自由なルーピー民主党－自民党の支離滅裂を記録する大東亜戦争の総括

　1993年8月10日、細川首相は、就任後の記者会見で、先の大戦について「私自身は侵略戦争であった。間違った戦争であったと認識している」と発言し、各方面に大きな衝撃と抗議の嵐を巻き起こした。

　自民党の靖国関係三協議会（座長・原田憲）、「英霊にこたえる議員協議会」（会長・原田憲）「遺家族議員協議会」（会長・武藤嘉文）、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」（会長・斎藤十朗）は、八月十一日、緊急役員会を開催し、原田座長らは、細川首相の「侵略戦争」発言に対し、武村官房長官に抗議の申し入れを行った。

　八月十三日には、靖国関係三協議会の総会を開催し、対策を検討した。席上、日本遺族会（会長・橋本龍太郎）の代表から「細川発言は、戦歿者遺族として耐え難い。東京裁判に毒された歴史観を建て直し、正しい歴史認識を確立してもらいたい」、また英霊にこたえる会（会長・井本臺吉）の代表から「細川発言は容認できない。是正と撤回を求める」と、それぞれ要望があった。

　さらに総会では、議員の間から「細川発言は東京裁判の歴史観だ。戦後の歴史観を整理し直して、しっかりした歴史観を確立することに靖国三協として努力してもらいたい」と積極的な意見が述べられた。

　自民党の靖国関係三協議会では、これらを受け、八月十八日には、対策検討会が持たれたが、八月二十三日には、正副会長、顧問等の会議を開催し、協議の結果、靖国関係三協議会の活動の一環として、次の通り「歴史・検討委員会」を設置することを決定した。

・趣旨－細川首相の「侵略戦争」発言や、連立政権の「戦争責任の謝罪表明」の意図等に見る如く、戦争に対する反省の名のもとに、一方的な、自虐的な史観の横行は看過できない。われわれは、公正な史実に基づく日本人自身の歴史観の確立が緊急の課題を確信する。

・基本テーマ－「大東亜戦争を如何に総括するか」

・検討要領－学識者等の見解聴取、討議、関係資料の収集、作成配布。月二回程度委員会開催。

・期間－平成六年三月末を目途とする。

・委員－自民党衆・参議員、四十名程度。

・経費－靖国関係三協議会を以てあてる

　かくして歴史・検討委員会（委員長・山中貞則）は、その陣容を整え、平成五年十月十五日に小堀桂一郎東大教授を招き「敗戦国史観を衝く」のテーマで、第一回の検討委員会を開催した。爾来、平成七年二月十六日の第二十回検討委員会に至るまで、熱心な検討が継続された。

　歴史・検討委員会事務局長の板垣正（当時参議院議員）によれば、この間、講師は十九名に達し、テーマは広汎多岐にわたったが、いずれも時流に媚びない錚々たる権威者で、歴史・検討委員会の趣旨に対する深い理解と、日頃の信念的な活動に基づく講演は、熱誠溢れ、また極めて貴重な充実した内容であったという。それが大東亜戦争の総括（歴史・検討委員会編／展転社／1995年初版発行）という単行本になった。

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大東亜戦争の総括（歴史・検討委員会編／展転社／1995年初版発行）の目次

はじめに・・・山中貞則

第一部　大東亜戦争に至る道程

大東亜戦争はなぜ起こったかのか・・・中村粲
弱肉強食から平等共生の時代へ・・・総山孝雄
幕末から大東亜戦争まで・・・松本健一
歴史教科書は子供達に何を教えているか・・・上杉千年

第二部　大東亜戦争の終結とアジア

いわゆる「無条件降伏」をめぐって・・・江藤淳
日本人の歴史認識・・・西部邁
大東亜戦争とアジアの本音・・・名越二荒之助
インドネシアの独立・・・中島慎三郎

第三部　占領と東京裁判

東京裁判と国際法・・・佐藤和男
日本はナチスと同罪か？・・・西尾幹二
南京大虐殺の虚構・・・田中正明
私の見た東京裁判・・・冨士信夫
戦後五十年と占領政策

第四部

終戦五十年の節目に

敗戦亡国史観を衝く・・・小堀桂一郎
終戦五十年の総括と日本の国家戦略・・・岡崎久彦
終戦五十年を考える・・・大原康男
「日本の神話」と現代・・・出雲井晶
社会党史観栄えて国亡ぶ・・・安村廉
逆転の「不戦論」・・・長谷川三千子

あとがき・・・板垣正
歴史・検討委員会一覧
執筆者プロフィール

　野党に転落した自民党は、細川首相の「侵略戦争」発言や、連立政権の「戦争責任の謝罪表明」といった当時の細川および羽田政権の歴史認識と政治姿勢と正面から対決すべく歴史・検討委員会を発足させたにもかかわらず、1994年6月には、さきがけと社会党と連立を組んで三党連立の村山富市内閣を誕生させ、村山談話の発表に荷担したのである。

　板垣正は大東亜戦争の総括あとがき（445ページ）に次のように書いている。

「改めて、政治家はもとより、日本人自身の歴史認識が、深刻な危機的状況におかれていること、戦後、占領政策と左翼偏向に基づく教育の影響力の大きさを思い知らされる。

　しかし、どう考えても、次代の青年や子供達に自国の歴史に対する誇りも、日本人として生きる喜びも、もたらすことの出来ない教育は間違っていると言わなければならない。まして、一方的に日本を断罪し、自虐的な歴史認識を押し付けるに至っては、犯罪的行為と言っても過言ではない。」

　しかるに自民党は、1994年から2009年まで、連立相手を公明党に変え野党に再転落するまで、犯罪的行為と言っても過言ではない売国反日政策を重ねてきた。その最たるものが遺棄化学兵器の処理費負担であろう。

★日本政府、南京市で遺棄化学兵器の無害化処理開始（日本経済新聞電子版2010・9・1）

【上海＝下原口徹】旧日本軍が中国に遺棄した化学兵器を無害化する処理施設が南京市（江蘇省）に完成し、１日、日中両国と化学兵器禁止機関（ＯＰＣＷ）の関係者が出席して廃棄作業開始行事が開催された。2000年以降発掘・回収した約４万8000発のうち、南京に保管されている約３万6000発の有毒発煙筒などを爆発、化学処理して廃棄する事業が 10月に始まる見通し。

　式典には日中両国と化の関係者が出席して廃棄作業開始行事が開催された。平岡秀夫内閣府副大臣は「発掘・回収から廃棄という新たな段階を迎えた」と意義を強調した上で、処理事業を加速する方針を示した。中国の張志軍外務次官は「廃棄期限が迫る中でやるべきことは非常に多い。日本が遺棄した化学兵器を一日も早く全面的、徹底的に廃棄することを希望する」と訴えた。

　神戸製鋼所が建設した南京市の処理施設では、有毒発煙筒や砲弾などの化学兵器を破壊し、発生したガスを化学剤で分解処理して清浄化した後、排出する。南京での作業が終了後は重慶市などに移し、廃棄事業を行う。日本政府は、北部での処理用に移動式設備をもう１台調達する方針。

　1997年に発効した化学兵器禁止条約に基づき、日本政府は遺棄化学兵器の処理事業を進めてきた。ただ、中国北部のには推定30万～40万発が未発掘のまま残されており、条約で定められた廃棄期限（2012年４月）の再延長が避けられない情勢だ。

　遺棄化学兵器の処理事業は、連合軍の武装解除に応じた日本軍将兵の名誉を汚し日本国に濡れ衣を着せ、戦後生まれの日本国民に賠償金を課し中共の軍拡を助ける最悪のバラマキ政策であるが、自民党はこれを非難できない。自民党の河野洋平がこれを決定し中共の対日詐欺に加担した共犯だからである（玉音放送後の大本営命令が語る遺棄化学兵器の真実）。

　約１兆円に上るという遺棄化学兵器の処理費が、もし日本の第６世代ステルス戦闘機F-3の開発に投入されていたら、試作機XF-3と経済的技術的な高い波及効果を生み出しただろう。あるいは日本政府がこの１兆円を使い、深刻な人手不足に悩まされている自衛隊の増員を決定し、中卒、高卒、大卒、あるいは中退の若者を新規の自衛官として大量採用していたら、雇用が増え、景気が良くなり、晩婚少子化も少しは改善されていたに違いない。

　まさに自民党は、天下に恥を晒し続ける稀代の愚か者ルーピー鳩山由紀夫の先駆者であった。

・ルーピーの迷言首相が大ばか者であれば、そんな国がもつわけがない！


　所長が「自民党と違い自由を欠く民主党が衆参両院を制することは、左翼全体主義的な一党独裁体制の完成であり、自民党が衆参両院を制することより危険だ」と書いた直後から、ネット空間では「自民党にあって民主党にないもの、それは『自由』だ」という皮肉が流行した。

　自民党（自由民主党）－自由＝民主党（ルーピー）という等式は、自民党＝民主党（ルーピー）＋自由という等式を成立させるのだから、民主党（ルーピー）は自民党と違い「自由」を欠いているという皮肉は、「しょせん自民党は自由な民主党（ルーピー）でしかない」という皮肉でもあり、決して自民党に対する誉め言葉ではないのに、小泉進次郎はそれに気付かないまま、自民党（自由民主党）－自由＝民主党（ルーピー）という等式を嬉しそうに宣伝していた。

　稲田朋美議員、西田昌司議員、佐藤正久議員らが民主党内閣に対し奮闘しても、自民党の存在感が希薄しているのは一体なぜなのか。自民党首脳がその理由を悟らなければ、自民党の支持率は回復しない。

　歴史・検討委員会に名を連ねた自民党の谷垣禎一総裁が、細川連立政権の誕生から鳩山民主党政権の誕生まで、自民党が重ねてきた犯罪的行為を反省し、過去と現在の日本国民に謝罪して、ギルバート・キース・チェスタトンの次の言葉を実践し、女系天皇容認論を粉砕する悠仁天皇と皇室典範を党是として、億兆の先人が護持してきた皇室の伝統－我が国の祖法に反する女系天皇容認論を撤回すれば、自民党は真正保守に生まれ変わるだろう。

「現今の諸事雑事を問題にする場合、いやしくも平凡人の一致しした意見を重視するのであれば、歴史や伝説を問題にする場合、いやしくもそれを無視すべき理由はない。

　つまり伝統とは選挙権の時間的拡大と定義してよろしいのである。伝統とは、あらゆる階級のうちもっとも陽の目を見ぬ階級、われらが祖先に投票権を与えることを意味するのである。死者の民主主義なのだ。

　単にたまたま今生きて動いているというだけで、今の人間が投票権を独占するということは、生者の傲慢な寡頭政治以外の何物でもない。伝統はこれに屈服することを許さない。」（チェスタトン著正統とは何か）

　民主党に絶望している有権者は大東亜戦争の総括を根拠にして自民党に反省を迫るべきだと思う方は、ブロガーに執筆意欲を与える１日１押人気ブログランキングをクリック願います。
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