2009年07月01日

「日本国憲法」の追認と「国民主権」一億悉く道鏡の肯定を戒める昭和天皇のおほみうた御製に仰ぐご生涯

 天皇の詠まれた御歌は御製という。天皇が御歌詠みし給うことは国事であり公示であって、御製には、公式の詔勅では表されない天皇の意志を伝えること、御言葉で表すことの出来ない微妙な御心懐を以心伝心に広く国民に伝播する霊妙な力を持つという。

 ゆえに公表された昭和天皇の869首の御製を収め、それぞれの背景を豊かなエピソードを交えて解説する「昭和天皇のおほみうた―御製に仰ぐご生涯」は最良の昭和天皇伝である。

 昭和生まれの人が「昭和天皇のおほみうた-御製に仰ぐご生涯」の冒頭に掲載されている皇居内の水田で稲を刈り取られる昭和天皇の御写真を見ると、脳裡の記憶から何ともいえない懐旧の情念が自然に湧き上がってくるに違いない。

 昭和天皇は昭和五十年九月三十日から十月十四日までアメリカを訪問されたが、訪問直前、アメリカの各新聞やテレビ局が記者会見を願い出て昭和天皇に質問をぶつけ、中には「皇室は戦後、民主化をしたのか」という失礼な質問もあった。しかし昭和天皇は質問の一つ一つに丁寧に答えられ、次のように堂々と述べられた。

 日本の民主主義の基礎は明治初期にさかのぼる。わが国の旧憲法は、私の祖父・明治天皇の五箇条の御誓文を土台としている。私はこの五箇条の誓文が、日本の民主主義の基礎だと考えている。

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 「昭和天皇のおほみうた-御製に仰ぐご生涯」は感動的な昭和天皇の御言動を満載しているが、同時に極めて不愉快な政治家の大罪を批判している。
 
 社会党参議院議員の秦豊が、国家公務員である宮内庁侍従職が天皇の勅使として伊勢神宮に御代拝することを占領憲法第21条に反する違憲慣行であると主張、内閣法制局がこれに同意した結果、伊勢神宮をはじめ橿原神宮や靖国神社など全国十六社ある勅祭社への勅使の御差遣は全て侍従より掌典(法制上は天皇の私的使用人とされている)に変更されたのである。

 さらに宮中祭祀における侍従の浄衣に身を清めての御代拝がモーニング着用に変わり、昇殿拝礼が庭上拝礼に変わり、御馬車での参進退下が自動車に変わってしまった。

 侍従が浄衣を着て宮中三殿の伝上にて御代拝することは占領軍でさえも認めており、いかなる意味においても一般国民の信仰の自由を侵害するものではなかった。

 社会党参議院議員の秦豊の批判と内閣法制局の同意は、信仰の自由の保護には全く役立たず、逆に侍従から神道の儀式に則り御代拝する自由を剥奪し、我が国の伝統を破壊した。社会党および内閣法制局はGHQより反日的であった。

 国を憂う者が占領憲法の「政教分離」を根拠にして創価学会を糾弾し、占領憲法の「国民主権」を根拠に創価学会や民主党が目論む永住外国人地方参政権付与法案に反対すると、本質的に極左のイデオロギーである政教分離と国民主権を強化してしまい、結果としてミイラ取りがミイラになってしまう。

 青は藍より出でて藍より青しの言葉どおり、秦豊や内閣法制局のごとくGHQよりも反日的な占領憲法の申し子が出現してしまうのである。

 本質的に日本に対する懲罰条約であり日本民族の力を封印する監獄である占領憲法の有効活用は有害であり、我が国の首を絞めるのである。

 だから昭和天皇の御製「日日のこの わがゆく道を 正さむと かくれたる 人の 声をもとむる」(声 昭和四十一年)を拝し感激した荒木貞夫元陸軍大将は次のように遺言した。

【荒木貞夫大将遺言】

・陛下の年頭「声」の御製に御答えする為に、君側に諫争の臣を御勧めすること。理由は後述する。
・建国記念日は紀元節として、二月十一日を敢行すること。理由は後述する。
・帝国憲法の復活を断行すること。多少の混乱があっても敢行する事。理由は後述する。
・日本の未来像は、維新の五箇条の御誓文を主とし、つまらぬ事を付け加えずにこれを達成すること。

 帝国憲法の復活を断行する理由(菅原裕代筆、昭和41年11月5日佐藤栄作内閣総理大臣に提出)

 憲法は国家の基本法であるから、国体の規定が最も肝要である。占領軍の強要によって、「天皇統治制」を全然異質の元首でもない「象徴天皇制」に変更されたものは、いかに憲法と名づけられても、日本の正統憲法と認める訳には行かぬ。又もちろん占領軍は、国際法上、被占領国の憲法を改廃する権限は持っていなかった。又ポツダム宣言も降伏文書も、一言半句と雖も憲法改廃や、国体変革を規定していない。

 そこでいかに「日本国憲法」と仮称しても、それは独立国日本の正統憲法ではなくて、単なる占領軍の作った「占領管理法」という法律に過ぎない。而してこの「占領管理法」は、占領軍が国際法並びに国際慣例上認められた権限に基づいて、制定せしめたものであるが、其の効力は占領中であって、占領終了と同時に失効すべき性質のものである。それはポ宣言受諾前アメリカが寄越したバーンズ回答でも明瞭である。

 それを講和成立後十四年間もそのまま放置されているのである。或いは十四年間施行されたことを以て、既に我が国に定着せり等という馬鹿者もあるが、それは徳川幕府三百年の施政さえも是認しなかった我が国においては容認できない幕府根性である。
 又かの無能な左傾学者共のいう八月革命説の如きは、大義を弁えぬ反逆的偏見に過ぎない。

 更に保守政権の有力者達は、第九条だけを改正して、他はそのまま是認せんとしているが、それでは占領軍が武力を背景として占領管理法を、平和になった現在日本国民の自由意志によって、改めて正統憲法として追認せんとするものであって、占領軍の武威に屈服して、偽憲法を作った以上の罪悪を犯す事になる。即ちこれを正統憲法として確認すれば、第一条の「人民主権」は、日本国民の自由意志により憲法上是認される事になる、昭和国民一億は、悉く道鏡となるのである

 故に一端これを憲法として認めたが最後、後で廃棄しても改正しても、我が国体は断絶するのである。従って我が国としてはどうしてもこの偽憲法を正統憲法として是認する事は許されないのである。この明白なる論理は敢えて専門的知識がなくとも日本国民の常識上当然首肯出来る事である。

 政府は速やかに「日本国憲法」の失効を確定し、大日本帝国の復活を宣言し、国会をして決議せしむべきである。若しそれ帝国憲法の改正増補の必要があるなら、復活した後、帝国憲法第七十三条によって、天皇の御発議を戴いて、改正さるべきであった、占領管理法を如何にして改正してもそれは砂上の楼閣に過ぎない。況や国民の総意に依て、憲法を制定改廃するというが如きは、我が国の伝統としては許されないものであることを識らねばならぬ。


 「第一条の人民主権は、日本国民の自由意志により憲法上是認される事になり、国民一億はことごとく道鏡となる」とは国民主権の正体がフランス暴力革命のイデオロギーであることを看破する至言である。

 そして我が国がGHQの戦争犯罪たるマッカーサー占領憲法の改正を行うことは、帝国憲法を我が国の最高法規の地位から追放し、最高法規の地位を正式にマッカーサー占領憲法に与えるということである。帝国憲法および国際法に反して制定された占領憲法の追認は戦争犯罪の追認であり、マッカーサーらGHQの企図通り日本人自らが自由意志に基づいて違法に帝国憲法を殺害することに他ならない。

 これは、不自由な軍事占領下における占領軍の戦争犯罪への止むを得ざる屈服とは違い、占領軍の戦争犯罪への積極的加担であって、伝統と遵法を尊ぶ保守主義者が断固として拒絶すべきことである。

 しかし占領憲法の第九条だけを改正して他はそのまま是認せんとしている者は、産経新聞をはじめとして頗る多い占領憲法の改正手続きに基づく占領憲法第九条の改正が実現する日とは、我が国が最高法規を僭称する占領憲法を最高法規として正式追認し、いわば仮死状態にある帝国憲法に止めを刺し、占領憲法を有効というための歴史偽造の永続が確定する日である。

 以上のことは、臣下の者が玉座を不法不当に占拠している皇帝の偽者を新皇帝として迎え、外国の軍隊に濡れ衣を着せられ玉座から不当不法に追放されている正統皇帝を暗殺し、新皇帝が真赤な偽者である証拠を隠滅するに等しい倒錯である。

 北斗の拳に例えて説明すれば、奇跡の村の人々がトキの偽者アミバを救世主として畏敬し、北斗二千年の歴史の中で最も華麗な技を持つ本物のトキを奇跡の村から追放するに等しい愚行であろう

【拳法の世界】

奇跡の村(日本)
世紀末覇者ラオウ(アメリカ)
獄中に監禁されているトキ(大日本帝国憲法)
トキのなりすましアミバ(日本国憲法)
アミバの手下(東大憲法学者)
ウイグル獄長(内閣法制局)
トキから静の拳法を継承する世紀末救世主ケンシロウ(占領憲法無効・帝国憲法復元後の改正大日本帝国憲法)

 戦後民主主義(占領憲法体制)ではなく、大日本帝国憲法を保守する日本国民が増えない限り、我が国に真正の保守主義政党は誕生しない。真正の保守主義政党が誕生しなければ、世紀末救世主ケンシロウは病み衰えた我が国に出現しないのである。

銀の聖者北斗の拳トキ外伝
銀の聖者北斗の拳トキ外伝 3 (BUNCH COMICS)

 自民党は保守風味の革命政党であることを読者に教えてくれる最良の昭和天皇伝が「昭和天皇のおほみうた―御製に仰ぐご生涯」である。

<関連ページ>

政教分離という異常な左翼イデオロギーは有害無用

素晴らしい「占領憲法の正体」-国体を護持する占領憲法新無効論と昭和天皇の偉業

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ラベル:憲法 皇室
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posted by 森羅万象の歴史家 at 00:43| Comment(3) | TrackBack(1) | 所長が選ぶ名著と迷著の紹介 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前、中村粲先生の日本近現代史講座の紹介にご協力いただきました。今月で当講座終了です。
コメント欄を拝借させて頂けましたこと大変感謝致しております。またその節は「大東亜戦争とスターリンの謀略」をご紹介下さりありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。
所長様と問うブログの益々のご発展をお祈りさせて頂きます。
Posted by 東巌社 at 2009年07月01日 14:23
RSS広告が多すぎであることがブログランキングに影響していると思います。ブログサービスの設定などで変えられないのでしょうか?
Posted by AW at 2009年07月02日 19:12
東巌社さん、どういたしまして。

AWさん、コメント有難うございます。ランキングが上がらないのは私がサボっているからでしょうが、一応最新の記事から広告の自動リンクを変更してみました。

 
Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2009年07月04日 21:26
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