2012年07月18日

南京大虐殺肯定論を粉砕する戦時国際法の砲爆撃の法理-空襲と国際法

 今は亡き小室直樹博士は、「シナ事変(一九三七年)のときには、ハーグ条約は結ばれていました。日本軍は非合法な戦闘行為をする者をどんどん銃殺してもよかったのです。それにしては日本軍は、殺してもよいときに、何とか殺さないように努めましたなあ。努めすぎるほどに」と述べていた。所長は空襲と国際法を読み、小室発言を理解できた。

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空襲と国際法(田岡良一著/巌松堂書店/昭和十二年六月二十日初版発行)の目次

第一章 空襲の歴史及び空襲に関する国際法の発達史
第一節 海牙空爆禁止宣言(一八九九年、一九〇七年)
第二節 海牙平和会議終了後世界大戦開始まで(一九〇八年~一九一四年)
第三節 世界大戦に於ける空襲
第四節 世界大戦以後
第二章 空襲法研究の基礎としての過去の戦争法の知識
第一節 砲撃に関する国際法
第一款 陸軍砲撃
第二款 海軍砲撃
第二節 非戦闘員及び私有財産に関する戦争法の原則
第三章 空襲法の諸学説の紹介と批判
第一節 概観
第二節 世界大戦中の学説
第三節 世界大戦以後の学説
第四節 我が国の学説
第四章 軍事目標主義の意義及び軍事目標の範囲
第一節 通説の不完全性
第二節 私見
第五章 軍事目標の爆撃に当って一般人民に及ぼす損害
第六章 軍事目標主義の防守地域に関する例外
第七章 空爆に対して特別の保護を與えられるべき建造物
第八章 空襲に於ける予告の問題
第九章 航空機に依る海上通商の妨害と是に伴う商船の爆撃
附録 中立領域と交戦国軍用航空機

 都市の無差別砲撃を適法ならしむる要素としての「占領の企図に対する抵抗」の観念は、古く都市が城郭を繞らし、軍隊の作戦行動は城郭都市を基点として展開せらるるを常とした時代には、「城郭」と言う語によって表現せられ、「城郭を繞らせる都市は砲撃する事を得るも、開放せられたる都市は砲撃することを得ず」と言われた。

 此用語例は一八七四年のブリュッセル宣言に至るまで保存せられたが、厳格に言えば、都市が城郭を繞らせるや否は重要ではなく、重要なのは城郭に拠ってなされる抵抗である。城郭ある都市といえども城門を開いて抵抗せざるものは砲撃するを得ざると同時に、城郭なき都市といえども軍隊が占拠して侵入軍に抗敵するものは砲撃する事を許されねばならぬ。

 ただ此時代の防禦が城郭によってなさるるを常としたが為に、此言葉が「占領の企図に対する抵抗」を簡単に表現する為に用いられたに過ぎない。砲火の破壊力の発達が城郭の戦術上の価値を失わしむるに及んで、「防守」の語が是に代って用いられ、「防守せられたる都市は砲撃するを得るも、防守せられざる都市の砲撃は禁止せられる」と言われるに至った。一八九九年の海牙陸戦条規の用うるのは此言葉である。

 併し「防守」と言うも「城郭」と言うも根本の観念は同一であって、「占領の企図に対する抵抗」と言う行為を意味するのである。此行為は、

(一)占領の意図を以て都市に迫れる軍隊と、(二)都市に拠って此企図に障害をなす軍隊との両要素の在るによって成立する。


 従って都市に守備軍が駐屯し、又は要塞を繞らすとも、右の第一の要素を欠く時は、無差別砲撃を適法ならしむる意味に於ての「防守せられたる都市」とはならない。此点は後に述ぶべき海牙条約の解釈に於て重要となる(空襲と国際法79~80ページ)。

 此処に言う非戦闘員とは、交戦国の国民の内、交戦国の兵力を現に構成せず又武器を執って敵国の兵力に敵対せざる個人の全体を指す言葉であって、私的市民又は平和的人民等の言葉を以ても呼ばれる。国際条約は時として非戦闘員を平和的人民又は私的市民と同一の意義に用いない事がある。

 例えば一八九九年及び一九〇七年の海牙平和会議の採択せる「陸戦法規慣例に関する条約」は、軍隊の一部を構成すれども戦闘を本務とせざるもの、例えば経理部員、衛生部員、法務官、野戦郵便部員の如きものを非戦闘員と名付ける(付属書、陸戦条規第三条)。

 然し一般の用語としての非戦闘員は、軍隊に編入せられざる人民の全体を指すものであって、国際法の著述も右の海牙の条約に拘らず此意味に非戦闘員の語を用うる事が多い様である。本節に謂う非戦闘員も亦同様である(空襲と国際法119ページ)。

 砲撃に関する国際法規の研究に於て既に見たるが如く、都市に拠る軍隊と此軍隊を駆逐し又は降服せしめて都市を占領せんと欲する軍隊との交戦に於て、後者は都市全体に対して、軍用建造物たると私人の住宅たるとを問わざる無差別砲撃を加うる権利を有する。斯くの如き非戦闘員の生命に重大なる危険を及ぼすべき手段の認められた理由は、

(一)斯かる砲撃に於て砲火の集注を都市の一角―既に敵兵の占拠せりと推定せられ得る場所―に限る事は、敵兵をして容易く市内の他の区域に避難して抵抗を継続する事を得しむるを以て、速に都市より敵兵を駆逐し又は敵兵を降服せしめて、自軍の戦線の進展を計る戦術上の必要ある時は、都市全体に砲火を注ぐも又止むを得ざる事、

(二)陸上の戦線附近の都邑の住民は敵軍の近づくを知って避難し又は都邑を防守する軍隊の指揮官より戦闘開始に先立って退去を命ぜらるるを常とするが故に、敢えて砲火の危険を辞せざる決意ある住民の外に滞留する者稀にして、斯かる都市の砲撃は非戦闘員の生命に及ぼす害の比較的大ならざる事、

の二に帰する。

 又軍艦が敵国の沿岸を砲撃する場合には、其砲撃の目標は要塞其他の軍用建造物、軍用通信交通機関、軍需品工場等の所謂軍事目標に限る事を原則とするが、若し軍艦の為す砲撃が陸軍々隊の都市占領の作戦行動と呼応して為され、又は軍艦より上陸せしめたる陸戦隊の援護の為になさるる時は、無差別砲撃たる事を許される。

 従って航空機の都市攻撃も原則として軍事目標主義に依る事を要するとは云え、航空機が其所属国の陸軍々隊の作戦行動を助けて、敵軍隊の占拠する都市を攻撃する場合には、軍事目標主義を離れて、必要の場合には都市の無差別爆撃を行う権利を與えられるべきである(空襲と国際法266ページ)。


 1937年12月の南京攻防戦における南京は戦時国際法の「防守」を形成し、防守都市に対する無差別の攻撃と無差別の砲爆撃は適法であった。したがって仮に我が日本軍が南京に対して無差別の攻撃と無差別の砲爆撃を行い、南京市内にいた中華民国軍将兵と非戦闘員を殲滅したとしても、これは適法な害敵手段の行使であって、虐殺ではなかった。

 それにもかかわらず日本軍は軍事上の必要を犠牲にして人道を尊重し、南京に対して敢えて無差別の攻撃と無差別の砲爆撃を行わなかったのだから、南京大虐殺は法的に成立し得ず、実在し得ないのである(詳細は戦時国際法から南京大虐殺の真偽を分析する)。

 小室直樹博士は、封印の昭和史(148ページ)で次のように解説している。

 便衣兵は非合法戦闘員ですから、捕虜になる特権がありません。つかまえたとき、即座にこれを殺しても合法的です。「捕虜虐殺」なんて言われる筋合いはありません。

 では、便衣隊が一般大衆の中に隠れている疑惑がある場合には。

 軍隊は、この大衆を調査することができます。これ、合法です。便衣隊の疑いがある者を、さらに詳しく調べるために連れ去ること、これも合法です。

 最悪の場合には、一般大衆に無差別攻撃をかけること。これさえも「やむを得ない」とされることもあります

 その理由は、軍隊の権限はネガ・リスト方式で規定されているからです。軍隊は国際法で禁止されていること以外は何をやってもいいのです。これが一つのポイント。

 もう一つのポイントは、主権者優位の原則があるからです。国際法だと、どちらか分からないときには、主権者に優位(有利)に解釈されます。

 中国で戦っている日本軍は、中国の主権下にはありません。日本の主権下にあります。日本軍のやったことが、国際法上、合法か非合法か分からないときには、日本の主権に有利なように、これは合法と解釈されます。


 都市、村落、住宅街において便衣隊が一般大衆の中に潜伏している場合、この都市、村落、住宅地は「防守」を形成し、これらに対する無差別攻撃は合法になってしまうのである。
 戦時国際法上、交戦資格四条件を満たさない便衣兵は、戦闘員と非戦闘員の区別と後者の保護とを困難にして、戦禍を無限に拡大する凶悪非道な戦争犯罪人であり、故に捕虜にもなれず、投降しても助命されないのである。

 小室直樹博士は、日本国の転覆を図ろうとしたオウム事件の再発を防ぐために「南京大虐殺はなかった。虐殺すべきは不勉強なエセ歴史学者、不勉強なエセジャーナリスト、不勉強なエセ代議士である」と、日本の子供に教えるべきだと「封印の昭和史―戦後50年自虐の終焉」に書いている。

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