2009年09月26日

国益擁護の戦略思考を欠く民主党 鳩山由紀夫は過信病

 昨日、所長が鳩山首相の考え方を推測したら、見事に的中した!

【鳩山会見(2)】温室効果ガス削減「人間が生き延びるため」(産経新聞9月26日)

 当然、一部の産業界の方々からは、とてもとても無理だと。日本はもうすでに十分に頑張っているんだから、さらに、ということは無理だという話は当然あります。しかし、私は日本が今日まで高い目標を掲げることによって、世界のだれも到達できなかった目標というものをいち早く科学の力、あるいは技術力によって到達をしてきたという、その彼らの立派な科学技術力というものを展開させれば、決して不可能ではない。

 十分にできることだと、そのように思っておりまして、その意味では自信は私はあります。日本人を信じております。日本人の科学技術力というものを信じておりますから、十分に自信はありますし、見通しという意味では十分にそのことは見通すことができる

 言うまでもありませんが、太陽パネル、あるいは燃料電池、さまざま、グリーン・テクノロジーというふうに言われておりますけれども、水素エネルギーというのも将来出てくると思います。

 こういった、いわゆる代替エネルギー、石油に依存しないエネルギーというものを日本が世界に先駆けてリード役を務める。そして発展途上国などにもその技術力というものをうまく進めていくというようなことを行うことが極めて肝要ではないかと。その中でいわゆる固定価格の話とか、あるいは排出権の取引の問題とか、そういった議論も当然必要になってくると思います。

 総動員をしながらですね、この問題は十分に、ある意味で日本らしい、日本が先頭を切って走ることが最も望ましい気候変動問題だと、そのように理解をいただきたい。私はそう思っています。


 鳩山首相よ、実際に技術を開発する産業界に25%削減目標を達成する自信があるか、技術革新の見通しを立てているかが問題なのであって、お前の自信の有無が問題じゃないだろう!
 自信の根拠が「日本人の科学技術力というものを信じている」ことってアホの極みか!?お前が自信を持てば、無謀な目標でも必ず達成できるとでもいうのか!?


 しかも理系出身の人間のくせに、水素の生産や水素をエネルギー利用するためのインフラ整備には、エネルギーコストとして石油が必要不可欠であることに気付いていない。鳩山は、原子力発電が二酸化炭素の排出抑制と地球温暖化の防止に役立つと信じている者と変わらない。

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 鳩山首相の自信や見通しは、単なる妄想の産物であり、周到な準備や綿密な計画、新技術の確実な実用化に裏付けられたものではない。

 「25%削減」の具体化指示=国民、産業界の理解求める-直嶋経産相(時事通信)

 直嶋正行経済産業相は24日の記者会見で、2020年の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するために必要な対策を早急に検討するよう指示したことを明らかにした。

 25%削減の政府方針は鳩山由紀夫首相が国連で表明しており、負担を求められる国民と産業界の理解を得るため、対策の具体化を急ぐ。

 また、小沢鋭仁環境相が2011年度を目指している国内排出量取引制度の導入時期に関しては、環境相と協議を行った結果、「議論する中で決めていく」ことになったとした。
 さらに、10月2日が期限の09年度補正予算の点検作業について、直嶋経産相は現地調査なども実施しながら精査すると強調した一方、「どれが削れるかはまだ決めていない」と述べた。


 鳩山民主党がCO2地球温暖化危機説を鵜呑みにして、温室効果ガス排出量25%削減という野心的な構想を持つのは勝手だが、まず最初に必要な対策を検討し、目標達成の具体的方策を確立して国民と産業界の理解を得てから、25%削減を国際公約とすべきだった。

 もし経産省はじめ各省庁が対策を検討し、温室効果ガス排出量25%削減は不可能と判断したら、民主党は削減目標を撤回するのか。また目標達成の対策が日本経済に大打撃を与えるもので、産業界の理解と国民の同意と得られなかったら、民主党はどうするのか。

 民主党が自縄自縛状態に陥り、もがき苦しむのは大歓迎だが、日本が振り上げたコブシを降ろした時に生じる国際社会の対日顰蹙と、コブシを降ろせなくなった時に生じる日本経済の激痛は、すべて我々日本国民―民主党に投票した有権者、投票しなかった有権者、参政権を持っていない未成年、これから生まれてくる日本人のすべてが負わなければならないのだから、堪らない。

 先に国際公約を発表してから必要な対策を早急に検討するなど杜撰でドロナワもいいところであり、日本の国益を守る戦略的思考のかけらもない。だから「脱官僚依存政治」を掲げながら対策の検討を官僚に丸投げして恬として恥じない。

 かつて我が帝国海軍は戦略を「敵と離隔してわが兵力を運用する兵術」と定義し、戦術を「敵と接触してわが兵力を運用する兵術」と定義していた。また日本海軍の軍事学者であった秋山真之は戦略を戦術の上位においてこれを指導し、よって戦闘の時期・場所・戦力などを定めるものでありと位置づけていた。

 確か帝国海軍の戦略および戦術の定義はジョミニの戦争概論の影響を受けていたはずだが(出典失念)、簡単に言えば、戦略の意味は、戦場における勝利を積み重ね戦争に勝利するための「事前の準備」に近い。そして孫子は事前の準備の重要性を繰り返し力説している。孫子曰く、

「それいまだ戦わずして廟算(作戦会議)勝つ者は、算(戦勝の条件準備)を得ること多ければなり。いまだ戦わずして廟算勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。いわんや算なきにおいてや。吾、これを以てこれを見れば、勝負見わる(勝敗は戦わずして明かである。)」(始計篇)

「故に勝を知るに五あり。以て戦うべきと以て戦うべからざるとを知る(戦機の捕捉)者は勝つ。衆寡の用(大小用兵の妙)を識る者は勝つ。上下欲を同じくする(上下の統率)者は勝つ。虞を以て不虞を待つ者は勝つ。将能にして君御せざる者は勝つ。この五者は勝を知るの道なり。

 故に曰く、彼を知り己れを知れば(これに基づき万般に亘る必勝不敗の準備を整えることができるので)百戦して危うからず。

 彼を知らずして己れを知れば(これに基づき必勝不敗の準備の半分を整えることができるので)一勝一負す。

 彼を知らず己れを知らざれば(必勝不敗の準備を全く整えられないので)戦うごとに必ず殆うし。」(謀攻篇)

「故にその戦い勝ちてたがわず。たがわざるは、その措く所を必ず勝つ。すでに(戦前の準備の質量において)敗るる者に勝てばなり。故に善く戦う者は不敗の地に立ち、而して敵の敗を失わざるなり。この故に勝兵は先ず勝ちて(戦前に必勝不敗の準備を整え)而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む(準備を整えようとする)。善く兵を用いる者は、(平時より)道(善政国力の充実)を修めて法(軍事の諸制度)を保つ。故によく勝敗の政をなす。」(軍形篇)

「故に善く攻むる者には、敵その守る所を知らず。善く守る者には、敵その攻むる所を知らず。微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな無声に至る。故によく敵の死命たり(情報の秘匿こそ敵の死命を制す)。」(虚実篇)

「疾きこと風の如く、静かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く、見えざること陰の如く(情報の秘匿)、動くこと雷霆の如し(電撃戦)。」(軍争篇)

「それただ慮りなくして敵を侮る者は(戦前の準備を怠るため)必ず虜にせらる。」(行軍篇)

「吾が卒の以て撃つべき(味方の実力)を知るも、敵の撃つべからざる(敵の実力)を知らざるは、勝の半ばなり。敵の撃つべきを知るも、吾が卒の以て撃つべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。敵の撃つべきを知り、吾が卒の以て撃つべきを知るも、地形の以て戦うべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。故に兵を知る者は、動いて迷わず、挙げて窮せず。故に曰く、彼を知り己れを知れば、勝、乃ち殆うからず。天を知りて地を知れば、勝、乃ち窮まらず。」(地形篇)

「およそ師を興すこと十万、出征すること千里なれば、百姓の費え、公家の奉、日に千金を費し、内外騒動し、道路に怠り、事を操り得ざる者七十万家。相守ること数年、以て一日の勝を争う。而るに爵禄百金を惜しみて敵の情を知らざる者は、不仁の至りなり。人の将にあらざるなり。主の佐にあらざるなり。勝の主にあらざるなり。

 故に明君賢将の動きて人に勝ち、成功、衆に出づる所以のものは、先知(事前の情報と準備)なり。先知は、鬼神に取るべからず。事に象るべからず、度に験すべからず。必ず人に取りて敵の情を知るものなり。(インフォーメーション情報&インテリジェンス情報分析結論」(用間篇)


 国際公約を発表してから、それに必要な対策を検討し始めた鳩山首相は、「先ず戦いて而る後に勝ちを求む」敗兵であり、ことごとく孫子の教えに反する。だから本来ならば国家戦略担当相が鳩山首相を諌めなければならなかったのに、肝心の国家戦略担当相が最悪危機想像能力を欠く菅直人だから話しにならない。

 しかも民主党は、CO2地球温暖化危機説を懐疑し批判する学者の意見を受け容れられなくなった。CO2地球温暖化危機説の真偽を再検証できないのである。民主党のドロナワ政策は、我が国を温暖化、オゾンホール、リサイクル、代替エネルギーなど環境問題の俗説に潜む陥穽(新石油文明論)に落とし込んだのである。

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posted by 森羅万象の歴史家 at 21:57| Comment(6) | TrackBack(0) | もろもろ時事評論 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 なんか中学生の総理を見ているような脱力感に襲われますなあ・・・orz
 あの男を見るたぴ精神年齢の低さと死んだ魚のような目のアンバランスさに何ともいえぬ不気味さを感じます。 

 ところで所長様、SNS-FreeJapanをご存じでしょうか? 保守の保守による保守のためのmixiのようなSNSですが、ミクシィと違って紹介者不要、入会条件は保守思想支持者であることだけ、費用も一切不要。小生も最近存在を知り参加させていただきました。
 誕生してまだ日も浅いのにパンデミックのような勢いで老若男女が結集しつつあり、打倒ミンスに燃える抵抗軍の梁山泊となっておりますw
 早耳の所長様のこと、既にご存じやも知れませぬが、宣伝も兼ねて書き込みさせていただきました。

※もし今後ご参加の機会などありましたら、是非ここの素晴らしいブログのリンクをはり啓蒙活動の一環とされてはいかがでしょうか。その際は是非とも私めのマイユク(mixiのマイミクに該当)になっていただけましたら幸いに存じます(ちなみに私は【taishi】のハンドルネームで登録し動画制作班等に所属しております)

http://www.sns-freejapan.jp/
Posted by どうふん at 2009年09月27日 12:28
軽薄さもここまでくると、無能政治家の極みかもしれません。国益を度外視した政治の真似事を現実社会でやってしまうお坊ちゃまに、怖いものなどないのでしょう。
それにしても、この偽善に満ちた空気は何なのか? 皆が偽善と気づいていながら、気づかぬふりをするか、偽善を都合よく利用しようとする。
有能な科学者の海外流出が相次いでいる現状を無視し、実体のない理念を「信ずる」というのは9条教信者と同じ思考パターンだ。
「お花畑な人々」の真意は、日本文明の解体である。日本的なものを根絶やしにすることが「進歩」だと信じ込んでいる。だから恥知らずにも偽善者を装えるのだ。
Posted by やす at 2009年09月28日 13:27
 どうふんさん、確かにあの鳩山の目は異常です。誹謗中傷ではなくて本当に鳩山は精神を病んでいるのではないでしょうか。SNS-FreeJapanの御紹介ありがとうございます。これから忙しくなるので一段落したら、参加させていただきます。
Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2009年09月30日 01:07
 やすさん、とくにマスコミの偽善は異常ですよね。民主党を陰に陽に応援してきた手前、あるいは在日パチンコマネーへの配慮から、正面きって民主党を非難しにくいのかもしれませんが、今は本当に日本の危機です。
Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2009年09月30日 01:12
 >鳩山は、原子力発電が二酸化炭素の排出抑制と地球温暖化の防止に役立つと信じている者と変わらない。
 
 自分も温暖化に対する知識があまりないので原子力発電は二酸化炭素の排出が少ないと思っていたのですが、違うんですか?排出量は少ないけど、ウランの採掘などにかなりのCO2を使うとかそういう意味で意味がないということなのでしょうか?
Posted by 七氏 at 2009年10月07日 16:53
 七氏さん、そうです。原子力発電は、ウランの採掘、運搬、精製、施設の建設、補修、廃棄物の処理等に必要なエネルギーコストとして、石油のほか大量の資源を使います。

 電力産出比、簡単にいえばエネルギー収支において、原発は石油火力発電より劣ると指摘する科学者もいます。http://oncon.seesaa.net/article/10762076.html

 また原発は核分裂から生じる熱エネルギーを使いきれずに、余熱を温排水として海に捨てています。

 技術は日進月歩なのでエネルギー収支は少しずつ良くなっていくのでしょうが、原発の基盤は石油文明そのものなのです。
Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2009年10月07日 20:55
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