来年の日本経済の光明か？ダカール演説全文－シャア・アズナブル

　機動戦士ガンダムUC 第6巻「重力の井戸の底で」の舞台は、地球連邦の首都ダカール。9年前すなわちUC0087・11・16、エウーゴとカラバがダカールの連邦会議を占拠し、エウーゴのクワトロ・バジーナ大尉が自らの正体を明かしてアースノイドにスペースノイドに対してジオニズムを再提唱し、人類の覚醒（ニュータイプ）と地球の保全（エレズム）を訴えたのである。

　「私は、元ジオン公国のシャア・アズナブルである。ジオン・ダイクンの子である。そして今は、エウーゴとカラバのスタッフである。我々の主張を聞きたいと思っている人々は、地球上にも、宇宙にも多いはずだ。絶対民主政治を標榜する地球連邦政府議会ならば、私の発言を止められるはずはない！

　私がこの場を借りて、父、ジオン・ダイクンの遺志を継ぐ者として語るのは、地球連邦軍を私物化するティターンズの動きが、現在、極めて横暴になってきたからにほかならない。これはかつてのザビ家である。いや、地球上で始まったこの動きは、ザビ家以上に危険である。
　ティターンズの名を借りて、ジャミトフ・ハイマンが、地球連邦軍を我がものにしようとしている事実は、ザビ家よりも悪質である。

　人が宇宙に出たのは、なぜか、と思い出してもらいたい。地球が人の重みで沈むのを避けるためだったのだ。
　
　人類が宇宙に生活圏を拡大したことによって、人類そのものが力をつけたと誤解した。その結果がザビ家なのだ。人類の生活圏の拡大が、人類に力をつけたと誤解し、ザビ家のような勢力を認めてしまいたいと思ったのだ。それは過ちである。この意味は重要である。
　
　人類は、もともと己の中に過ちの根を持っているという証拠である。それは不幸なことだ、と認識する必要がある。もう、この歴史を繰り返してはならない。

　人類が宇宙に出ることによって、手に入れられるのは、純粋にその能力を広げることができることなのである。
　新しい環境で、人の能力は刺激を受けて、今まで眠っていた能力が拡大する。たとえば、人間同士が、より理解できるようになるということだ。俗にいわれるテレパシーとも異なる分かり方ができるのだ。

　なぜできるか？簡単なことだ。人が住む環境が地球以上に巨大になったために、人が種として共存する同一認識を持つためには、人の共同認識の能力が拡大しなければ、ひとつの種として共存するすることができないからにすぎない。これまで、地球に住む我々の大脳皮質の能力は五十パーセントも使っていなかったと言われる。残りの能力は、宇宙に進出したときのために、神が我々人間に与えて下さったものなのだ。

　地球を故郷と思うあまり、地球を離れずに暮らすことが最良と思う人々は、地球の引力に魂を引かれた者である。人の能力の拡大の可能性を否定して、人の間に戦闘状況を生み出すことによって、人類を生き続けさせようとするのがジャミトフの狙いである。

　しかし、それでは、過去から言われていたように、戦争が文明を発展させたいという古い規範から、人は一歩も出ることはできない。

　違う！人は、違うのだ。宇宙に出て、心を開き、まだ目覚めていない人の能力を高めれば、人は戦争をなくして、永遠に発展し、増殖し続けることができる。宇宙は無限である。この無限という意味を考えていただきたい。

　どのような叡智をも呑み込むだけの果てしなさを持ったものという意味である。その果てしなさに対して、永遠に叡智を放出できるのも人類でしかない。その叡智と気力、そして精神を、なぜ人は、他人にぶつけるだけで満足して死んでゆけるのか？
　
　それが、人に与えられた使命ではない。神は、宇宙駆ける者として人を創造されたのである。

　ティターンズは、地球の重力に魂を引かれた人々で、地球の論理だけで改革を進めようとしているのだ。しかし、それは改革ではない。
　地球に住む人と宇宙に住む人という階級だけを作り、その緊張感の中で、特定の人々が、利益を得る社会構造を作るだけである。それでは、中世である。人に成長するなと言うに等しい。

　人は、長い間、この地球という揺り籠の中で戯れてきた。しかし、時は、すでに人類を地球から巣立たせているのだ。この期に及んで、なぜ、人類同士が戦い、地球を汚染しなければならないのだ？
　
　地球を自然の揺り籠に中に戻し、人間は、宇宙で自立しなければ、地球が干涸びて水の星ではなくなる日は近いのである！しかし、今ならば、まだ地球は美しく、残す価値がある。ならば、自分の欲望を満たすためだけに、地球に寄生虫のようにへばりついて、地球を汚染することは、何人にも許されない」（機動戦士Zガンダム　ダカールの日）

　ガンダム生誕30周年にあたる2009年に、バンダイとサンライズが平成ガンダムの白眉MSIGLOO黙示録0079に投入されたCGアニメ技術を駆使して、機動戦士ガンダムUCをアニメ化できれば、再び熱いブームが起きて日本経済を少しは牽引してくれるかもしれない…。　

　それにしても日本人の二次元創作の能力と意欲は異常である。素人がユニコーンのOPを先行試作してしまうのだから。



シナンジュVer.Ka

▲U.C.0094年にアナハイム・エレクトロニクス社からネオジオン軍の残党『袖付き』によって強奪された試作ＭＳシナンジュ。実際は強奪に見せかけた譲渡だという。ＮＴ-Ｄの実験用にムーバブル・フレームの一部にサイコフレームが採用されており、この機体で検証された追従性の向上や、強度などのデータを基にユニコーンガンダムが完成された。パイロットは赤い彗星シャア・アズナブルの再来フル・フロンタル（丸裸）大佐。

　ガンダムを知らない方も機動戦士Zガンダム メモリアルボックスと機動戦士ガンダムUC 第6巻「重力の井戸の底で」とを見たくなったでしょう


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