2019年08月11日

GHQ製日本国憲法の検閲禁止条項とその解釈は欺瞞と虚偽ばかり

 日本国民が我が国の歴史を顧みれば、検閲には事前検閲と事後検閲があることを知る。占領軍の検閲は、事前より事後の方がはるかに凶悪で卑劣であった。1945年9月5日の第88回帝国議会において内閣総理大臣の東久邇宮稔彦王殿下は、ポツダム宣言の履行と帝国憲法の遵守、そして自由主義および議会制デモクラシーの復活強化を高らかに宣言した。しかし占領軍はその直後からサンフランシスコ講和条約発効日までポツダム宣言違反の検閲を実施した。

 占領軍の検閲が事前検閲であったとき、我が国の新聞社と出版社は、発行前に占領軍の検閲を受け、いわゆるGHQプレスコード30に抵触する原稿を修正した後に、新聞と書籍を印刷発行した。しかし占領軍の検閲が事後検閲に移行した後、新聞社と出版社は、新聞書籍の印刷発行後に占領軍の検閲に引っ掛かり発禁処分を受けると大損害を被るため、占領軍に過剰忖度し、プレスコード30に抵触しないように原稿の徹底的な自主規制を行うようになった。

 すなわち占領軍の検閲が事後検閲に移行したことによって「新聞社内部の自己規制がさらに強化され、占領軍の言論統制が完全に成功した」(稲垣武著朝日新聞血風録262ページ)のである。

 ところが橋下徹によると、事後審査による発禁処分は検閲には該当しないらしい

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「検閲」という言葉を用いる人まで出てきたが、そのような人は「検閲」というものについてきちんと勉強した方がいい。検閲とは「行政権が、表現物の内容を事前に審査して、一般的・網羅的に発表を禁止すること」であって、今回の件は、問題の展示物をあいちトリエンナーレでは展示しないというだけで、他の場所での展示まで禁じたわけではない。税金が使われていない他の会場では展示できる余地があるので、これは検閲ではない。 しかもいったん発表した後の「事後的な」制約なので、この点でも検閲ではない(PRESIDENT Online 橋下徹「津田大介さんはどこで間違ったか」 必要なのは「手続き的正義」の考え方)。
 
 橋下徹が得意気に語る検閲の定義に従えば、「行政権が、表現物の内容を事後に審査して、一般的・網羅的に発表を禁止すること」はGHQ製日本国憲法によって禁止される検閲には該当しないことになってしまう。そうなると行政権が表現の自由を制約する「公共の福祉」の曖昧さを悪用すれば、公然と占領軍の事後検閲に似た凶悪な言論統制を実施できてしまう。

 我々日本国民の表現の自由は風前の灯火やないか!

 因みに芦部信喜系統の憲法学や、橋下徹が信奉しているらしい伊藤真の司法試験対策憲法学は、GHQ製日本国憲法第21条2項「検閲は、これをしてはならない」からこれを美化する解釈を捻りだして学説として販売しているが、それらはみな後付けの屁理屈で、虚偽である。しょせん第21条2項は占領軍の検閲を隠蔽するためのアリバイ条項にすぎない。

 なぜなら日本国憲法の起草者であり事実上の制定者である占領軍は、憲法の起草中も議会審議中も、そして施行後も一貫して「日本の民主化」の名の下に検閲を実施していたのだから、GHQ製日本国憲法第21条2項「検閲は、これをしてはならない」の立法趣旨が民主主義の健全化とかピラミッド型憲法構造の頂点に位置する国民の幸福追求権(第13条)の擁護であろうはずがない(笑)。

 それが国民に知れ渡ると、GHQ製日本国憲法の正当性と合法性が雲散霧消し、伊藤真の司法試験対策憲法学が崩壊するので、伊藤は筆者をはじめLECの受講者に憲法制定過程のGHQの検閲を教えてくれなかった。伊藤真はGHQプレスコード30の4「検閲制度への言及」禁止を頑なに守っていたのであろう(笑)。

GHQ検閲官

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posted by 森羅万象の歴史家 at 00:00| Comment(0) | 本当は怖い憲法のはなし | 更新情報をチェックする
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