2010年03月24日

文民優位の帝国憲法秩序-軍部の暴走史観のウソ

 読売新聞、東京日日新聞、河北新報を渡り歩いた新聞記者の岡田益吉(明治32年生、昭和57年歿)は日本陸軍英傑伝-小畑敏四郎(陸軍参謀本部第三部長)に第一次上海事変時の我が国の出兵手続きを簡潔に記している。

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 鋭敏なる作戦家小畑が一世一代の知略を傾けたのは、昭和七年一月から起こった第一次上海事変を、作戦の絶妙をきわめて収拾せしめたことである。

 満州事変は、一月三日、懸案だった錦州を占領し、米国のスチムソン国務長官は、報復的に七日、有名な『満州国不承認宣言』を声明した。これがスチムソン・ドクトリンという米国一流の原則外交であった。

 その矢先に、国際都市上海に兵乱が起こり、日本居留民三万の生命財産が危険にさらされ、これを守る海軍陸戦隊は数千名なのに、蔡廷鍇の支那軍は七万の大軍を擁していた。

 大角海相は、荒木(貞夫)陸相をたずねて、一個旅団でもいいから、上海に派兵してくれと懇請した。荒木陸相は事態の重大性をみてとり、就任したばかりであった参謀本部作戦課長今村均大佐を、上海現地に派遣することにして、かねて信頼していた小畑敏四郎大佐を、陸大教官から新作戦課長に抜擢した。

 このような非常時局には、統帥絶対の信念の下に、勇断、なにものも恐れない小畑を起用するほかなかった。小畑は、上海事件を、早急かつ安全に解決するのには、三個師団の兵力を派遣する必要あり、と意見を具申した。

 荒木は、さっそく閣議にはかったが、高橋是清蔵相が財政上の理由で、なかなかウンといわない。そこで、荒木が有名な『大福餅論』という軍談を一席やった。それはこうである。

「大福餅の容積は一定しているが、これを押し潰せば横に拡がる。しかもその容積は拡大したわけではない。戦争も拡大、不拡大というが、一個師団が小さな範囲で一年中戦争をしたのがいいか、地域を拡大しても一日ですむのがいいか、私は孫子のいう兵は拙速を聞くで、戦争というものは瞬時に片づけ、世界があっといっている間にすましてしまうほうが、外交上にも有利である。若干、兵力と地域を拡大しても、はやく兵火をおさめたほうがいい。チビチビ兵を出して成果が上がらぬほうが、財政上にも損である。」

 さすがに高橋さんも、三個師団出すことを承知してくれた。しかしダルマ蔵相は、「大丈夫、これで解決するね」と念を押した(日本陸軍英傑伝―将軍暁に死す248~249ページ)。


 所長が思うに、統帥権独立の原則下の陸軍大臣(海軍大臣)と参謀総長(軍令部総長)の関係は今日の法務大臣と検事総長の関係に似ている。国務大臣が総長を頂点とする組織の人事権を持つものの、総長は組織の政治的中立性を維持するために、政権と一定の距離を保ち、業務を遂行するのである。

 しかし検察庁の捜査と違い、参謀本部が立案する作戦計画の遂行には巨額の資金すなわち税金の支出が必要であるから、参謀本部と陸軍省は、国家の予算を管轄する大蔵大臣の同意を得なければ、軍備の増強と作戦の遂行を実現することができなかった。

 つまり帝国憲法復元後に、統帥権独立の原則と軍部大臣現役武官制度が今日の日本に復活したとしても、政府財務省が国家予算案を編成し、帝国議会が国家予算案の可否を議決する限り、軍部に対する政府と議会の優位は揺るがないのである。

<関連ページ>

作戦の鬼・小畑敏四郎

朝日新聞社の実像を暴く昭和十年代の陸軍と政治

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posted by 森羅万象の歴史家 at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 本当は怖い憲法のはなし | 更新情報をチェックする
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