い工作網
・日米を操作したロシアの「隠れた手(hidden hands)」
第三章 近衛文麿の犯罪(Ⅰ)
・「祖国」ソ連の防衛と対英米戦争
第一節 「北進」阻止-対英米戦争の目的
・「海軍による海軍のための戦争」
・外務大臣の更迭-「南進」強硬派の海軍大将へ
・対ソ戦派つぶしの「対ソ戦大演習」
第二節「英米本位の平和主義を排す」
・共産党員河上肇との師弟関係
第三節「東亜新秩序」-英米追放の煽動スローガン
・東條英機-近衛文麿の影武者
第四節「ソ連仲介」の怪-日本の対ソ属国化の模索
・日本共産化-継戦のための終戦工作の狙い
・国体破壊のための「国体護持」
・近衛文麿の対スターリンお土産-シベリア抑留
・関東軍のソ連軍「熱烈歓迎」?
第四章 中国共産化と計画経済の導入
日中戦争と近衛文麿の「犯罪」(Ⅱ)
第一節 事件を事変へ、事変を戦争へ
・一九三七年九月十日-支那事変から日中戦争へ
第二節 「蒋介石を対手とせず」
・停戦(和平)つぶし-近衛の「北支派兵声明」
・日中戦争反対の陸軍主流追放
・汪兆銘政権樹立-日中戦争の超長期化工作
第三節「計画経済」体制への暴走
第五章 二・二六事件か、近衛文麿の「新党」か
憲法蹂躙の国家反逆
第一節 「政界再編成」の雪崩現象
・「反政党」は、一党独裁の道
第二節 「天皇封じ込め」-近衛文麿への期待
・テロリストを支援した近衛文麿
第三節 ソビエト共産党の模倣-「大政翼賛会」にかけた近衛の野望
・「上からの政権奪取」
・「近衛新体制」は、ソビエト共産党体制
後編 虚構の「アジア主義」-「八年戦争」の元凶
第六章「英米なきアジア」は、日本の自殺
第一節 恩人(=英国)を裏切った日本
・ロシア帝国=第二モンゴル帝国
・ロシアの対日侵略「三ルート」
・ロシアの対馬侵略と英国東洋艦隊
第二節 米国のフィリッピン領有-「第三の神風」
・日本を守る六つの戦略海軍基地
第三節 台湾領有-日本亡国の原点
・バシー海峡-日米の国境
第七章 「日米の満州」拒否の代償
第一節 「恐日」の米国、狭量の日本
・オレンジ計画とホワイト艦隊-日本の錯覚
・米国に移譲すべきだった、マーシャル諸島
第二節 迷信の「アジア主義」、虚妄のマルクス主義-日本を誤導した二つの「主義」
・ロシアの「南下」と英米の「北上」
・「北南対立」と「東西対立」
第三節 遅すぎた満州事変
・「シベリア出兵」か、「旧満州の回復」か
第四節 自殺外交「日露協商」
・一九一六年-倒錯の日露同盟
・国益に反する「国民外交」
第八章 「北進」は平和、「南進」は破局-善の「反露」と悪の「親露」
第一節 対ロシア敗北主義と「南進」-樺太放棄の愚行
・正統的「北進」派は劣勢
・樺太-日本を守る日本の固有の領土
第二節 帝国海軍-南進を弄んだ小児病
・マハン理論の弊害-虚妄の「対米七割」
・「ブラインドネイビー」の誕生-一九二三年
・米内光政の対米挑発
・日本の悲劇-山本五十六の小児病
第三節 陸軍主導-兵学の基本
・二人の先駆者-林子平と松平定信
・小村寿太郎と加藤高明
・帝国陸軍の「海軍化」-日本の転落
終章 「モンロー主義」との訣別、「アジア主義」の根絶
「制御不能」な二十一世紀のための平和処方箋
第一節「離米入亜」-ネオ・アジア主義の台頭
・アジア共産国の延命-「アジア主義」の正体
・「アジア版OSCE」の不毛、「アジア版CBM」の幻想
・危険な「アジア重視」-「大東亜共栄圏」の亡霊
第二節 ハートランド封じ込め-リムランドに対する米国の宿命
・「戦争は永続的、平和の努力も永続的」
・制御不能なポスト冷戦の世界
あとがき-地理と歴史について
補遺 軍部・「右翼」は、過激「左翼(革新)」
再刊にあたって
この本の基礎資料は現代史資料ゾルゲ事件、尾崎秀実著作集、GHQ発禁本大東亜戦争とスターリンの謀略-戦争と共産主義、近衛新体制、終戦工作の記録、ピースフィーラー、重臣たちの昭和史等である。
大東亜戦争のたった一つの真実―近衛文麿の戦争責任を読み終えた人は、
1、戦後生まれの日本国民の心にこびりついたアカ(左翼思想)をキレイさっぱり洗い流すことができる。
2、種村佐孝大佐の今後の対ソ施策に対する意見(昭和二十年四月二十九日)を無視する幼稚な大東亜戦争肯定論を卒業できる。
3、大日本帝国憲法第3条および第55条により日本国の敗戦責任は、昭和天皇にはなく近衛文麿にあることに納得できる。
4、地政学を理解できる。
5、時代錯誤の大アジア主義と訣別し、福沢諭吉の脱亜論を日本の不動の国是にしたくなる。
6、マスコミの反日歴史報道と学校教育の反日歴史授業に不信感を抱き、それらを疑問視する精神を身に宿すことができる。
つまり我が国の児童生徒学生が、仙谷由人ら民主党元社会党派に憑依する国際共産主義の亡霊を祓う退魔の書である大東亜戦争のたった一つの真実―近衛文麿の戦争責任を読めば、彼らの中から仙谷由人のごときアカだらけの汚い反日的亡国日本人が出現することは絶対にない。
・仙谷由人がこれを読んで発狂憤死すれば、日本国は良くなるのにと思う方は、一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
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この記事の所長さんの御意見にもすべて同意いたします。その上で、教えて頂きたいことがございます。
1.中川氏は帝国憲法・井上毅を絶賛しながら なぜ現憲法改正派なのでしょうか。無効、帝国憲法復元にならないのはなぜでしょう。
2.氏が説く崇高な我が国の国体護持のためには、共産主義を排除しなければならないことは分かります。では英米についての批判がないのはなぜでしょうか。英米の歴史は、あまりに残忍・狡猾の連続、批判がないのは我が国体にとって危険であると思いますが如何でしょうか。
本を選ぶのはとても難しいです。
せっかくお金を出して買った本がおかしな本だったりしたら悲しいですから。
図書館にリクエストしても一ヶ月以上待たされ、その挙句におかしな本だったら自分が悲しくなるだけでなく図書館とゆう公共の場に多くの人を洗脳する為の物を置くのに手を貸すことになってしまいますから。
自分で購入するか、図書館へリクエストするのかまだ決めていませんが、ぜひ読ませていただきます。
1について、中川氏は、国立の筑波大学教授という立場上、日本国憲法第99条(憲法尊重擁護の義務)に拘束され、日本国憲法第96条に基づく憲法の改正を主張することは出来ても、帝国憲法を根拠に日本国憲法の無効を訴えることは出来なかったのではないでしょうか。
中川氏を苦々しく思う左翼教授は筑波大学ほか国公立大学に少なからず存在することは想像に難くありません。
そして憲法改正を主張した以上、今さら改正論を否定する日本国憲法無効論に鞍替えすることは出来ないのかもしれません。
2について、近衛文麿とルーズベルト150ページに「一八四〇年に始まるアヘン戦争は、中国にとっては英国の植民地化という悲劇の始まりであったが、日本にとっては日本の領土保全(安全)のための幸運の始まりであった」と書かれています。これが全てではないでしょうか。
アメリカのフィリピン領有過程は残虐非道の極みです。アメリカは独立を渇望するフィリピン人を騙し大軍をもって約60万人のフィリピン人を虐殺しました。
しかしアメリカのフィリピン領有は日本にとって神風であったから、中川氏はあえてアメリカのフィリピン領有過程を糾弾しない。
つまり中川氏はどこまでも日本の国益を優先する残酷なほど冷徹なリアリストでありナショナリストであり、だから左翼系アジア主義を側面支援することになる反英米世論を煽るような真似はしないということでしょう。
もし日本の南進戦略すなわち対米英蘭開戦が無ければ、少なくとも英蘭仏の植民地支配はもっと長く続いていたでしょう。だから日本の南進を否定する大東亜戦争否定論は残酷な性格を帯びざるを得ません。
こんばんわ&はじめまして
近衛文麿の戦争責任は買って読みました。図書館で「近衛文麿とルーズベルト」を借りて読んでいたので復習になりました。
ところで、私も中川先生や新無効論の南出先生などの本を読み出して、Posted by Mさんと同じ疑問を持っています。中川先生は大日本帝国憲法の正統性を指摘されていて、でも、なぜ日本国憲法改正になるのでしょうか。著書に無効論の「む」の字も出てこないのはどうしてなのでしょう。日本国憲法改正も真正保守主義の一つになるのでしょうか。
仮にそうすると、真正保守主義は日本国憲法改正派と無効論派に分裂している(今後決裂する?or真正が2つ以上ある?)ことになります。南出先生や中川先生の本にかんして、私の読み込みが浅いのでしょうか。私が頭が悪いといわれればそれまでですが。
以上、ずいぶん前からどなたか説明のできる方にききたいなと思っていた疑問です。
「米国ダレス特使からGHQ憲法を破棄し国防軍を設置せよとの要求を吉田茂みずからが強硬に抵抗し拒絶したのである」
中川氏はこの吉田の選択を批判しています。
以後の60年間、現憲法を護持してきたのは、こうした吉田を始めとする日本人自身でした。
よって、この期に及んでの憲法破棄は非現実的と捉え、改正を唱えているのではないでしょうか。
大学教授の立場うんぬんは関係ないと思います。
しかし他の著作では、あれほど日本国憲法や八月革命説を非難し、帝国憲法に絶賛に近い評価を与えながら、憲法破棄は非現実的だからといって有効論に立脚する憲法改正を唱えるのは、中川氏が常々強調する法の支配に反するのではないでしょうか?
中川氏はフェデラリストを熟読しているから、公選議院の弊害に覆われた国会の憲法改正発議や憲法改正の国民投票が危険きわまりないことぐらい熟知しているはずですが・・・。
正直なところ中川氏は南出弁護士や渡部昇一教授、西村真悟さんの提唱する日本国憲法無効・帝国憲法復元論をどのように考えておられるのか、正直言って私にはよくわかりません。