「中国大陸に毛沢東首席が中華人民共和国を設立し、蒋介石総統が台湾にのがれて中華民国を維持する体制をとってから半世紀が経過した。以来、谷間におちたままの中国人の一群がいる。どこからも忘れられたように放置され、話題としてすら消えなんとしているが、彼らはかつて中国の一つの政権に属し日本の敗戦とともに立場を失ったのである。その歴史的事実を書き残したいと思い立ってから16年目、中華人民共和国50周年に書き上げることができたのは奇しき因縁といえるかもしれない。」
だが上坂氏も中村粲氏同様に、汪兆銘工作の推進者が朝日新聞出身のソ連のスパイ尾崎秀実であったことに、気付いていないのである。
「人々が汪精衛運動の発展に期待することは、この運動がやがて東洋の天地を被う陰惨深刻なる日支抗争の現状を打開する結果を齎すであろうということだと思われる。それはまさに日本政府の立場から見れば、事変処理方策の内容決定を意味するものであるわけである。
しかしながら我々は汪精衛運動の期待を決してそのような手近な方便の上に置かんとするものではないのである。それはこの運動の発展自体が支那の再建過程を通じて将来本極りの日支関係をつくり上げ、かくて東亜の新秩序の誕生を待つ段取りとなるであろうと信ずるがためである(中略)。
日本の当局者の責任は与うかぎり速かに汪運動の全貌を国民の前に明らかにし、国民をしてこれを理解せしむるべきである。汪精衛運動が支那再建の唯一の方策であり日本としては全力を挙げてこれを守る以外に良策なきこと、しかもこれは日本が後日大陸に雄飛し得べき具体的な足がかりを提供するものであることを明らかにすべきである。
日本人はまず心を虚しうして汪運動の前進をはかるべきである。戦勝者の威容をつくることも悪くはあるまい、特殊の要求を持ちこむことも技術的に不可能ではあるまい。後日の保障を求めて置くことも無意味ではないかもしれない。しかしながらあらゆる問題の中で何が一番大切かといえばともかくも多くの困難なる条件によって発展の可能性を縮小されている汪精衛政権の誕生と発展とをはからなければならないということである。
汪精衛運動が民族運動のヘゲモニーを重慶政権との間に争うべき最後の段階はやがてその後に到達するであろう。」【尾崎秀実著作集第2巻】三七五~三七八頁、公論昭和十四年十一月号「汪精衛政権の基礎」
上坂氏は、「政治は結果であり、自分としては何も為しえなかった父親を讃えたりしないけれど、父親が愛国者であったことだけは人々の間に浸透するよう祈りたい。」という汪兆銘の長男汪文嬰の言葉を、「息子という立場を越えて見事な客観性のもとに汪兆銘の和平工作の核心を突き、南京国民政府をめぐる諸問題を総括したもの」と評価しているが、汪兆銘が何も為しえなかったなんて、とんでもない話である。
汪兆銘は日蒋間の和平交渉を遮断する「楔」として支那事変を永久抗争化させ、我が国を対米英戦から敗戦へ導いたばかりか、蒋介石政権を消耗させ、中国共産党に支那大陸の覇権を与えてしまったのだから。
尾崎秀実、西園寺公一らゾルゲ機関によって推進された汪兆銘工作を三国志にたとえて説明すれば、ソ連に支援された毛沢東の延安政権、中共に容共抗日を強要され、米英に支援され抗日戦を継続する蒋介石の重慶政権、親日反共を標榜し、日満に支援される汪兆銘の南京政権の三勢力に支那大陸を分割し、重慶と南京を徹底的に戦わせ、延安に漁夫の利を与えようとしたのである。
上坂氏は我は苦難の道を行く―汪兆銘の真実上巻253~259pで、東亜新秩序や東亜共同体を批判し、汪一派に苛酷な和平条件を列挙した日華新関係調整要綱に難色を示し、新政権樹立を断念しようとした汪兆銘に対し、あくまで愛国者として初志貫徹を貫くよう呼びかけた西園寺公一の論文(中央公論昭和十四年十二月号「汪兆銘への公開状」)を紹介し、
「西園寺公一は、戦後、日本共産党に入党し、のちに中国(中国共産党)派として除名されてはいるが、あの文革下に彼は、1939年の時点で汪兆銘に寄せた一文を、どんな思いで回想したのであろうか」
と書いているが、所長が西園寺の思いをズバリ答えよう。
「汪兆銘は、死ぬまで、我々にだまされ支那事変を長期化させる傀儡として利用されていたことに気づかなかった愚人である」
と嘲笑していただろう。そして今、プロレタリア地獄で上坂氏に呆れかえっているに違いない。
「私は尾崎秀実の大親友です。そしてゾルゲ事件で検挙され、戦後日本共産党に入党し、ソ連のフロント世界平和評議会に参加し、寥承志や郭沫若ら毛沢東政権下の中国要人に会い、1958年から12年間、心身共に中国共産党員になりきって北京に住み、中国共産党を礼賛し続けたのに、あなたは未だに私や汪兆銘工作の正体に気づかないのですか?」と。
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