2007年09月21日

インド洋の価値 第二次世界大戦における枢軸国の勝機

 昭和17年(1942)4月、インド洋に当時世界最強の艦隊が出現した。それは空母5隻、戦艦4隻、重巡2隻、軽巡1隻、駆逐鑑8隻からなる南雲忠一中将の率いる我が日本海軍空母機動部隊である。

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 南雲機動部隊は、4月5日にイギリス東洋艦隊の重巡2隻、9日には同じく空母1隻と駆逐艦1隻をそれぞれ瞬く間に撃沈したものの、日本海軍の鋭鋒を恐れてアッズ環礁に退避していたソマビル中将のイギリス東洋艦隊の主力(旧式戦艦5、空母2、重巡1、軽巡5、駆逐艦10)を発見できなかった。彼らは撃沈された重巡2隻の100キロ南に位置していたにもかかわらずである。

 ここで南雲機動部隊は、しばらくインド洋に留まり97式艦上攻撃機の魚雷を増槽(燃料タンク)に換装し97式艦攻全機を索敵機として発進させてでもイギリス東洋艦隊の主力を捕捉すべきであったのに、艦隊司令部首脳陣は極めて不十分な戦果に満足し、11日、南雲機動部隊はインド洋を去ってしまったのである。

 真珠湾攻撃の際、南雲機動部隊は、肝心のアメリカ海軍の空母を発見できず、敵の奇襲から艦隊を保全するために真珠湾の基地機能を破壊することなく、ハワイ海域から撤収してしまったが、南雲忠一中将はインド洋機動作戦でもハワイ作戦と同じ失敗を繰り返したのである。

 もしこのとき南雲機動部隊がイギリス東洋艦隊を撃滅し、昭和17年の春から夏にかけて日本国がインド洋の制海権を掌握していたら、イギリス本土からアフリカ南端の喜望峰を経てスエズと中近東とインドに至るイギリスの海上交通線は寸断された。

 北アフリカ戦線のロンメルのドイツ機甲軍団は、イギリス本土からの補給を失ったエジプトのイギリス第8軍を撃滅し、スエズを越えて中近東の産油地帯に雪崩れ込むことができた。さらに勢いに乗り、そこから長駆してコーカサス方面に侵攻することができたかも知れない。

 またビルマ方面の日本陸軍は、インド東北の門アッサム地方に侵攻し、イギリス本土からの補給を失ったインドのイギリス軍を撃滅し、ベンガル湾のカルカッタとチッタゴンからアッサムを経て昆明と重慶に至る米英最後の援蒋ルートを遮断することができた。

 エジプトとインドと中近東の石油を失ったイギリスは脱落、中近東の石油を得たドイツはソ連を集中攻撃し、スターリングラードを占領することができた。

 イギリスの支援とコーカサスの石油を失ったソ連軍は、ドイツ軍の猛攻に耐えられずにモスクワから敗退し、スターリンの独裁体制はソ連と共に崩壊した。

 そして支那大陸の重慶に立て籠もる蒋介石の国民党政権は、米英の援蒋物資を失い、満州国、北中南支(南京の汪兆銘政権)、仏印、タイ、ビルマ、インドから、支那軍に対して鬼神のごとき強さを誇る日本陸軍に完全に包囲され、蒋介石は、約2200年前の項羽のごとく四面楚歌の悲哀を味わっていただろう。

 日本海軍は、昭和17年の春にイギリス東洋艦隊を撃滅し、インド洋を制することができた。それに伴い日独両国は、ユーラシア大陸の周縁部(リムランド)からロシアと支那(中華民国重慶政府)とを完全に包囲することができたのである。だからサイパン陥落の責任を負って総理大臣を辞職した東條大将は、

「海軍の実力に関する判断を誤れり、而かも海軍に引きづられた。攻勢終末を誤れり、印度洋に方向を採るべきであった」

と深く後悔したのであった(大本営陸軍部戦争指導班 機密戦争日誌昭和二十年二月十六日の条)。

 昭和17年の大日本帝国によるインド洋の制圧、おそらくこれが枢軸国唯一の勝機であったろう。なぜならインド洋は、資源に恵まれている環インド洋諸国とそれらから重要資源を輸入している諸国の大動脈だからである。インド洋の価値は、アッツ、キスカ、ミッドウェー、ガダルカナル、ソロモン、ニューギニアとは比較にならないほど巨大である。

 しかし昭和17年の日本海軍はそれに気付かなかったから大敗北し、今日のアメリカ軍はそれを理解しているから、インド洋上のイギリス領チャゴス諸島の南端に位置する面積390km²の環礁ディエゴ・ガルシア島に基地を置いて、インド洋に睨みを利かしているのである。

 イギリスがこの島をアメリカに貸与し、島全体がアメリカ軍基地になっている。住民5000人はすべてアメリカ軍関係者であるが、ディエゴ・ガルシア基地には充分な石油の備蓄施設がない。だからインド洋の多国籍艦隊は海自の補給艦隊を必要としているのである。

 我が国が本当にシーレーンの防衛を重視するならば、日本陸軍の遺産であるインドの親日感情を利用して、インド政府の了解の下に、軽空母を中核とする水上艦艇を従える日本海軍潜水艦隊をインド洋に常駐させるべきであろうが(本当の潜水艦の戦い方)、現在の日本の軍事的実力は多国籍艦隊に給油を行う海自補給艦隊をインド洋に派遣することが精一杯というところだろう。

 昭和17年(1942)3月27日、ベルリンにおける日独伊混合専門委員会でドイツは次のように要請した。

 「日本海軍がこの際、独伊のエジプト進攻に策応し、アフリカ東岸を北上する敵側の補給動脈を撃滅する作戦を実施するよう、特別の配慮を望む」

 しかし日本海軍の主力はドイツの要請を無視して早々にインド洋を去り、まさに眼前のインド洋にあった連合国の補給大動脈を見逃してしまった。

 この場面を見ていた勝利の女神は、補給の重要性を理解しない日本海軍首脳の余りの愚劣さに呆れ果てて枢軸国を去り、微笑みながら連合国に舞い降りた。

闘う翼女神ベルダンディ
SMC  ベルダンディ 「ああっ女神さまっ 闘う翼」

補給戦が勝敗を決定します

 そして勝利の女神に見捨てられた枢軸国を迎えに来た者は、日本海軍の無能を嘲笑する死神であった。

デスノート/リューク
クラフトレーベル デスノート/リューク
「あちゃー輸送船を見捨てた残酷な間抜けの日本海軍にデスノートは渡す訳にはいかねえなぁ」

 そして今日、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスが日本政府にテロ特措法の延長を要請し、海自の補給艦隊をインド洋上に留まらせようと努力している。

 それなのに我が国では、山本五十六を筆頭として愚劣な帝国海軍首脳以下の軍事音痴の者ども(民主党とこれを応援する左翼詐欺リベラル護憲派)が海自の補給艦隊をインド洋から撤収させ、支那(中華人民共和国)とロシアを封じ込める戦略を再び崩壊させようとしている。彼らの口癖は「日本は過去のあやまちを繰り返してはならない」である。

 地政学的歴史的には麻生太郎の自由と繁栄の弧構想は正しい。

 しかし反日マスゴミの偏向洗脳報道が横行する我が国では、尾崎秀実の東亜協同体の焼き直しである「東アジア共同体」を唱える福田康夫が自民党議員と一般国民の支持を得てしまうのである。


<関連ページ>

地政学―アメリカの世界戦略地図

・日本人が作り上げた現段階史上最高のすごく便利な大東亜戦争データベースと山本五十六の率いた連合艦隊の犯罪を告発する亡国の帝国海軍と太平洋戦争の真像

アメリカ・イラン戦争の戦況予想 満州事変・ベトナム戦争との比較

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posted by 森羅万象の歴史家 at 06:27
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