地球環境の敵は共産中国の一党独裁体制－司法権の独立の意義

　中国共産党の一党独裁体制を擁護する者は地球環境の敵である。人類の敵であるといってもいい。鳩山由紀夫首相が真に地球益を擁護したいのならば、東アジア共同体という幻想を捨てて中国共産党の一党独裁体制の崩壊を促すあらゆる努力を払わなければならない。

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　支那大陸の環境保全には、環境保全法体系の整備に加えて、中国共産党、中国政府、国有企業および民間企業の違法行為を探知し批判する表現の自由、そして立法権および行政権を行使する者からの「司法権の独立」が必要不可欠である。それは一党独裁の否定を意味する。一党独裁体制が続く限り、中国共産党が環境保全法を整備したところで、それらの法律は正しく執行されず、中国共産党および其の支配下の組織によって必ず破られる。

　アメリカ合衆国憲法の解釈書ザ・フェデラリスト第47篇は、モンテスキューが権力分立制をもって何を言おうとしていたのかを解説し、彼の次の言葉を引用している。

「裁判権と立法権が結びつくと、臣民の生命と自由とは恣意的な支配にさらされることになろう。というのは、その場合、裁判官が同時に立法者となるからである。もし裁判官に行政権が結びつくと、裁判官は、圧制者のような暴力をもって行動するかもしれない」

　だからフェデラリストを座右の書として熟読した伊藤博文の帝国憲法義解は司法権の独立を明記している。

　憲法義解第五十七条解説　司法権は天皇の名に於て法律に依り裁判所之を行う。

　行政と司法と両権の区別を明にする為にここにこれを約説すべし。曰く、行政は法律を執行し又は公共の安寧秩序を保持し人民の幸福を増進するために便宜の経理および処分をなす者なり。司法は権利の侵害に対し法律の規準に依り之を判断する者なり。

　司法にあっては専ら法律に従属し便益を酌量せず。行政にあっては社会の活動に従い便益と必要とに依り、法律はその範囲を限画して区域の外に濫越するを防ぐに止まるのみ。行政・司法の両権その性質を殊にすること此の如し。

　故に行政の官ありて司法の職を分つことなかりせば、各個人民の権利は社会の便益のために随時移動することを免れずして、而してその流弊は遂に権勢威力の侵犯を被るに至らんとす。

　唯然り。故に裁判は必ず法律に依る。法律は裁判の単純の準縄たり。而して又必ず裁判所に由りこれを行う。但し、君主は正理の源泉にして司法の権また主権の発動する光線の一つたるに外ならず。故に裁判は必ず天皇の名において宣告し、もって至尊の大権を代表す。

　裁判所の構成は必ず法律をもってこれを定め、行政の組織を別異する所あらしむ。而して司法の官は実に法律の基址に立ち、不羈の地位を有つ者たり。（中略）

＜用語解説＞

準縄－準は水平を取る水測り、縄は長い直線を引くために墨汁に浸した糸。これから転じて物事の判断基準のことを意味する。

不羈－束縛されないこと

　帝国憲法下では天皇は統治権（立法、行政、司法）を総攬（すべて掌握）するものの、天皇自ら司法権を行使するのではなく、不羈の裁判所が憲法と法律に依り、天皇に代わり天皇の名において司法権を行使するのである。これが帝国憲法下の司法権の独立であり、帝国憲法の定める司法権行使の形態である。

　そして司法権が独立し裁判所によって行使される以上、我が国の時効の国体「万世一系の天皇が国家元首として統治権を総攬し給うこと」の「総攬」が必ずしも親政や独裁を意味しないことは明らかだろう。もし総攬が常に独裁や親政を意味するならば、帝国憲法は時効の国体に違反することになるからである。　

　天皇が統治権を総攬するとは、バジョットのいう伝統に基づく統治の権威（威厳）を担うことであり、これが国家の全体主義化を阻み国民の自由を守る砦となるのである。

「伝統と権威が自由の砦となる理由は、伝統の存在は国家権力に対抗し、その強制に対する防波堤となるからであり、権威の存在は国家権力にその権力肥大化の口実を与えないからである。現にフランス革命において伝統の破壊によって、個々の国民がその国家権力に対して丸裸になり自由を圧迫され奪われたし、王という権威を失った政体になるや、国民の生命すら国家権力の恣意のままにギロチン送りとなって奪われるようになった。

　政治における権威の喪失は、国民の政治（立法、司法、行政）への尊敬がないから国民から心理的に従順（服従）が必然的に消えていき政治に無秩序が生じる。だから国家権力はその政治的統治だけのためにも強制力をフル稼働せざるを得なくなる。権威の喪失は、強権政治に直行する。

　一方、伝統に培われた権威に対しては自然と服従が達成されるので、権力は温和なもので済む。政治にとって不可欠なこの権威について、バジョットの洞察が明快でまた最も優れたものであろう。権威の存在が権力の執行を穏やかにすることを明らかにしている」（正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒332ページ）

　我が国の権力の交替期においては、新しい権力者は、自分が天皇の御信任を受けたという事実によって国家権力行使の正統性（レジティマシー）を証明し、被統治者を服従させ得るので、易姓革命を国柄とする支那の新皇帝のように、前権力者の全てを悪として断罪破壊し、「正義道徳の体現者」を演じる必要がない。故に殺戮破壊が極小化され、前権力者の功績が後世に継承され、国家発展の礎となるのである。

　明治維新がフランス革命に比べて犠牲者を極小化できたことや、欽定憲法たる帝国憲法の公布が国民の尊皇精神を成文憲法を最高法規として遵守する立憲主義の精神に変換したこと、さらに昭和天皇の御聖断と玉音放送が我が国を一億玉砕から救い、連合国への我が日本軍の降伏を円滑に進めたことなどは、我が国体の精華であろう。

　我が国の左翼勢力は戦前から今日まで全体主義的強権政治を好むがゆえに、歴史を偽造して天皇の権威を貶め、また皇室を廃絶に追い込むべく赤い執念を燃やしているのである。

　日本では「地球洗い隊」が奮闘しているが、支那大陸を環境汚染から救い出すことはできない。やはり中国共産党に対してはマフティ・ナビーユ・エリンの思想が正しそうである。

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Comments

あけましておめでとうございます。
今年も貴ブログで勉強させていただきます。
よろしくお願いします。

Posted by saratoma at 2010年01月02日 01:28

　saratomaさん、あけましておめでとうございます。こちらこそ御叱正を宜しくお願いします。

Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2010年01月03日 19:53