2009年05月12日

日本農業の救世主かもしれない家畜ヤギの飼い方・乳肉毛皮の利用と除草の効果

 多少なりとも山間の過疎地の実状を知っている所長の私見では、山間地において農業経営の集約化、大規模化、機械化は困難です。

 まず機械化は地形的に難しい。そして田舎の農家は土地を手放したがらない。しかし山間の過疎地には労働力、資金力、組織力がなく、このままだと集落は限界を越えて消滅します。

 だから過疎地と同一の都道府県内にある地元企業が過疎地に入り農家から土地を借りて「何か」を生産し、利益の一部を土地使用料、株式配当、給料として農家に払う。言い換えれば、農家は企業に対して地主、株主、従業員となり、企業に貸した土地の管理を行う。こうした農家と企業の関係は農業の形態の一つとしてあっていいと思います。農協が企業の代わりになってもいいでしょう。

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 問題は何を生産し収穫するかです。まず考えられる生産物は、諸々の果樹、果樹に付随する養蜂ハチミツ、農作物を荒らすイノシシでしょう。

 いぜん所長が紹介したドジョウの養殖は水田を利用でき、日本人を造物主(ゴッド)に変えるコメの不耕起・冬期湛水栽培法はドジョウを爆発的に増やすそうだから、コメ栽培の淡水漁業化は可能でしょう。

 植物の根は水と養分を土中から吸収するだけでなく、土壌を耕して植物にとって快適なスポンジに改良しているのだから、人間が繰り返し田畑を耕す必要はないのですが、田舎の農家はなかなか不耕起農法を受け入れてくれません。

 農協が独自の農業試験場を持ち、従来の慣行農法とは異なる農法の実証試験を行い、成功したものをマニュアル化して農家に教えれば良いのですが、所長の知る農協はそれを行いません。

 次に市場価値の高い山間地の生産物といえば、何といっても国産マツタケでしょう。かつて国産マツタケの年間収穫量は約12000トンだったのに1955年を境に減少の一途を辿り、今や約100トンにまで落ち込みました。

 原因は山の富養化です。人手が山に入らず山が豊かになったから、太陽光を独り占めしなければ生きていけない陽樹である赤松は枯れ、かりに赤松が生えていてもマツタケは採れないのです。

 1955年頃まで山間地の人間は燃料(松明)として松の枝葉を利用していたので、松林の土壌は痩せ、赤松は生き残るために根っこに菌根菌を寄生させ光合成物(糖分)を菌に与える代わりに菌からミネラルを貰っていました。この菌からマツタケをはじめキノコ類が生えます。1955年以前では、人間が利用していた里山の松林には足の踏み場がないほどマツタケが生えたそうです。

 だから山間の過疎地が国産マツタケを再生するには松林を造成するだけでなく常に松の枝葉を掃除して松林の土壌を痩せさせ、松の根を地表に露出させ、マツタケ菌の寄生を促さなければなりません。

 もし小規模自家発電を可能にする低価格高性能のバイオマス利用スターリングエンジン・バッテリーが普及すれば、山間過疎地の人間が松の枝葉を集める動機と目的が復活し、国産マツタケの再生に弾みがつくかもしれません。

 さいきん人手不足を補うために、山の羊すなわちヤギに雑草を食べてもらう果樹農家が増えてきました。ヤギ―取り入れ方と飼い方・乳肉毛皮の利用と除草の効果によると、ヤギは食糧危機の克服に大いに役立つ便利な家畜であり、我が国でも戦時中から敗戦後しばらくまでヤギの飼育は活発だったそうですが、日本経済の高度成長が始まり、国民の生活が豊かになるにつれてヤギの飼育数は激減したものの、最近になりヤギの価値が見直され、畜産酪農家の一部は牛に見切りをつけヤギに切り替え始めたそうです。

 もし我が国にヤギ・ブームが起きれば、山間の過疎地はヤギ牧場となり、農家はヤギに雑草を食べてもらいながら、良質の堆肥になるヤギ糞を入手して、果樹と野菜の栽培やドジョウの養殖に利用できます。山間過疎地の振興策は適地適産ではないでしょうか。

 高いブランド力を持つ地域の専業農家である所長の親戚の話によると、コメを刈り入れる最適期間は僅か4日間であり、この4日を外すと、コメの味がグッと落ちてしまい、市場価値を失うそうです。だから複数の農家が、年に1回しか使われないバカ高い刈り入れ機(コンバイン)を共有して使い回し生産コストを下げることは、口で言うほど容易ではなく、農業経営の規模を拡大すればするほど、機械に頼らざるを得ず、コメ栽培の利益の過半は農機具の購入代金とメンテナンス代金に費やされてしまうそうです。

 農家に味方すれば、農家は農機具メーカーの食い物になっているし、メーカーを擁護すれば、そうでもしないと農機具の研究開発と生産販売は無理なのでしょう。

 だから日本政府が農機具の購入代金とメンテナンス代金を肩代わりすれば日本のコメ農業は生き残っていけるでしょうが、この農家支援策は果たして国民的合意を得られるでしょうか。
 所長はここに政府貨幣発行益(シニョリッジ)の有効な使途があると思うのですが。

 因みに所長がもしヤギを飼うことになったら、ヤギに「メリー」と名付けて「ヤギなのにメリーって」と笑おうと思っていたら、ヤギ―取り入れ方と飼い方・乳肉毛皮の利用と除草の効果に同じことが書かれていましたわーい(嬉しい顔)

 ヤギ畜産学の権威である愉快な著者の万田正治さんは、日本国をちゃんと「我が国」という愛国者であり、ヤギの飼育が復活してきたことに感激し、大いに張り切っています。ペット・ヤギのブリーダーを目指したい人の必読書です。

<関連ページ>

日本人を造物主(ゴッド)に変えるコメの不耕起・冬期湛水栽培法

一攫千金!究極のアウトドア松茸山の再生しませんか?

・日本再興に役立つ野良将軍わーい(嬉しい顔)のアイデア満載人類後史への出発

安価な石油に依存する文明の終焉―蘇る文明と社会
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posted by 森羅万象の歴史家 at 21:59| Comment(3) | TrackBack(1) | 所長が選ぶ名著と迷著の紹介 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
所長殿、優れた私見を有り難うございます。
帰農するにしても営農組合に入って独立するまで相当時間がかかりますし、高い農機具を購入するために莫大な借金を抱える農家も多いと聞きます。
所長の仰るとおり、農業を維持するには国の支援が必要です。農機具や肥料、豊凶作に左右される生活を安定させるためにも農家への所得保障も必要でしょう。そうすれば段々と帰農する若者も増えてくると思います。
マツタケ栽培にしても昔日本にあった入会地のような形をとって山々を共同管理する制度を復活させた方が良いと知己のブログにありました。共同管理することで乱開発を減らし利益をみんなで享受出来るこの制度は見直されて良いと思います。
石油が減耗する時代である以上薪炭を利用した発電も需要が増えるでしょう。そして何よりも石油が枯渇することで近代文明と言うものが衰退していくことも覚悟し、我々の先祖たちが培ってきた自然と共存する英知を駆使することになるでしょう。

長文失礼しました、これからもよろしくお願いします。
Posted by PNW10 at 2009年05月12日 23:32
 PNW10さんの心配は杞憂ではないようです。

「中国資本が日本の水源地を買収 危機感強める林野庁、調査開始」http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090512/biz0905122342041-n1.htm
 
Posted by 森羅万象の歴史家をめざす所長 at 2009年05月13日 00:10
お久しぶり。家畜ヤギですか?絶対に駄目です。
西洋の悪魔が何故ヤギの頭をしているのか?

ヤギは草の根をほじって食い荒らし、山を禿山にしてしまうからです。
死の世界=禿山を作るのがヤギと言う動物です。

そんなものを大々的に育てたら、日本が禿山だらけの恐ろしい世界になってしまう。
思い付きだけではなく、もう少し世間一般の常識を踏まえて発言して頂きたい。

そして、現時点でもヤギが野生化した島があるのですが、それが短期間にどれ程までに荒廃しているか。
環境省に問い合わせたらすぐに教えてくれます。
Posted by 三輪耀山 at 2009年05月13日 12:30
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