2015年05月01日

イギリス法に由来する大臣と責任(ダイシー)

 伊藤博文が枢密院帝國憲法制定會議に提出した帝國憲法原案附屬資料の第五十六條「參照」に拠ると、大日本帝國憲法義解第五十五條解説にある一節「蓋し國務大臣は内外を貫流する王命の溝渠なり」は、ダイシーの著作からの引用文であり、イギリスの慣習法に由来している。

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英國ダイシー氏三百三十二頁大臣の責任と題する項中に曰く。

大臣の責任には全く異様の二意義あり。

一、通常云う所の大臣の責任とは國會に對する責任、即ち大臣下院の信任を維持する能わざるときは其の官職を失うべき大臣の義務を云う。是れ憲法上の慣例に屬する性質にして、法律に於て直接の關係を有せざる者とす。

二、嚴確なる意味にて云えば、大臣の責任とは各大臣の參與したる國王の行為に對する責任を云う。此の責任は法律上の性質にして左の理由に基く者とす。抑(そもそも)王の行為は常に一大臣を経由せざるべからざること、書記したる王命は(王命は書記するを通例とす)一大臣の之に副署するを要することは外國憲法多くは皆之が明文あるも、英國法には之あることなし。然れども此の規定は實際に存す。

 即ち國王の行為を以て真正の行為として認承し、之に法律上の効力を有せしめんと欲せば、一大臣を経由せざるべからず。或は某大臣の尚守する大璽もしくは枢密院璽を捺せざるべからず。

 故に「國務大臣は内外政治兩體を貫流する王意の溝渠にして、一大臣の副署は王の親署を有効ならしむるに必要缺くべからずとす。蓋し教會又は國家に対する國王の行為は此の保証に由て施行せられ、且つ王の親署したる公文は皆國務大臣の之に副署したる者にして、國務大臣は國王の行為に對して責を負わざるべからず。」

 又許多の行為は小枢密院璽、大璽なる特定の印章を捺し、國王に限り之を命令するを得る者にして、勅令を下すべき適當の場合、例えば勅許を與うる場合の如きは右の印璽を尚守する各官は其の贊可なければ之を捺するを得ざる者なれば、少くも一大臣時には數大臣は法律上の効力を有する王の行為に叶同したるの結果を生ぜざるべからず

 而して王意の表發に付き叶同したる國王の大臣もしくは臣僚は、其の関係したる國王の行為に對し法律上の責任ある者にして、王命を遵奉して以て作動せりとの辯疏は此の責任を免れしむる能わず。今國王の行為を以て不適法なりと假定せんに、之に關したる大臣は直ちに法廷に於て刑事もしくは民事の訴を受くべき者とす(清水伸著帝國憲法制定会議622~623頁)。


 帝國憲法原案第四條「參照」はブラクストンの著作から次のイギリスの古諺遺訓を挙げている。

 君主は唯だ天神と法律とに順従すべし。何となれば君主は法律に依て立つ者なればなりとは、英國の古諺遺訓なり。
 千三百年代の法學者ブラクストン氏の言 維廉三世第十二十三号の法律第二條は左の如く宣言せり。

 英国の法律は人民の生得権なり。王及び女王は法律に従て英国政府を統治すべく、輔相は法律に従て奉仕すべし。故に国教及び人民の権利、自由を保全する為に設けたる法律条例、並びに其の他の現行の法律条例を認むべしと。ブラクストン氏第一巻第二百三十四頁(帝國憲法制定会議505頁)。


 千三百年代の法学者ブラクストン氏とは、おそらく13世紀に『イングランドの法と慣習法』を編纂したイギリス法学者ヘンリー・ブラクトンのことであろう。

 大日本帝國憲法の根幹は、イギリス流の歴史憲法学とエドマンドバークの保守主義、そしてイギリス憲法から多大な好影響を受けている

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<関連ページ>

ナポレオン一世が語る枢密院の意義-枢密院帝国憲法制定会議資料憲法草案第五十七條説明参照

・筆者の大勝利(笑)国民のための大東亜戦争正統抄史1928―56を補強する英国立公文書館所蔵の最高機密文書ULTRA

・筆者の戦史を読み謀略史観を重視する歴史家に転向した平間洋一氏の最新著書イズムから見た日本の戦争 ―モンロー主義・共産主義・アジア主義


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