2010年06月21日

二年連続の疫病選挙-大日本帝国憲法の起草原則が告げる日本国の危険

 金子堅太郎、井上毅、伊東巳代治は憲法起草の方針について協議し、伊藤博文は以下の原則を決定して彼ら三人に訓示した。

第一、皇室典範を制定して皇室に関係する綱領を憲法より分離する事

第二、憲法は日本の国体および歴史に基づき起草する事

第三、憲法は帝国の政治に関する大綱目のみの止め、その条文のごときも簡単明瞭にし、且つ将来国運の進展に順応するよう伸縮自在たるべき事

第四、議院法、衆議院議員選挙法は法律をもって定むる事

第五、貴族院の組織は勅令をもって定むる事ただしこの勅令の改正は貴族院の同意を求むるを要す

第六、日本帝国の領土区域は憲法に掲げず法律をもって定むる事

第七、大臣弾劾の件を廃し上奏権を議院に付与する事


 金子堅太郎は、7つの憲法起草原則を決定した理由について次のように解説した。
 
 大日本帝国憲法は、第一条より第七十六条に至る僅かに七十六の条数にて、帝国政治の基本を制定したるもので、これを欧米諸国の憲法が数百条を重ねたるものと比較するときは、実に霄壌(しょうじょう-霄は空、壌は土)の違いがある。今その編成の箇条について重なる項目を挙ぐるならば、

第一、皇室典範を憲法より分離したる理由いかんと言えば、彼の欧州の憲法に王位継承を掲載した所以(ゆえん、理由)は、往昔政教一致の教義を破り、旧教と新教とに分れたる際、王位継承者は或は旧教に限るとか或いは新教に依るべしとか、全く宗教の闘争より生まれたるものである。

 然るに我が日本においては万世一系の神祖の皇統に依る国体であるから、皇室の事項は憲法に掲げず、皇祖以来の典令に基づき皇室典範を編成し、もって皇室および国体の尊厳を奉戴する主義に依ることとした。

第二、日本憲法が我が国体に基づき起草せられた。

国体とは何ぞや、いわく、

初天孫之降臨下土也、天祖賜以三種神器、曰玉、曰鏡、曰劒(つるぎ)、因勅曰、葦原千五百秋之瑞穂国、是吾子孫可王之地、宜汝皇孫就而治焉、行矣宝祚之当與天壌無窮者矣。

 是に由って之を観れば、我が日本においては、天皇の統治権は、天祖より天孫に下し賜わりたるものである。

 その証拠は三種の神器にして鏡は伊勢神宮に、劒は熱田神宮に、玉は皇居に奉安せられてある。而して天皇の統治権は、神武天皇以来皇孫これを継承遊ばされて、宝祚は天壌と無窮たるべき国体である。また日本の歴史は遠く天祖に始まり神武天皇以来二千五百年間皇統連綿天に二つの日なきがごとく、地に二つの王なく、後世に至り仮令(たとい)六百年間の幕府ありたりとも、是を時勢に依る変体にして、天皇の大権は炳乎として日月のごとく存在して居る。
 これ憲法第一条に万世一系の天皇これを統治すと記載したる所以である。

第三、欧米各国の憲法は多くは帝王の圧制を検束し、又は人民の権利を保護する為に制定せられたものであるから、その条項は頗(すこぶ)る多数にして、議員の資格権利、議事の方法等に至るまで詳細明記している。

 しかしながら我が憲法においてはこれ等の条項は憲法付随の法律、勅令に譲り、憲法には帝国政治の大綱目のみに止め、又その条文のごときも簡単明瞭を主とし、将来国運の発展に伴い、伸縮自在「フレキシビリティー」にして、しばしば憲法の改正を要せざるように起草せられた。

第四、議員法は多くは憲法を実施する為に設けたる議院内部の事項であって、憲法に掲ぐべきものではない。また衆議院議員選挙法のごときは、将来国民知識の進歩、所有財産の増加、租税の負担等の異動ある場合に、改正するの必要あるを洞察して、憲法より除かれた。

第五、貴族院は皇族、華族を中心として、爵位、功労、学識、財産を代表する者とし、その有爵議員の半数は国家に功労あり、また学識あり、また各府県直接国税多額納税者十五人において一人を互選したるものより勅選せらるものとした。これはイタリー憲法にその例あるによる。

 依って貴族院の組織は法律をもって制定せず勅令によるべきものと決定した。但し政府においてその組織を自由勝手に改正することを牽制するために、この勅令は貴族院の同意を要することとした。

第六、欧州の憲法には、その領土の区域を記載するものあれども、これはかの国の歴史によるものである。しかるに我が帝国においては不得策なるが故に、これを記載せざることにした。けだし将来日本の国運の発展に伴いその領土を増加うする場合に、その都度憲法を改正せざるを得ざる不便あるからである。この実例は日清役における台湾領有また日露役における樺太南半分の領有にて明らかなり。

第七、大臣弾劾の如きは往昔欧米においては必要なりしも、今日はその必要なく、これを実施したことはない。よって我が国においては其の残骸を採用する必要もないのである。しかし大臣職務上の失政に対しては議院は上奏することを得るものとした。

 大体以上の精神と形式に依り、日本の憲法は起草せられた(金子堅太郎著憲法制定と欧米人の評論
       

・ブロガーに執筆意欲を与える1日1押人気ブログランキングをクリック願います。

 我が国は、憲法起草の第三および第四原則が帝国憲法に付与した伸縮自在「フレキシビリティー」の運用性を用い、帝国憲法第三十五条に拠り、衆議院議員選挙法の改正をもって普通選挙と婦人参政権を実現し、また戦時中は臨時に衆議院議員の任期を一年延長した。

 しかし日本国憲法(マッカーサー占領軍憲法)の下で我が国が衆参議院議員の任期を延長するには、わざわざ憲法の改正を行わなければならない。

<日本国憲法>

第45条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第46条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。
 
 占領軍憲法の下では、我が国は疫病の拡大を防ぐために法律の改正をもって臨時に議員任期を延長することすらできない。おかげで去年の衆議院選挙では新型インフルエンザ、今年の参議院選挙では口蹄疫という疫病拡大のリスクを犯してまで、我々日本国民は公選議院の選挙を行わなければならなくなった。

 日本国憲法の運用性は大日本帝国憲法の運用性に比べて硬直的で伸縮自在「フレキシビリティー」を欠き、危機に対して頗る脆弱なのである。

 しかし二年連続で日本国憲法の欠陥が露呈しているにもかかわらず(詳細は疫病に脆い占領憲法の深刻な欠陥)、一般国民はもとより菅直人首相以下政治家の大半もこのことに気づいていないだろう。

 最悪危機想像能力がスッカラ菅の首相在任中に、日本国憲法の欠陥が取り返しのつかない大惨事を引き起こさなければよいのだが・・・。

 実証史家が再評価する貴族院の意義と役割を知らない軽率な菅直人とノブレス・オブリージュを欠く日銀貴族が国を滅ぼしかねない。

・占領軍憲法の欠陥を世間一般に知らせるために、ブロガーに執筆意欲を与える1日1押人気ブログランキングをクリック願います。

【日本のアカを洗い流しています】

体臭を予防する秘密アイテムから頭皮を洗うジャムウ・スカルプ



現在の日本政府は頼りにならない!我々有権者が人殺しの大好きな疫病神の中国人と日本人を打ったらハマるパチンコの罠に陥れている貧乏神の南北朝鮮人から日本の女性と子供を守るしかない!>

日本人を護る防犯百貨店から夜回りの便利な護身用懐中電灯として使用可能!アラーム内蔵でより高い防犯性を誇る懐中電灯型スタンガン FSR8

・護身用スタンガンでお悩みの方には「スタンガン入門」がお奨めです。

戦後日本国を衰退させる諸悪の根源マッカーサー占領軍憲法を13階段の死刑台に上らせる者は、今は憲法の真相を知らない貴方(あなた)ご自身です

我が国を皇統断絶の危機から救い出す者は、必ずや皇室の伝統を知ることになる貴方(あなた)ご自身です。

・ブロガーに執筆意欲を与える1日1押人気ブログランキングをクリック願います。
↓↓↓

ラベル:憲法 皇室 政治
【関連する記事】
posted by 森羅万象の歴史家 at 01:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 本当は怖い憲法のはなし | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
所長様、この頃南出喜久治先生の著作にはまっています。最初の著作にあった「萬葉一統」以来、南出先生には私淑しています。

國體論の立場から、英国の保守主義を國體主義として日本の思想用語で端的に説明していることに目から鱗が取れました。

今の教科書では戦前天皇主権vs戦後国民主権という対立の構図で描きますから、間違ったイデオロギー的憲法観が身についてしまいます。
受験参考書から資料集までそうですから、実にたちが悪いですな。

ちなみに、大日本帝国憲法は生きているとして生きるのが臣民の道と、南出先生は言う。
自分もそういう国民という言葉より臣民の方が良いと思っていたのでこの点同感でした。

あらゆる國體を形成しているものが、すべて憲法であるという立場にたって、ぜひ現行憲法無効論を自分も広げたいと思います。

Posted by 寺小路 at 2010年06月21日 22:07
 寺小路さん、我が国は未だに八月革命論というデマを払拭できないということでしょう。
Posted by 所長 at 2010年06月21日 22:57

所長様
一切の緊急対応がないのが、占領憲法の特徴ですね。逆にそれができないように決めてあるということであり、一国の存続を願って造られたものではないことが浮き彫りになります。

いずれにせよ、臣民→国民→市民→私民人間へと劣化した時代に、国会議員の人数は多すぎます。

マスゴミと政治家の仕分けが早くなされるべきという論議が、選挙でも出てきていい時期ですよ。まったく。
Posted by 寺小路 at 2010年06月23日 22:50
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック
左翼歴史学者が顔面蒼白次項有幻の名著!戦争と共産主義-大東亜戦争とスターリンの謀略の目次韓流を楽しくする朝鮮民族を読み解く7つの鍵古代史学者は韓国人のなりすましか継体新王朝説を斬る「歪められた日本神話」とんびがタカを生むスーパー日本人を育てる適才教育・戦後民主主義の終着点は家族の解体と日本国の滅亡-なぜマルクスレーニン教は地獄の門を開くのかバカげた舛添要一の女性女系天皇容認論ナチスを愛した沢田研二の窮状・日本の国益を破壊する朝から晩まで反日新聞の錯覚商法天照大神は男系(父系)の女神小林よしのりの欺瞞皇室典範の改悪と日本版「文化大革命」を促す
本当は怖い日本国憲法の話次項有福島瑞穂の政治生命を奪う悪魔の憲法問答・日本国憲法の性格を映す災害基本法-菅直人が嘲笑される理由・韓国の邪悪な野望を打ち砕くアダム・スミスを超える日本の社会思想家・韓国人を震え上がらせるための日本憲法学の密教諸君が愛してくれた日本国憲法は施行前に死んだ!なぜだ!?逆賊の憲法改正案に御用心憲法の本質を示す憲法改正の手続き神州不滅思想が妨害する真正の法力(憲法の非常事態対処能力)再生方策・神か人か天皇とは何か・恐るべき小沢一郎の憲法論日本がアブナイ!日本国憲法の改正が日本国の自殺になる理由・日本国憲法の追認を戒める昭和天皇のおほみうた昭和天皇と憲法改正-エセ民族派が行っている最悪の天皇利用旧宮家の皇室復帰意義は30年前の予言書が指摘する日本の最悪危機の克服・小泉内閣の大罪女系天皇は憲法違反
教科書が教えられない日本の近現代史次項有韓国が日本の皇室を侮辱する歴史的理由・在日パチンコに魂を売った朝敵歴代天皇を論外の男系カルトに貶めたギャグ漫画家堀栄三元参謀の情報戦記が触れない大本営の奥の院の所在と正体・軍紀厳正を誇った日本軍の強姦、韓国軍のレイプ、支那軍の洗城・ああ惜しかったふらふら大日本帝国唯一の勝機・あなたの知らない石原莞爾の対アメリカ政戦略吉田茂が現役復帰させた史上最悪の反日的日本人日本共産党の反日史観によれば志位和夫の祖父は慰安婦強制連行の実行犯・パル判決が語る朝鮮人慰安婦強制連行説の虚構浄土真宗親鸞原理主義者が隠蔽する本当は恐ろしい国家神道の正体日本経済を破壊する辛坊治郎の狂態・人間の屑集団マスゴミが隠蔽する南京大虐殺が法的に成立しない理由捏造と自虐の昭和史を打ち破る日本人に知られては困る歴史
日本人が元気になります!知らないと損する情報次項有・あなたの新聞定期購読は国民生活と国家経済の自殺経済失政はなぜ繰り返すのかインテル長友佑都が実践日本人の潜在能力を引き出すトレーニング方法読み書き運動が苦手なのには理由があった学ぶことが大好きになるビジョントレーニング人生の無駄遣いテレビの視聴を止めて実践すれば病み疲れた体を癒す力を呼び覚ます驚愕の気功法