新型インフル「パンデミック」なら衆院選はどうなる? (産経新聞2009.5.1 01:15)
新型インフルエンザの拡大が衆院選に影響する可能性が出てきた。
パンデミック(世界的大流行)になれば、集会や人の移動を厳しく制限する必要がある。選挙のための講演会や街頭演説、投票所が感染を広げる恐れがあり「解散・総選挙どころではなくなる」(自民党幹部)というわけだ。
政府は30日、衆院選の実施方法を含めた対応策の検討に入った。
河村建夫官房長官は同日の記者会見で「パンデミック状態になると集会などを自粛してもらわねばならず、現実には選挙運動ができない」と述べ、麻生太郎首相の解散・総選挙の決断に影響が出るとの見方を示した。政府高官も「状況によって(選挙が先送りされる)可能性はあるだろう」と述べた。
新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)は現在、パンデミック1つ手前の「5」まで引き上げられている。
また、政府の「新型インフルエンザ対策ガイドライン」では、国内感染が発生した場合にはパンデミック以前でも「人が多く集まる集会や催し物は可能な限り延期することが必要」と定めている。この場合、選挙をどうするかも首相の判断となる。
政府は衆院選や、都議選など地方選について、内閣官房の官房副長官補室などで「最悪の場合には(任期満了以降への)衆院選先送りも視野」(政府筋)に入れた対応の検討を始めた。
現行の公職選挙法第57条は「天災その他避けることのできない事故」がある場合には「繰延(くりのべ)投票」ができるとしている。さまざまな条件が付くが、衆院選公示後にパンデミックになった際や、衆院議員の任期満了(9月10日)以降も短期間に限って選挙を行わない繰り延べもあり得る。
平成7年1月の阪神大震災の際には、この規定を使って、同年4月に任期満了だった兵庫県議らの任期を2カ月延長し、選挙を遅らせた例がある。ただ、衆院選の中止や日程の大幅変更をした前例はない。
兵庫県議のケースは任期を延長したが、衆院議員の任期は憲法第45条で定められており、任期延長は憲法改正が必要で不可能だ。このため国会議員が衆院解散時と同様、一時的に参院議員だけになる可能性もある。
ただ、参院は野党が多数を占めており、政府・与党としては苦しいところだ。大日本帝国憲法下の昭和16年には1年間の任期延長の法律を制定し、衆院選が翌年へ延期された例もあるが、現状では憲法違反となる。
与党内にも新型インフルエンザの波紋が広がっている。医師で元厚労相の坂口力公明党副代表は30日、「国内で(流行が)発生すれば、政局に影響をあたえかねない」と述べた。自民党の古賀誠選対委員長も古賀派の会合で、「インフルエンザ(の流行)が終わるまで解散はないかもしれませんね。国民みんなが(拡大防止のために)籠城(ろうじょう)しちゃったら…」と語った。
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・占領憲法第45条(衆議院の任期)
衆議院の任期は、四年とする。但し衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。
・大日本帝国憲法第35条
衆議院は選挙法の定むる所に依り公選せられたる議員を以て組織す
衆議院の議員は其の資格と其の任期とを定めて広く全国人民の公選する所を取らむとす。本條議員選挙の制規を以て之を別法に譲る者は、蓋し選挙の方法は時宜の必要を将来に見るに従い、之を補修するの便を取ることあらむとす。故に憲法は其の細節に渉ることを欲せざるなり(伊藤博文著憲法義解第35条解説)。
・衆議院議員選挙法(明治33年法律第73号)第九章議員ノ任期及補闕選挙
第七十七条 議員ノ任期ハ総選挙ノ期日ヨリ四箇年トス但シ議会開会中ニ任期終ルモ閉会ニ至ル迄在任ス
第七十八条 選挙ノ日ヨリ一箇年以内ニ議員ノ闕員ヲ生シタルトキハ第七十条ノ例ニ依ル
2 前項ノ場合ニ於テ当選人ナキトキ又ハ選挙ノ日ヨリ一箇年以後ニ議員ノ闕員ヲ生シタルトキハ地方長官ハ内務大臣ノ命ニ依リ其ノ命ヲ受ケタル日ヨリ二十日以内ニ補闕選挙ヲ行フヘシ
3 前項ノ補闕選挙ノ期日ハ地方長官予メ之ヲ告示スヘシ
第七十九条 補闕議員ハ其ノ前任者ノ残任期間在任ス
・衆議院議員任期延長ニ関スル法律(昭和16年法律第4号)
1 現任衆議院議員ノ任期ハ之ヲ一年延長ス
2 前項ノ場合ニ於テハ衆議院議員選挙法第七十五条及第七十九条ノ選挙ハ之ヲ行ハズ
3 衆議院議員ノ数ガ衆議院議員選挙法別表ニ掲グル各選挙区ノ議員数ヲ合算シタル数ノ三分ノ二ニ満タザルニ至リタルトキハ之ガ補充ノ為選挙ヲ行フ
4 前項ノ選挙ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス(この法律は、昭和16年2月24日に公布され、即日施行された。)
1946年公布の日本国憲法(占領憲法)より1889年公布の大日本帝国憲法(明治憲法)の方が、21世紀の人類に対する脅威のひとつであるパンデミックに対して柔軟かつ適正に対応でき、国会より帝国議会の方が国家的危機において粘り強いとは、皮肉であり、戦後民主主義(占領憲法体制)の信奉者には、辛い事実であろう。
しかしこれは偶然の産物ではない。この立憲政治の柔軟性すなわち憲法運用の柔軟性こそ、伊藤博文が金子堅太郎、井上毅、伊東巳代治に提示した帝国憲法起草の原則あった。この原則は7つあり、第3原則および第4原則は次のようなものである。
第三、欧米各国の憲法は多くは帝王の圧制を検束し、又は人民の権利を保護する為に制定せられたものであるから、其の條項は頗る多数にして、議員の資格権利、議事の方法等に至る迄、詳細明記している。
しかしながら我が憲法においては、これ等の條項は憲法付随の法律、勅令に譲り、憲法には帝国政治の大綱目のみに止め、又その條文の如きも簡単明瞭を主とし、将来国運の発展に伴い伸縮自在「フレキシビリティー」にして、しばしば憲法の改正を要せざるように起草せられた。
第四、議院法は多くは憲法を実施する為に設けたる議院内部の事項であって、憲法に掲ぐべきものでない、また衆議院選挙法の如きは、将来国民知識の進歩、所有財産の増加、租税の負担等の異動ある場合に、改正するの必要あるを洞察して、憲法より除かれた(金子堅太郎著帝国憲法制定の精神・欧米各国学者政治家の評論)。
4人の帝国憲法の起草者たちは、帝国憲法が憲法の改悪による国体の毀損を未然に防ぐために超硬性たることと、立憲政治が国運の進展と時代の変化に迅速に対応するために柔軟たることを二律背反させることなく見事に止揚(二つの矛盾した概念をさらに高い段階で調和し統一すること)したのである。
これに対しGHQ民政局のニューディーラーたちは、占領憲法から国体護持と国防・危機克服の大綱を追放し、それらの穴埋めとして本来なら選挙法、議院法、内閣官制(内閣法)、訴訟法、刑法等法律と政令に譲るべき政治の細目を占領憲法に挿入したために、憲法の條数は76から補足を含む103にまで膨れ上がり、冒頭の産経新聞記事が指摘するように、我が国の政治は柔軟性を欠き危機に脆弱である。
もし衆議院議員の任期満了から衆院選挙を経て衆議院の召集までの期間に、外国の対日奇襲、国際犯罪組織の対日テロ、凶悪インフルエンザの大流行、阪神大震災に匹敵する自然災害といった国家的危機が勃発し、麻生内閣が新規の立法および予算の措置を講じる緊急必要に迫られる時、この非常事態は「衆院が解散されたとき」ではないから、内閣が参議院の緊急集会を求め、衆議院の事後同意を必要とする新規の立法および予算の措置を講じることは、占領憲法において許されない(占領憲法第54条 参議院の緊急集会参照)。
そうなると我々一般国民および国民の代表である麻生内閣は、占領憲法前文に従い平和を愛する諸国民-連合国の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意しなければならない。具体的には連合国の盟主たるアメリカ合衆国の救援にすがり危機を乗り越えなければならないのである
だから戦後の憲法学界に存在する極少数のまともな憲法学者は異口同音に訴えているのである。
「占領憲法には危機管理能力が欠落している」と(例えば日本国新憲法制定宣言―21世紀の国家ビジョンを明示するや正統憲法復元改正への道標)。
我が国の国防方針である専守防衛においては首都東京が敵国のからミサイルの先制攻撃やゲリラ(便衣兵)の襲撃を受け、衆参の国会が麻痺することは大いに有り得ることである。
帝国憲法には、議会閉会時に新規の立法措置を講じるための緊急勅令(第8条)と、議会召集不能時の財政上の必要処分を講じるための緊急勅令(第70条)があるが、占領憲法にはそれらに相当する条項がない。
本土決戦時には麻痺するであろう一般司法手続きに依存して隊規を維持せざるを得ない自衛隊が専守防衛を全うすることは不可能である。元エース潜水艦長が自衛隊は世界一弱いと告発した理由である。緊急勅令、戒厳令、軍法会議を欠く専守防衛は国家の自殺である。
我が国が大日本帝国を封印する占領憲法という条約(東京条約)を処分する維新回天策を断行しないまま、そして憲法秩序を維持するために必要不可欠な天皇の予備である皇位継承権を持つ皇族を増やす旧宮家の皇籍復帰を実現しないまま、大日本帝国が回避した本土決戦に臨むことは、無謀の極みである。
この無謀の極みである占領憲法下の専守防衛(本土決戦)を国民に強要する占領憲法有効護憲派こそ、一億玉砕を唱えた陸軍強硬派の革新将校と同じくレーニンの敗戦革命論を信奉する反日の悪魔なのである。
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・日本列島は日本国民だけの所有物ではない。
・マスコミが伝えない民主党の不祥事年表
・民主党の大罪-白川方明という日銀総裁人事の失敗
・フジTVで愚劣にも「日本が北朝鮮から何発も何発もミサイルを受けてから反撃するかどうか考える」と公言した菅直人の脳内花畑に棲むLIMITED TSUKASA BULLET -司弾- ホルスタイン花子さん―再装填
次期衆院選のスローガンは、まさに「投票前に知っておくべきコトがある」そして、
「あなたの一票で、日本が終わる」
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