2009年09月28日

ダムへの誤解を広めた朝日新聞の大罪 脱・脱ダム宣言を可能にした排砂バイパス

 ダムは環境を破壊する。ダムは肥沃な土砂をダム湖に溜め込み、海岸と漁業資源を痩せ細らせ、ダム自身の寿命を縮める。だからダムはムダであり、ダムの建設は有害無用の公共事業であり、田中康夫の脱ダム宣言は正しい政策である。このように考えていた時期が所長にもありました。

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 しかしダムの堆砂問題を解決する画期的な新技術「排砂バイパス」が既に稼動し立派な成果を上げている。

旭ダム:揚水発電の下部ダム

 上部に瀬戸ダムがあり、奥吉野発電所で、高度差500 メートルを利用して揚水発電。

バイパスにより排砂

 ダム建設後、流域の崩壊地の拡大で何ヶ月にも及ぶ濁水長期化現象や、当初の予想を上回るダム堆砂が進行。このため、出水時にダム湖上流からの砂をバイパスによりダム下流に排砂。1998年から実施。ダムへの堆砂量が激減し、また下流の濁りが長期化しなくなったという。排砂バイパスによる堆砂対策の最初の事例。また、濁水バイパスの先駆的事例。1999年度土木学会技術賞を受賞。


 それから3年後の平成14年(2002)年に、朝日新聞は、「ダムが寸断、死んだ川 電源の開発に重い代償」という記事を発表し、「土砂の移動を止め、生態系を壊すダムをどうするか。ダムの寿命とされる100年を待たず、真剣に考える時期が来ている」と結論付け、ダムへの誤解と公共事業への嫌悪感を国民の間に蔓延させた。

 当時は小泉内閣が公共投資を減らしゼネコンを痛め付けていたから、朝日新聞社は小泉竹中の構造改革を援護したのである。

 所長は財団法人日本ダム協会の記事「ダム堆砂の実際」を読んで驚き、自分の無知を恥じるとともに、朝日の遣り口に戦慄した。朝日の詐術はダムの素人には見破れないから殆ど悪魔的である。

ダム堆砂の実際堆砂で機能不全という誤解

 最近のダムをめぐる論争に、「ダムは100年で埋まる」「ダムは土砂に埋まって使えなくなる」という話がある。ダム堆砂の実際このような記事が朝日新聞に一面掲載されたのでかなり有名になったことと思う。ダムが埋まる論はこの記事から来たのではないかと思うがどうか。

 まずこの朝日新聞の記事に掲載されている堆砂率の高いダムのリストというものを引用します(中略)。

 あれれ?このリストは殆ど発電ダムで調整池ダムばかりじゃないか!50番の丸山ダムだけが貯水池の性格があるがやはり調整池的性格が強い。例外は16番の品木ダムか。しかしこのダムは特殊なものだから後ほど説明したい

 さてこの記事はH.14.11.18付け朝日新聞でトップ記事として見出しは「44ダム、堆積5割越す」だった。これでは受ける印象は「発電のダム大半は土砂で埋没して機能不全」という感じではなかろうか。インターネットを巡ってみると天竜川佐久間ダムが機能不全らしいと書いている個人サイトまで見かけたことがある。しかしそんな事実は全く無く、現在も年間発電量13~14億KWHで日本の水力のエース選手。これは石油削減効果28万トン/年、CO2削減効果は89万トン/年に相当しています。

 これはまったくヒドイ誤解が広まってしまっている!! 技術士の鈴木氏のホームページから引用させて頂くと、

 高さ15m以上の高堰堤371地点のうち、総貯水量5千万㌧以上のダム47ヶ所について調べてみると、総貯水量の土砂満杯年数は、123年~200年=5ヶ所、200年~500年=6ヶ所、500年~1000年=7ヶ所、1000年~3000年=12ヶ所、3000~5000年=7ヶ所、5000年以上10ヶ所、で計47ヶ所となっている。最短は相模ダムで123年、最長は三浦ダム207387年、岩洞ダムの702850年 である。岩洞ダムは実に約70万年である。これは小流域に大ダムを築造し、他流域から水路で導水する計画である。いずれも120年以上である。畑薙(159年)や佐久間(193年)はフオッサマグナの影響で土砂堆積が多い。

 このように大貯水池のダムは多くが土砂堆積満杯まで500年以上、少なくとも100年で埋まるものなど無いのです。また上の年数というのは無策で放置しておればの計算であり、実際には対策が取られる筈なのでもっと伸びる年数であります(中略)。

 ダムによる水資源、水力電気は地球の宝です。しかし自然は人間に都合の良い物だけを恵んではくれず試練も同時にくれるといえましょう。その試練がダムでいえば堆砂の問題だと思います。だからといって諦めて化石燃料にエネルギーを求めては資源がもちそうにありません。温暖化の問題もある。これも便利な化石燃料の恵みと裏腹の試練かもしれません。原子力でも強大なエネルギーの裏に放射性廃棄物や核兵器の問題が隠れています。これらのエネルギー源を見比べて、ダムや水力が忌み嫌われるほど悪いですか?

 水力は太陽があるかぎり循環する無限のエネルギーです。地球の面積の7割を占める海洋に降り注いだ太陽エネルギーが海水を蒸発させて陸に雨や雪として降り注ぐ、太陽エネルギーの化身ともいえるリサイクル可能なクリーンエネルギーです。

 時代は使い捨ての時代からリサイクルの時代へ移りつつあります。エネルギー源だけではなく物も大切に長く使うことが求められる時代です。ダムにしても作リッパなしで埋まるのを黙ってみているのではなく手入れをして使う事がトレンドになるのでは。100年で埋まって使えなくなるダムなんて無い。法廷耐用年数80年を超えても修繕すればいつまでも使える設備だから費用も水力発電、治水利水で稼いでいる限りは金食い虫にもならない。むしろ使えば使うほどうまみが出てくる資産です。冷やかし半分の批判はやめてほしい。

 確かに今までのダム事業、公共事業のあり方には間違った点もあったと思う。しかしダムを含めた公共事業の本当の目的は「For People」だ。しかし本来の意味を忘れ利権にからんだ「For Ourselves」になる事があったとしたら、それは改めなければならない。しかし昨今の公共事業=悪という話はいささか短絡的ではないか。もともと日本と言う国は厳しい自然のある国だから安全に住むための防災、安定した生活を送るためのインフラ整備のために公共事業が果たす役割が重要だったのだです

 昨年の災害の連続を見ても防災の重要性は高まるばかりですが、河川治水関連の予算はかなり削減されているといいます。もちろん最低限の出費で最大の効果が得られる方法を選択することは大事です。そうすると地形によってはダムが一番効果的な方法の地点も出てくる。堤防強化の方がいい地点もある。天井川なら川底を広範囲に掘り下げる必要も出てくる。しかしこのごろの最初からダムを否定する風潮はいかがなものかと思います。

 ダムは悪い、公共事業は悪いと一口に言うのはとても簡単で、正義の味方になったような錯覚さえ覚えるんだろうか? しかし今必要なのは偏見の目を捨てて公平に評価する事が大切なのではないですか?


 話題の八ッ場ダムと因縁深い品木ダムは、草津温泉から流出する硫酸水に炭酸カルシウム(石灰石)を混ぜてダム湖で反応させ、炭酸カルシウム(石灰石)を混ぜてダム湖で反応させ、水を中和するための特殊ダムであり、品木ダムの貯水池には砂ではなく硫酸カルシウムが沈殿しており、こまめに浚渫されているのだ。

 この生態系を甦らせる河川酸性水中和ダムのおかげで湯川・吾妻川は生物が住める普通の川になったのに、朝日新聞は堆砂率の高い50ダムのリストに何の注釈もつけずに、ダムを槍玉に上げたのである。

 これほど卑劣な詐術を平然と読者に仕掛ける朝日新聞社が紙面とテレビ朝日を通じて、連日連夜に数百数千万の国民を煽動洗脳し、選挙前から国会-衆参両院の選挙戦に干渉し、有権者の投票判断に影響を及ぼすのだから、国が傾くのは当然である。

 我が国では戦前というより古代から、日本民族の土地私有への拘りが異常に強い(日本の朝鮮化を防ぎ日本を発展させた聖帝は第45代聖武天皇)。だから建設地の住民の理解と必要用地の買収には、どうしても長い時間がかかり、それらが完了した着工時には建設計画の浮上時の事情が大きく変わってしまう。これは我が国の地政学的な宿命である。だからといって政府が建設工事を中止すると、住民に大きな迷惑をかけてしまう。

 従って鳩山内閣がダム建設予定地の住民と首長の理解を得つつ環境を保全するには、建設予定の新規ダムには可能な限り排砂パイパスを併設し、特に治水利水に必要ないダムを水力発電に転用する以外にないように思われるが、これをやると「子ども手当て」の財源を捻出できなくなるから、民主党は脱ダム路線を突き進まざるを得ないのだろう。

 それにしても鳩山民主党は本当に支離滅裂である。排砂バイパスという新技術が既にダムの堆砂問題を解決し、水力発電ダムは環境保全型のエネルギーインフラとして有望であるのに、民主党は脱ダム政策に固執する一方で、具体的対策の目処がまるで立っていないのに、無謀な温暖化ガス25%削減を国際社会に向かい公約してしまった。

 地方分権を進め地方主権を実現するとまで言いながら、ダムの建設をめぐる問題では地方の住民と首長の意見を尊重しない。

 官僚依存政治の打破を掲げ、麻生内閣の政府試算を頭ごなしに否定しながら、温暖化ガス25%削減を達成する具体的対策の検討を官僚に丸投げする。

 政権交代こそ景気回復だと言いながら、景気後退に役立つことしか言わず、ろくな景気対策を取ろうとしない。

 国民本位の政治を実現するといいながら、国民の反発を恐れて選挙公約から外したはずの永住外国人地方参政権付与法案と夫婦別姓法案を次の通常国会に提出しようとする。

 民主党は、景気回復より家族の解体と国家の分解を優先する正真正銘の詐欺政党である。マルクス・レーニン主義者は本質的に詐欺師であり、彼らが妄想する理想の共産主義社会を実現するためには、手段を選ばす、労働者や農民の犠牲を厭わない。むしろ国民の犠牲を革命ための崇高な生贄と考える者たちである。

 そして民主党は社会主義協会系の極左勢力を抱えているから、必ず選挙中には甘言を弄して有権者をだまし、政権奪取後には国民を含む国家を害する。これは所長には見え透いたことだったが、多くの有権者には、とりあえず日米安保の堅持を掲げ赤色思想を表面には出さない民主党の正体が依然として見えないのである。

企業の温暖化ガス排出枠、11年度にも割り当て 政府検討

 政府は企業などに温暖化ガスの排出量の上限(キャップ)を割り当てる「キャップ・アンド・トレード型」の排出量取引制度導入に向け本格的な検討に入る。早ければ2011年度にも国内市場を創設し、取引制度を開始させたい考えだ。鳩山由紀夫首相が掲げる「20年までに1990年比25%削減を目指す」という中期目標の実現に向けた政策の柱の一つとなる。

 20日に首相官邸で初会合を開く閣僚委員会でも議論を進める見通し。中小・零細企業の扱いなども今後の焦点となる。(日経新聞20日)


 これは政府が行う事実上の産業統制であり、民主党政権は民主党を批判する企業や自民党を支持する企業に対して懲罰的な二酸化炭素排出制限を課し得る(近衛内閣の再来-鳩山民主党内閣という悪夢 日本国憲法下の異常な権力集中現象)。

 また、企業に課す排出上限をどう公正に決めるかという問題もある。財界幹部は「個別企業に排出上限を課す排出枠取引が導入されれば、それを決める政府が企業の生死を左右することになる」と懸念する。厳しい上限枠を課せられた企業は海外に生産拠点を移転し、「国内に残るのは海外に移転できない電力会社などの一部にとどまるのではないか」(経済産業省幹部)との見方すらある。

 民主党政権は過激な人権擁護法をもって個人の表現の自由を抹殺し、地球温暖化対策基本法をもって法人を統制しようとしている。前者は昭和16年の言論出版集会結社等臨時取締法の現代版であり、後者は昭和13年の国家総動員法の現代版といえようが、民主党の統制法は戦時の臨時立法ではなく平時の恒久立法であるから、さらに酷い。

 自由のない民主党の統制法は必ずマスコミにも刃を向けてくるのに、民主党を応援し続けているマスコミのごとき言語道断である。まさに倫理面におけるマスゴミ崩壊である。

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ラベル:政治
posted by 森羅万象の歴史家 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(1) | もろもろ時事評論 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
朝日の記事からは、ダムは役立たず的印象を受けるが、実態からは別にそんなことはない。実に長持ちするものだという感じがする。
最短百年としても、実に三世代、実用的に言って、一世代と半分は確実に役立ってくれる。
さらに、浚渫しないということはまず有り得ない設定であると想定出来るので、さらに長寿命化は可能である。
それらからすると、朝日の捏造、気を使っていえば、ミスリード体質はひどいの一言ですね。
Posted by Suica割 at 2009年10月04日 14:46
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