2009年04月30日

日本昆虫界のサムライ-日本ミツバチの飼育方法

 草刈中に「ブーン」と羽音が聞こえてきた。所長が「またハエかアブが来た、うっとおしいなぁ」と思い、周囲を注視してみると、ミツバチが花に潜り一所懸命に花の蜜を集めていた。それを眺めているとミツバチを愛おしく思わずにはいられなかった。

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日本ミツバチ―在来種養蜂の実際 の目次

はじめに

第1章 在来種養蜂の魅力

1、在来種とはどんな蜂か
・復活しつつある「日本みつばち」
・なぜ、追いやられていたのか
・古式養蜂を凌駕した管理式養蜂
・評価が一変した南米の蜂の例
・在来種がもつ潜在的な利用価値

2、病害虫に強く、耐寒性にも優れる
・フソ病、チョーク病にかからない
・スズメバチを熱殺、ダニもとる
・生命力、群の回復力が強い
・寒さにも暑さにも対応できる
・敏捷で、交配養蜂にも有望

3、在来種への誤解と正解
・逃げるのは飼い方に問題がある
・神経質だがめったに刺さない
・落ち着きの有無は群れごとの個性
・コツをつかめば巣ひ枠も利用できる

第2章 蜂の捕獲と巣箱づくり

1、トラップによる蜂群捕獲
・偵察蜂が入りやすいトラップを設置
・誘引花「キンリョウヘン」を併置
・トラップから巣箱に移し替える
・樹上の分封群は払い落として捕獲

2、自然巣からの蜂群捕獲
・巣箱への移し替えは手際よく
・晩秋は巣ひ枠への移し替えが容易
・難所では道具を駆使して蜂群捕獲
・難所捕獲では女王蜂の動きに注意

3、巣箱の種類と特徴
・古式から新式まで巣箱の特徴
・「縦型」巣枠式巣箱のつくり方
・巣門の大きさと位置にも注意

4、西洋ミツバチ用巣箱の活用
・継箱型の木枠を土に押し込む
・土と水の力でスムシを防ぐ
・巣礎に蜂ろう、巣ひ枠は斜めに
・丈夫な人工巣の利用も有望
・人工巣を使用するうえでのポイント

第3章 蜂群管理の実際

1、飼育適地と年間管理のあらまし
・多群飼育は里山の丘陵地がよい
・春は産卵を促し、増勢に努める
・夏は蜂群を維持、集密のピーク
・秋は若蜂の数、貯蜜量に注意

2、分封のようすとその対策
・強勢で蜂数が増えると分封する
・分封が起こる経過とその仕組み
・誘導物の設置で分封を捕まえる
・水や音で分封の動きを封じる
・捕獲網は二つ、立てかけ台も用意

3、分割による増群の方法
・分割予定群を内検、王台を採取
・元巣を移動、もどり蜂で新群形成
・重箱式巣箱での分割なら給餌不要
・巣ひ枠を使った分割なら一回ですむ

4、新王育成による増群の方法
・旧王の幽閉、王台の間引きで育成
・変成王台をつくらせて新群を形成
・女王喪失による働き蜂産卵に注意

5、逃去の原因と防ぎ方
・分封と同じ損失でも精神的落胆が大きい
・女王蜂の片羽切除で予防する
・根本的な原因を探り、改善する
・他にも使い道のある網室の利用

6、盗蜂の防ぎ方
・この兆候がみられたら盗蜂を疑う
・盗蜂は早期発見、迅速に処置する

7、弱勢群では合同を
・貯蜜枠交換でにおいを融合させる
・なじまない時は新聞紙をはさむ
・強い香料で撹乱するのも効果的

8、冬越の管理
・寒さに強くても冬越しの管理は必要
・給餌は貯蜜が目的、産卵させない
・寒さに強いのは独立の蜂球をつくるから
・越冬中は被膜や巣門調節で保湿

9、外敵の防除
・熊を防ぐには電柵が最も効果的
・電柵以外で熊から蜂場を守るには
・スズメバチは捕獲器の設置で防ぐ

10、年間の作業ポイント
・一~二月は巣箱の修理、製作の好期
・三~四月は内検で蜂群の状態把握
・五~六月は採蜜開始、女王蜂更新
・七~八月は貯蜜不足、逃去に注意
・九~十月は盗蜂、スズメバチに注意
・十一~十二月は冬越し、保温に心がける

第4章 蜜の採取から精製、販売まで

1、採蜜の方法
・季節による採蜜のポイント
・古式による自然巣からの採蜜
・新式による巣枠からの採蜜法

2、蜜のとり出し、精製、保存
・自然巣からの蜜の採取・精製
・西洋ミツバチよりも糖度が低い
・保存するなら発酵防止に火入れ

3、蜜を販売するには
・たくさんとれれば商売の眼も出る
・広がるアイディア、楽しく売ろう

 おわりに在来種は地域の宝だ


 明治以降、日本の養蜂家は西洋ミツバチを使う養蜂の利便性と効率に魅かれて日本ミツバチを使う伝統的な養蜂を捨てたが、さいきん日本ミツバチが復活してきたという。

 日本ミツバチはフソ病、チョーク病にかからない。日本ミツバチはたいへん賢くて、相互に体に寄生するダニを取り合ったり、一致団結して蜂球(ミツバチの押しくらまんじゅう)を作り、厳冬期には巣の中で暖を取り、あるいは巣を襲撃するスズメバチを熱殺する。

 多くのしかばねを晒しながら強敵を殺し女王と巣を守る日本ミツバチは戦国時代のサムライのようである。

 また夏の暑い時期には熱を吸収しやすい体の黒色を薄めたり、秋から冬にかけて花の蜜が少なくなると落ちた柿の果汁を集めるという。

 日本ミツバチはスズメバチとは猛然と戦うものの、本当はとても大人くて殆ど人を刺さないが、この性格が裏目に出ているのか、西洋ミツバチに巣の蜜を盗まれてしまう。

 この日本列島に気候と地理条件に順応してきた日本ミツバチは、どこか土着の日本人に似ているのである。だから日本在来種みつばちの会 会長の藤原誠太氏はいう。

 「日本在来のミツバチやその生産したハチミツのイメージが行き着くところは、やはり日本人のルーツ、底流に流れる愛国心や歴史の連続性そして日本人であることの再確認なのである」
 
 所長はすべてを読破したわけではないが、日本ミツバチ―在来種養蜂の実際に限らず、農山漁村文化協会の新特産シリーズの著者たちは本当に愛国心のカタマリである。本からは「我が国を少しでも良くしたい」という情熱が伝わってくる。だからこそ我々素人に惜しみなく養蜂のノウハウを公開してくださるのだろう。

 さいきん都会でも養蜂が可能になってきたから、最初はホビー養蜂から始めて、いずれは独特の風味と高い栄養価を持つ日本ミツバチのハチミツを販売したいと思う人に最適な本が日本ミツバチ―在来種養蜂の実際です。

▼日本ミツバチを誘引する面白い蘭キンリョウヘン。古くから日本に伝えられて親しまれてきた東洋ランですが、渋みのある花とともに花の香りが、巣別れしたミツバチの群れを引き寄せます。ここに日本の先人達の知恵を感じずにはいられません。


<関連記事>

 世界各国のミツバチはそれぞれ独自の個性を持っていて、ニュージーランドのミツバチは、日本人と同じ祖先を持つといわれるニュージーランドの先住民マオリ族が古くから「癒しの木、復活の木」として親しんできたマヌカの花から、傷や火傷、風邪の症状の緩和や、胃の痛みなどに良く効く高い抗菌性の蜂蜜(マヌカハニー)を作るそうです。

・日本ミツバチは飼えない人はマヌカはちみつカタログをお楽しみ下さい。

 外来種を改良する日本人らしい戦闘食プラス緑茶カテキン抗菌ハチミツは食べる「うがい薬」になり、インフルエンザを予防するかもしれません。

日本国の救世主かもしれないドジョウの養殖方法

 巣箱を置くわずかな土地さえあれば、初心者がすぐにでも出来るミツバチの飼育と品質極上はちみつ生産から、庭先および里山といった地域の自然(蜜源植物)を生かして育てるローヤルゼリー生産、蜂針療法、花粉交配まで全てがカンタンにわかるマニュアル本がミツバチ―飼育・生産の実際と蜜源植物です。
 

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posted by 森羅万象の歴史家 at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 所長が選ぶ名著と迷著の紹介 | 更新情報をチェックする
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