2017年05月06日

国際連盟に対する満洲国政府の啓蒙活動と非難声明-戦史修正のお知らせ

 東京裁判却下未提出弁護側資料の一部である満洲国出現の合理性(ジョージ・ブロンソン・レー著/日本国際協会、一九三六年、原題はCase for Manchoukuo)の新訳本がようやく2016年にPHP研究所と草思社から出版された。しかし東京裁判史観と中国共産党の反日史観に盲従して満洲国建国を非難してきた学者、知識人、評論家、政治家、マスゴミは全力を挙げて、支那通アメリカ人ジャーナリストが書き残したこの貴重な第一次史料を無視するだろう。そこで彼らを裸の王様にすべく所長は国民のための大東亜戦争抄史1928~56を次のように加筆修正しました(強調部分が加筆修正箇所)。

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64、平和と自由に対する罪

 支那に在住すること三十二年の長きに及んだレーは、孫文や袁世凱の顧問を務め、支那の基幹鉄道建設の為に欧米の民間資本と借款の交渉を行い、政府系資本による独占を目論むアメリカ国務省に妨害されるなど類例のない豊富な経験と幅広い知識を有する人物であり、満洲国政府はブロンソン・レーを政府顧問として招聘し、さらに満洲国の正式代表としてジュネーブに派遣し国際連盟との交渉に当たらせたのである。一九三三年一月二十三日、レーは、満洲国のあらゆる団体および協会の責任ある役員が記名調印した満洲国独立に関する彼等の念願を証明する五百八十六通の文書を国際連盟事務総長に対し正式かつ直接に手交した。昭和八年(一九三三)二月二日の大阪時事新報は「満洲国民新政府を謳歌、ブロンソンリー氏の書翰を連盟事務局が発表」と題して以下のように報道した。

「連盟事務局は一日満洲国外交部庁内ブロンソンリー氏の書翰及びこれに添附した五百八十六通の満洲国民衆の宣言抗議訴願文書を公表した。リ氏の書翰は之等文書が満洲国内の各商工会政治教育市民等各団体により提出されたものなることを説き、更に満洲国政府に対する満洲国民側の意向を明かにして左の如く述べている。

 新政府の基礎催立し減税を行い通貨の安定を行い匪賊を剿滅して民衆の重圧となった苛税を除去した。今や全国民鼓腹して新政府を謳歌し、再び張学良の圧制下に帰り公然国政を論議するのみで拷問死に至らしめられるを欲しない。満洲国内各商工会政治教育市民各団体から提出された文書に徴するも満洲国民が自己の目的を支那本部の軍閥の下に委ねんとする一切の企図に反対せんとする決意を有することを示認して居る。」

 しかし国際連盟は満洲国の存在を承認していなかった為に、事務総長は満洲国建国の正当性を証明するそれらの文書を総会に移牒できず、二月十八日、満洲国外交部はブロンソン・レーに対し、リットン調査団の報告書を金科玉条となし満洲国国民の意向を無視して満洲国の独立を否認する国際連盟の不公正を非難する長文の声明書を各国代表及び関係方面に通告公表の上即時事務所を閉鎖しジュネーブを引き払うように訓電し、国際連盟との交渉を断念した(2)。そこでレーは自ら「満洲国出現の合理性」を刊行し、支那大陸および満洲国の真実をアメリカとイギリスの国民に訴えたのであった。

(2)大阪時事新報一九三三年二月十九日記事「アジアに干渉すな連盟、欧洲に還れ リ顧問引揚げ訓電に託した満洲国の痛烈声明」


 第一次史料である大阪時事新報一九三三年二月十九日記事「アジアに干渉すな連盟、欧洲に還れ リ顧問引揚げ訓電に託した満洲国の痛烈声明」の全文は以下の通りである。

【新京連合十八日発】満洲国外交部は十八日在寿府満洲国顧問ブロンソンリー氏に対し左の如き訓電を発した。【訓電】満洲国の声明書を各国代表及び関係方面に通告公表の上即時事務所を閉鎖し寿府を引き払われたし。しかして別電をもって同氏に送られた声明書は千五百語に及ぶ長文のものでその全文左の如し。

一、我が満洲国政府は国際連盟の一員に非ず従って連盟の審議決定に拘束せらるべき何等の法理上又は道徳上の理由なく苟も連盟にして我が主権を蔑視する如き言動あらんか敢然これを排撃するの用意を有すと雖も他面我が建国の大義国運の進展状況に関し連盟を啓発するが如きは固より辞するところに非ず。

 客年五月リットン調査団の来満に際し我が政府に於て之に応接し又爾後随時連盟に打電した我が意図を闡明したるは一に極東の事態に不明なる彼等を啓発せんとする趣旨に出で又客秋以来ジュネーヴに人を派したるも之また連盟の行動を監視すると共にその啓発に資する目的に出でたるに外ならず。我が政府が連盟をしてその道を誤らざらしめんがために致したる努力は蓋し鮮少に非ざりしなり。国際連盟が当初満洲問題に当面するや結局リットン調査団を極東に派遣し事態を遷延するの外能事なかりしは周知の事実なる処、該国は極東問題に就き予備知識欠陥せる故支那本部殊に我満洲国と仇敵関係にある北支東北軍閥の懐柔宣伝に甘んじて乗せられたる結果その我国に対するや当初より先入偏見を以て臨み我国が張家の逆政を嫌忌せる人民の自由意思に依り、創建せられ国家の機能着々その緒に就き人民の幸福は旧政権下にあるに比し格段に増進せられつつある事実を認識せず各委員本国の利己政策的見地より立論して一国独立の宣言を蔑視し、徒らに支那本来の悪政を再び我国内に環流せしむるが如き提案をなすに到れり。而も連盟は客秋来の会議において該団の報告書を金科玉条となし、一にこれを以て事実の判断解決の規準とした結果遂に今日乱暴にも我国の独立を否認せるが如き結論に到達したるが如し。

二、抑々連盟にして、世界平和を理想とせばよろしく先ず加盟国に対し国際紛争の原因たる関税障壁外国人出入の制限差別待遇などの制度の撤廃を明示し全世界の交通通商の自由民族平等の原則を確保するの至当なるに拘らず各国が口に平和を唱えつつ一方国家的障壁を高くして排他自立自主僻見の政策を逞にし禍因の累積せるを黙過しつつあり之れを以て見るも連盟が元々平和の理想にかくれ不自然なる権力平衡、不公平なる現状を維持せんとする偽善的組織なる事を知るに足る。而して右組織は歴史的紛糾を有する多数国の事件が輻湊せるヨーロッパに於ては理想的平和維持の機構としてヨーロッパ大戦前の三国同盟三国協商の組織に劣らざるやも知れず。

 然れども右組織が天涯隔絶して一切の事態を異にせる東亜に手を触れるが如きは救うべからざる誤謬にして彼等が満洲事変の頭初より認識不足の論議を繰返したるため、我が国内においては匪賊の跳梁を助長し、外は中華民国の不良軍閥を刺戟し排日排満の暴挙に出でしめたり昨年の上海事件馬占山、蘇炳文の叛乱、本年の山海関事件の如き悉く連盟の行動に誘発せられたる結果にして熱河の如きも連盟の論議なくば既に久しき以前平定せられ、今日些の問題をも残さざりしなるべし。

 而して彼らは今や再び我国三千万の民意を無視して吾国の独立を否認せんとす。斯る如き行動は更に中華民国の軍閥朋党を刺戟して排日排満の行動を増長せしめ東亜の禍乱を永続する以外何らの効果なく少くとも連盟の標榜する世界平和に貢献する所以に非ざる事は極東の事情に不通なる連盟と雖も、これを知らざる道理なく連盟は茲に全く平和の仮面を脱却し、露骨にアジアの同胞をして相食ましめ、有色民族の康寧と擡頭を抑圧し以て白色帝国主義の東亜における成果を維持増進せんとするの野望を露骨に暴露せり。

 斯くの如き事態に友邦日本国政府及我がゼネヴァ派遣の代表が我国独立の大義を宣揚するため、絶大の努力を致し、而も到底彼等の蒙を啓く望みなきを見て日本が元来加入すべからざりし連盟を脱退し連盟を欧洲に還元せしむるの決意をなせるは世界平和アジア民族の本領のため欣快の至りにして爾今日本はヨーロッパの収拾すべからざる紛糾より手を引き、正義公道に基き自由なるアジアの天地に活動するを得べく、我満洲国の友邦として極力今回の挙を支持すると共に将来両国議定書の精神に依り益々双互依存の関係を固め更に進んで爾余のアジア各国を警醒して相協力益々アジアの繁栄と平和とに尽瘁すべし、最後に連盟今回の行動が我国の建設計画に微毫の影響を来さざることは言うまでもなく豊富なる天然資源を開発して王道楽土の実現に精進するの決意あることを茲に声明す。


 国際連盟の不公正は、戦後の我が国において東京裁判史観と中国共産党の反日史観に盲従する学者、知識人、評論家、政治家、マスゴミ、教科書会社、教職員によって相続され強化されている。

 彼らは、事変以前の満洲独立運動の実在も、国際連盟と交渉した満洲国代表がアメリカ人であったことも、国際連盟に提出された五百八十六通の満洲国民衆の宣言抗議訴願文書も、国際連盟に対する満洲国政府の非難声明文も、リットン調査団でさえ満洲事変を侵略とは認定しなかったことも、我々日本国民に伝えようとしない。

 彼らを裸の王様にする「満洲国建国」は正当である-米国人ジャーナリストが見た歴史の真実を我が国の有権者に広めるために、ブロガーへ執筆意欲を与える一日一押人気ブログランキングをクリック願います。
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posted by 森羅万象の歴史家 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去を旅する歴史コラム | 更新情報をチェックする
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