2007年11月25日

ダルマさん落としの新無効論は現代版の大政奉還論 サンフランシスコ講和条約第19条d項付属占領管理法

 改憲論者と新無効論者の議論が活発になってまいりましたわーい(嬉しい顔)。憲法議論にポールシフトを起こし、左翼似非リベラル護憲派を憲法議論の蚊帳の外に追いやりましょう。

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 saratomaさん、日本国憲法(マッカーサー占領憲法)を講和条約と規定することは無理ではないか、とお考えならば、これをサンフランシスコ講和条約第19条d項付属占領管理法と規定してみてはどうですか?

サンフランシスコ講和条約第19条d項

 「日本国は、占領期間中に占領当局の指令に基づいて若しくはその結果として行われ、又は当時の日本国の法律によって許可されたすべての作為又は不作為の効力を承認し、連合国民を、この作為又は不作為から生ずる民事又は刑事の責任に問ういかなる行動もとらないものとする」


 日本国は、サ講和条約第11条によって、本来ポツダム宣言第10条違反の極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決を受諾させられて、講和条約の発効後から関係連合国の恩赦まで戦犯とされた日本国民に対する刑罰の執行を継続しました。
 
国民のための戦時国際法講義2、大日本帝国の遵法精神 

 我が国の降伏後、日本を占領した連合軍は、昭和二十一年五月三日、日本を裁く極東国際軍事裁判所を開廷した。いわゆる東京裁判である。名は体を表すというが、この裁判の法的根拠は既存の確立された国際法ではなかった。連合軍最高司令官マッカーサー元帥が昭和二十一年一月十九日に「極東国際軍事裁判所条例」を発布し、彼自身が判事を任命し、この条例によって裁判せよ、との命令を下したのである。文明諸国が厳禁する事後法の遡及適用による断罪である。

 五月十三日、日本側弁護人の清瀬一郎博士は、裁判所の管轄権に関する動議を提出した。その内容は、

1、一九四五年七月二十六日に米英中によって発せられ、同年九月二日に日本政府統帥部代表によって受諾調印されたポツダム宣言は、連合国と日本国の双方を拘束する。

2、ポツダム宣言第十条「吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重なる処罰を加えらるべし」のいう戦争犯罪とは、これが発せられた当時、交戦者の戦争法規の違反、非交戦者の戦争行為、略奪、間諜および戦時反逆など戦時法規を犯した罪を意味していたのであって、裁判所条例のいう「平和に対する罪」「人道に対する罪」や戦争を始めること自体を含まない。

3、よって連合国は、ポツダム宣言第十条に基づき戦時法規を犯した日本人を裁き厳重な処罰を加える権限を有するが、「平和に対する罪」「人道に対する罪」や日本が戦争を始めたこと自体を裁く権限を有さず、当然、連合軍最高司令官にもそうした権限は存在しない。

というもので、清瀬弁護人は、

 「連合国は、今回の戦争の目的の一つが国際法の尊重であるということを言われております。されば国際公法のうえからみて、ワー・クライムというものの範囲を超越せられるようなことはまさかなかろうと、我々はかたく信じておったのであります。」

と述べて、裁判所には「平和に対する罪」「人道に対する罪」を裁く権限がないことを主張した。だがウェッブ裁判長はこれを却下した。清瀬弁護人の動議を認めると、占領軍の対日占領作戦「日本史汚染による日本人洗脳計画(WGIP)」の中核たる東京裁判そのものが不成立に終わるからであった。


 そして日本国は、サ講和条約第19条d項によって、本来1907年ハーグ陸戦法規第43条違反の占領基本法群の効力を承認させられ、今日に至る訳です。サ講和条約第11条および第19条d項は既に履行済ですわーい(嬉しい顔)

 我々は帝国憲法を復元改正するにあたり、日本国とサ講和条約を締結した連合国の顔色を伺う必要はどこにもありません。

 新無効論の本質は、護憲派学者が隠蔽してきた事実すなわち、

 「日本国憲法の制定は、帝国憲法の定める憲法改正の手続き条項に違反しており、日本国憲法は日本国の最高法規たる能力および資格を欠いている(最高法規としては違憲無効ということです)のに、サ講和条約の発効後において、法的効力を持ち、法律と政令を従えている」

という事実をありのままに受け止め、戦後日本の法秩序を以下のように捉えることです。

国体>(帝国憲法)>日本国憲法>法律>政令

 所長があえて国体に、見えなくされている状態を表わす(カッコ)を国体に付けなかったのは、小泉諮問の有識者会議が女性女系天皇の容認を打ち出すまで、日本国憲法第2条「皇位の世襲と継承」の解釈は、皇室伝統に則り、疑いなく皇位の男系継承(父系相続)であったからです。もちろん現在もそうです。

 戦後日本では、「憲法とは国体(国柄)であり、憲法典は長い歴史の中で自生的に形成されてきた国の形を定める慣習法の反映でなければならない」という憲法学の基本がほとんど忘却されてきましたが、それでも日本国憲法第2条は我が国の国体に照らして解釈されてきたのです。

 そして新無効論の目的は国会の決議をもって(カッコ)を外し、帝国憲法を復元することです。

 この国会の決議は、戦後日本の法秩序が国体>帝国憲法>日本国憲法>法律>政令であることを再確認し、日本国憲法を帝国憲法の下位に位置する講和条約的な占領管理法として改めて承認するもので、別に1907年ハーグ陸戦法規およびポツダム宣言を蹂躙したGHQ関係者の刑事および民事の責任を問わないのだから、サ講和条約第19条d項には違反しません。むしろ正しく履行するものですわーい(嬉しい顔)

 西修氏の「日本国憲法を考える」129ページに実に興味深いことが書かれています。

 第四章は、「国会は、国権の最高機関であって」(第四十一条)という文言からはじまっている。この文言の意味について、通常の憲法注釈書には、つぎのように説明されている。

 「『国会は、国権の最高機関』という言葉を文字どおりに解釈してはならない。なぜならば、わが国の憲法は、立法府、行政府、および司法府の三権がおのおの抑制しあいながら均衡を保つという権力分立原則を採用しているからである。

 それゆえ、この文言は、法的意味よりも政治的意味合いをもつもの、いってみれば政治的美称として解されなければならない


 まことにその通りです。所長が指摘してきた通り日本国憲法には政治的美称が少なからずあります。ならば日本国憲法第98条「この憲法は国の最高法規であって」を文字どおり解釈する必要はありません。この憲法は最高法規たる能力も資格もないのですから。

 この文言は、法的意味よりも政治的意味合いを持つもの、いってみればマッカーサーおよびGHQが占領管理法たる日本国憲法を日本国の最高法規に見せかけるための政治的美称として解されなければなりません。これが事実なのですから。

 実際に日本国憲法を日本政府および議会に強制したマッカーサーらGHQ自身が日本国憲法を容赦なく蹂躙しており、日本国憲法は国の最高法規として機能させられなかった。東京裁判において高柳健三博士がすでにそのことを指摘しております。

 「我々は、この歴史に先例のない刑事裁判において、その画期的判決をなすにあたり確立した国際法のみに基づくべきことを裁判所に対して強く要請する。法の認めない犯罪に対して事後法に基づき厳刑を科するがごとき正義にもとる処置は、必ずや来るべき世代の人々のうちに遺恨を残し、東西の交友関係と世界平和にとって不可欠な和睦を阻害する原因を作ることになるであろうことは、賢明にして学識ある裁判所は万々御承知のことであろう。(中略)

 かかる事後法的処罰は又、今や最高司令官の聡明な指導の下に、新憲法の厳格な遵守、従って又その不可欠の一部をなす事後法による処罰禁止の規定(註、占領憲法三十九条)の厳格な遵守を誓約している日本国民にたいして残酷な模範を示し、かれらの殊勝な熱意を冷却せしめることともなるであろう

 かくしてそれは彼らに、勝利者の法と被征服者の法とは別物であるとの深い印象をあたえるであろう。かかる不正は、それは正しい法の支配なる一つの世界の建設に役立つことのない権力政治のあらわれに過ぎぬものとみられるであろう

 そればかりでなくさらに、この歴史的なそして又劇的な裁判において、かような前例が設けられることは、本裁判所に代表されている戦勝諸国における刑事裁判の将来にも深刻な影響を与えることとなるかもしれない。

 そうした場合には、「血なまぐさい教訓は、必ず元に戻って教訓者を苦しめる」という格言が妥当することもあるからである。それ故厳格に法を遵守することこそは、司法的勇猛心の表現であるばかりでなく、裁判所のとるべき正しく且つ賢明な道である。

 周知のそして確立された国際法の原理を固守することによって、又これによってのみ、文明そのものの不可分の要因をなす法至上の灯光は、永久に国際社会を照らし、揺らめく灯としてではなく不動の灯明台として、嵐吹きすさむ世界に指標を与えることとなるのである。」(東京裁判 日本の弁明―「却下未提出弁護側資料」抜粋


 時おり国際条約には、条約締結国の面目を立てるために、意味のない政治的美称が挿入されます。有名な政治的美称は、連合国憲章五十三条前段但書です。

 
 翌年2/4~11のヤルタ会談で米英ソに巨頭会談によって作られた(第27条)に含まれる拒否権の制度によって、安保理理事会の5常任理事国のどれかが憲章に違反して武力を行使する場合、またはどれかが特に庇護する中小国が武力を行使したとき、この武力行使国に対して安保理事会が連合国の集団的安全保障の制度を適用して強制措置を行う決議をすることは、実際上不可能となった。

 その結果、連合国組成国の間でより小規模な共同防衛組織を作ることが必要になった訳であるが、この種の組織による強制措置の実行は、ダンバートンオークス案のいうところの局地的取極めに基づく強制行動に該当し、従って安保理事会の認可を必要とする。そしてこの認可のための決議はやはり第27条の手続きによて行われるのだから、上に述べた5大国の拒否権はここで再び同じような妨害作用を営むことになる。

 そこで4月25日からサンフランシスコで連合国憲章を審議するための召集された連合国会議で、すでに米州諸国間の共同防衛に関するチャプルテペック議定書を調印していた米州諸国やアラブ連盟規約を署名していたアラブ諸国の先導する一部の連合国がヤルタの取り決めた安全保障理事会方式によって局地的取極めの発動が抑制されることの非をならしたのは、勿論であり、別の一条すなわち憲章51条が挿入された。

 にもかかわらず、ダンバートンオークス案第八章C節第二条はこのように厄介視されたに拘わらず、そのまま憲章に組み入れられ、局地的取極めに関する第53条一項の一部分とされた。これはサンフランシスコ会議がダンバートンオークス原案の作者たる4大国の権威を重んじてなるべくその条文を保存する主義を採ったためである。その結果精神において相容れない2つの条文が憲章の中に共存するという現象を生じた。

 第五十三条一項は実際上ほとんど益なき規定と化する。結局第五十三条一項は第五十一項によって否定されたといっても過言ではない。ダンバートンオークス案第八章C節第二条はサンフランシスコ会議によって殺され、その死骸を第五十三条一項の中に留めたのである(田岡良一著/国際法上の自衛権195~196ページ)。


 日本国憲法に政治的美称が少なからずあること自体、日本国憲法の性格が憲法=国の最高法規ではなく、むしろベルサイユ条約のごとき敵国の国力を封じ込める懲罰的条約の性格を帯びたGHQの占領管理法である証拠と言えましょう。
 アメリカの新聞クリスチャン・サイエンス・モニター紙は、1946年3月8日付けの記事で、次のように鋭く指摘したとか。

 「日本政府は近代民主制の最新式制度を全部取り入れたみごとな新憲法を発表した。しかしこれはまったく価値なきものである。実際これは日本国民に対してのみならず、アメリカの新聞記事をにぎわすために提供された玩具であって、しかも罠となるおそれがある。

 草案自体にはなんら難点はないが、これをもって日本の憲法である、これにより日本は民主的な平和愛好国になるという主張は問題にならない。これは日本国の憲法ではない、日本に対するアメリカの憲法である。

 もちろん数千の日本自由主義者は憲法の字句を了解し、これを遵守せんとしているであろう。しかし日本の民衆は自らの経験からこの憲法を作りあげたのではない。この憲法の重要条項に日本の現実から生まれた思想はひとつもない」

 GHQが昭和天皇と国民を人質に取り3度目の原爆投下をちらつかせて日本政府に受諾させたGHQの占領管理法である日本国憲法が、国の最高法規を僭称しているにすぎないのです。
 だから日本国憲法は、戦後日本の法秩序が国体>帝国憲法>日本国憲法>法律>政令であることを再確認する国会の決議を妨げません。

 そして改正帝国憲法の施行をもって日本国憲法を廃止し、我が国の法秩序を国体>帝国憲法>日本国憲法>法律>政令から、国体>改正帝国憲法>法律>政令へ、スリム化するのです。

 日本国は、ダルマさん落としの要領をもって不要になった日本国憲法をポンッと抜いてしまうのです。

 国会の決議から改正帝国憲法の公布を経て改正帝国憲法の施行と日本国憲法の廃止に至るまでの間に、帝国憲法および改正帝国憲法と法律および政令の調整は十分に可能でしょう。新無効論は日本国の法秩序の安定性をいささかも乱しません。菅原裕氏は次のように述べています。

 「案外実際上の事務処理は、格別の混乱を来たすことなく、でき得るものと思われる。それは新憲法施行の際、諸法令の整備が半年を出でずして完了したことを思えば、今度はその逆を行えばよいのであって、わが国の法令整理事務を担当する法律技術者たちの手腕は、大した混乱をみることなく、短時日をもって整備できることを確信する」

 従来の改憲派と護憲派の対峙状態に割り込む新無効論は、フランス暴力革命いご長期にわたりフランスを苦しめた国政の大混乱を回避しつつ、日本の国体と帝国憲法そして日本国の立憲主義、法の支配を守り、同時に日本国憲法へこれに相応しい法的地位を与えるもので、いわば倒幕派と佐幕派の対峙状態に割り込んだ坂本竜馬の大政奉還論に似た維新回天の救国論です。

 だから新無効論は、護憲派および日本国憲法の打倒に燃える血の気の多い改憲派には、なかなか受け入れ難いでしょうが、改憲派が菅原裕氏の日本国憲法失効論を熟読し、改憲論、護憲論、自主憲法制定論がいずれも法の支配から逸脱し日本国の立憲主義を破壊する暴論であることを理解し、イギリスとオーストリアに憲法復活の先例があることを知れば、新無効論に納得できるでしょう。

 実際菅原裕氏の日本国憲法失効論を読んだ人々は感激しているのですから

 帝国憲法復元改正に対する周辺諸国とくに特亜の介入を懸念する方は死せる尾崎秀実が21世紀の日本を救うに御協力くださいわーい(嬉しい顔)

 強いて言えば、新無効論の弱点は、憲法の定める憲法改正の手続き条項に違反する「違憲の改正憲法」「改正手続きに多数の瑕疵を抱える憲法改正」を最高法規として有効と言い切る者や違憲立法を容認する者すなわち立憲主義精神と法規範意識を喪失した者には、憲法の敵である革命を否定し違法な力の支配に屈することなく立憲主義を防衛しようとする新無効論は、絶対に通じないということかな。

 本当に困ったものですね、inosisi650さんふらふら

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サンフランシスコ講和条約第11条の正当なる解釈

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posted by 森羅万象の歴史家 at 18:35| Comment(4) | TrackBack(6) | 本当は怖い憲法のはなし | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
便利屋こと所長さん
詳細な解説、ありがとうございます。
近日中に小生の意見をまた述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
なお、小生は必ずしも改憲論者というわけでもなく、「日本国憲法」をなんとかできるのであれば、その方式にはそれほどこだわらないのです(根がいい加減なもので)。
それと、本当はもっとドラスティックな考えをあたためているのですが、とても人様に公表できるほど洗練されておりませんので、まあ思案中といったところです。
Posted by saratoma at 2007年11月27日 01:01
saratomaさん
>「日本国憲法」をなんとかできるのであれば、その方式にはそれほどこだわらないのです(根がいい加減なもので)。

 この辺が新無効論に賛同するものとしなものの分岐点でしょう。憲法の内容が良くても制定手続きに瑕疵があるならば、それは最高法規として絶対に無効というのが、無効論者の立場です。
Posted by 便利屋こと所長 at 2007年12月01日 07:07
便利屋こと所長さん
新無効論について再び小生の考えを書きましたので、お暇なときにでもご一読いただければ幸いであります。
憲法改正については、小生も「日本国憲法」が無効であるとは考えていますが、「日本国憲法」によって現実の世界が動いている以上、これをなんとかしなければならないという考えがあります。
また、新無効論の立場では、「日本国憲法」は講和条約なのですから、「日本国憲法の改正」は「講和条約の改正」として認める余地はあるのではないでしょうか?
Posted by saratoma at 2007年12月02日 15:44
 私はイノシシさんが紹介してくれた南出問答集http://www.meix-net.or.jp/~minsen/mondou/mondou3.htmを読んで納得できましたけど、南出氏の新刊書に期待しましょう(笑)。
Posted by 便利屋こと所長 at 2007年12月05日 23:06
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Tracked: 2007-12-29 23:51
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