不耕起でよみがえる(岩澤信夫著/創森社)の目次
大いなる不耕起の実り-序に代えて
グラフティ 本来の生態系を呼び戻す不耕起・冬期湛水の世界
序章 不耕起移植栽培が底力を発揮する理由
へそ曲がり農業の七徳
耕す農業と耕さない農業
不耕起栽培と有機栽培
第1章 近代化稲作がもたらしたもの
スイカの苗作り
深刻な冷害体験
東北地方が米どころに
保温折衷苗代と前進栽培
機械化稲作の原点はお蚕さん
取り残されていたお年寄りの苗
食料安定化時代へ
湿地と湿田農法
世界遺産に匹敵する構造物
水田地帯の変貌
我田引水と水争い
水利権と世界一高い水コスト
稚苗育苗の欠陥
疲労する苗
化学肥料の弊害
奇糞堆肥の落とし穴
危険な農業
補助金と空中散布
農薬が飛ばない保証はない
負の遺産としての除草剤
遺伝子組み替え食品
冷害に強い苗づくり
水苗代の秘密
種播機の開発
第2章 不耕起栽培への模索と試練
イネの乾燥地栽培
自然農法との出会いと分かれ道
直播に向かないジャポニカ種
耕さなくてもイネは育つ
プール育苗
イネは鵺的性質
イネは挺水植物
イネは横着者
イネは浪費家
イネは何をもとにコメを作るのか
炭素の循環
機械化への道
試作機の開発へ
半不耕起栽培
「不幸起」栽培ではなく
一九九三年の冷害の克服
日本不耕起栽培普及会の設立
第3章 生きものいっぱいの不耕起の田んぼ
見たことのない藻類
サヤミドロの発生
タニシの歌声
畑のドジョウ
アキアカネの謎
アイガモとコイの失敗
冷害後の東北
マガンの来る町
蕪栗沼周辺の復元
渡り鳥のエサ場に
新しい取り組み
田んぼがハクチョウの名所に
田んぼの生きもの調査
クモの世界
第4章 メダカとトキと子どもたち
絶滅危惧種になったメダカ
ミニ田んぼと「メダカの学校」
住宅地のふれあい田んぼ
トキよ大空へ
トキが喜ぶ光景
こんな田んぼが増えるといいな
生きものと暮らす
赤い田んぼと人の輪
都市と農村の交流
第5章 ゆっくりと水資源を育む
田んぼは浄水場
緩速ろ過と急速ろ過
高価で不安な水道水
安全安心なイネつくりを
田んぼによる琵琶湖の水浄化
バーチャルウォーター
第6章 不耕起・冬期湛水の心得と準備
第7章 不耕起・冬期湛水の主な作業
結章 生物資源型農業をめざして
イネは田んぼの王様
日本人の生命線として
生物資源型農業への道筋
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第3章と第4章が読者に教えてくれる素晴らしい事実は、不耕起・冬期湛水田でコメを栽培する農民は、絶滅危惧種すら甦らせることができるということである。それは殆ど神業である。しかし神なるが故に殆ど狂人として扱われる。ここに我々は、かつて特殊技能を持った人々が自然発生的に非人として差別された理由の一端を見出すことができるのである。著者は次のように嘆いている。
「不耕起移植栽培を普及していくには大きな問題がいくつも立ちはだかっていました。しかし、技術とはもっと別のところに一番の問題を抱えていたのです。
耕すことは農家にとって当たり前の作業です。「精農家」という言葉がありますが、よく耕し、まじめに作物の手入れをして、農業に取り組む人のことをいうのです。
ところが私たちのイネつくりは、誰が見ても横着者の「惰農」のすることです。こちらは「耕す」という当たり前のことをしないのですから、この農業を始めると、親からも親戚からも、ご近所やお年よりからも咎められ、責められるのでした。
みすぼらしい不耕起の田んぼは、ご近所の注目を浴び、誰からも頭がおかしくなったと思われるのです。
農村の情報は、お隣さんからご近所さんへ伝わり、家長であるお年よりの耳に入ります。お年寄りたちは、近所で茶飲み話をすることもできなくなり、自分の家の田んぼから目をそむけ、そばの道を避け、近くを通ることさえしなくなります。農業を継いでくれたことを喜んでいたのも束の間、こんなことになってしまうとはと、親の言うことを聞かない息子の行動に、お年寄りたちは嘆くばかりです。
奥さんたちの会話にも、耕さない田んぼが話題になります。夫を説得して、早くやめさせたほうがいいということになるのです。
親子喧嘩、夫婦喧嘩が絶えなくなり、この家の家族関係は大変なことになるのです。不耕起栽培は家族に不幸を起こす栽培だとまでいわれてしまうのです。ですから近所の人たちから忠告された家族や年寄りたちは、村社会の中で困り果てます。」
以上の話は冗談ではなく本当の話である。なぜなら所長自身がこれに酷似した事態に遭遇したからである。石原莞爾が人類後史への出発―石原莞爾戦後著作集で指摘したように、農民は悪い意味で恐ろしく保守的である。1度失敗すれば1年間の労苦が無駄になってしまうから、従来の農法に慣れたベテランには不耕起冬期湛水田コメ栽培は、なかなか受け入れられない。
しかし、もはや彼らにコメの栽培を委ねることはできない。コメ生産者の平均年齢は65歳であり、こんご5年以内に日本で農業従事者の新陳代謝が起きなければ、日本のコメ農業は危機に瀕するというときに、世界大不況が起き、多くの若者が就農せざるを得なくなったのである。
所長はここに、日本国を秋津島豊葦原瑞穂国として甦らそうとする八百万の神々の意思を感じずにはいられない。
これから化学農薬と化学肥料漬けの慣行農法を打破し、水田を命のゆりかご-不耕起冬期湛水田に変える者は、先入観なしに、これから農業の世界に飛び込んでいく都会生まれの若い素人であろう。
この不耕起でよみがえるは、彼らが凡人から神に生まれ変わる手助けをしてくれる素晴らしい名著である。

<関連ページ>
・えた、ひにんは江戸時代に創られたのではなく、天皇及び朝廷の力が衰微するにつれて自然発生的に深刻化した身分差別社会の意外な真実
・日本再生の切り札人類後史への出発―石原莞爾戦後著作集
・米ぬかの栄養分はハンパじゃないからコメは食料だけでなく化粧品やアルツハイマーを予防するサプリの原材料になった!
なんと米ぬかが女性の7つ道具を1個の保湿ゲルにまとめ、女性と日本コメ農家を潤す「ドクターアクアライズ」がスゴイ。
▼九七式側車自動二輪車を駆った日本陸軍偵察兵エイジ


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それと、今年中にちょっとした小型プラントを設置して、人糞に複合発酵微生物菌をあわせて水をつくり、それを土に蒔きます。
来年の春夏野菜などから収穫が楽しみです。
完璧な生態系をつくりだしてみせます!所長さん、そのときはぜひ見に来てくださいね。うちは京都の長岡京です。
>今年中にちょっとした小型プラントを設置して、人糞に複合発酵微生物菌をあわせて水をつくり、それを土に蒔きます。
マジで凄い!しかし京都長岡京は遠いなぁ。