2006年03月04日

国民のための戦時国際法講義 32

不戦条約と極東国際軍事裁判 32、連合国憲章第三十九条「侵略行為」の暴力性
【不戦条約と極東国際軍事裁判】


32、連合国憲章第三十九条「侵略行為」の暴力性
 
 連合国憲章第三十九条は、安全保障理事会に対して、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為(aggression、佐藤和男博士によれば「侵攻行為」の方が邦訳として適切であるという)の存在を決定し、並びに、国際の平和および安全を維持し、または回復するために、勧告をし、軍事的非軍事的制裁措置を発動する権限を与えているが、平和に対する脅威、平和の破壊、侵略行為に精密な定義を施していない。この故意の不作為は、それらの行為を恣意的に決定できる広範な裁量を安保理、その中核である常任理事国の米英露仏中に与える為の措置であった(1)。
 
 定義を欠く憲章第三十九条に潜む暴力性に気づかぬまま「国連」に甘い幻想を抱く政治家やマスゴミ関係者は日本に多く棲息している。この現象は、かつて日本の一世を風靡した戦後民主主義の教祖たる丸山真男の、言葉の定義を無視する虚偽学問の後遺症であり、日本人の最悪危機想像能力の枯渇を象徴している。
 もし中国共産党が日本政府から朝貢される膨大な資金の一部を流用し、連合国内での多数派工作に成功すれば、安保理が中共の意を汲み、日本の南西諸島の領有を平和に対する脅威、中華人民共和国に対する日本の侵略行為と決定して対日軍事的制裁措置を発動し、連合軍が再び沖縄県に侵攻するということが理論上あり得るのだ。

 連合国憲章の発効(一九四五年十月二十六日)後に開廷された極東国際軍事裁判における検察側の主張は、不戦条約上侵略戦争は国際犯罪であり、日本の戦争が侵略戦争であるか否かを裁判で認定する権限は連合国側にのみあり、自衛権の発動は相当に予想される武力的領土侵入の場合に対してのみ許されるのであって、武力包囲とか、いわんや経済包囲に対して許されるものではない、であった。そして裁判所が被告側に下した多数派判決は、

 「真珠湾攻撃は挑発を受けない攻撃であり、その動機はこれらの諸国の領土を占拠しようとする欲望であった。侵略戦争の完全なる定義を述べることがいかに難しいものであるにせよ、右の動機で行われた攻撃は、侵略戦争と名づけないわけにはいかない。」

と放言したのである(2)。侵略戦争とは何か、日本の戦争が何ゆえ侵略戦争に当てはまるか、その定義と理由を明確にしないまま日本の戦争を侵略戦争と断罪した、あの忌々しい東京裁判における連合軍の傲慢にして非道な論理の淵源は、他でもない、連合国憲章第三十九条なのだ。

 連合国憲章第三十九条は連合国のリンチを合法的に発生させる恐るべき条項なのである。実際に一九四六年には、スペインが憲章第三十九条に基づくリンチの犠牲者第一号となった。連合国総会は、フランコ政権の支配するスペインを国際平和に対する潜在的脅威と認定し、制裁を加えたのである。制裁の内容は、スペインの連合国加盟を認めないとかマドリードから加盟国の大使公使を退去させるという程度のもので、四年後に撤廃された。

 一九三一年四月スペインに革命が起き、王政は倒れて共和政に移行したが、国情は安定せず、三六年二月にはコミンテルン三十五年テーゼがスペインの混乱に乗じ、アサーニャを大統領とする人民戦線政府の樹立に成功したが、当時政府に嫌悪されモロッコ方面統合参謀長からカナリア諸島方面司令官に左遷されたフランコは、スペインを国際共産主義の魔の手から救出すべく、モロッコに帰還し旧部下に檄を飛ばして敢然と叛乱の狼煙を上げ、スペインの保守派勢力と共にドイツやイタリアの軍事支援を受け、ソ連の支援を受ける政府軍と戦い、一九三九年二月、人民戦線政府を国外亡命に追い込み、スペインの国際内戦に勝利した。フランコは、敵の敵は見方という観点からドイツの支援を受けただけであり、王政主義者のフランコと(彼は一九六九年ブルボン家のファン・カルロスを国王として後継者にすることを表明、七五年フランコの病死とともにファン・カルロスが即位し,スペインに王政が復活した)、プロレタリアートの救済を至上目的とする「極左」の民族主義的社会主義者のヒトラーとは本来は水と油の関係にあった。だからこそフランコは、一九四〇年十月二十三日ヒトラーと直接会談した際、スペインの参戦を拒否し、ジブラルタル要塞を制圧する為にドイツ軍がスペイン領内を通過することも認めなかったのである。 
 第二次欧州大戦においてドイツがヨーロッパを席巻していた時、枢軸側陣営に参加せず中立を維持したスペインが一九四六年に連合国へ叛旗を翻して軍事行動を起こす可能性は、ほぼゼロであった。にもかかわらず連合国はフランコをヒトラー、ムッソリーニの片割れとして嫌悪するあまり、スペインを国際平和に対する潜在的脅威と認定したのである、
 
 以上のような事例は他にも存在する(3)。つまり連合国憲章第七章は、連合国機構内の多数派諸国によって、彼らの敵視する機構内外の国家にリンチを仕掛ける為の絶好の武器として悪用される危険性を孕むのである。そして憲章第三十九条を悪用するリンチの発生を防ぐ条項が、実は憲章第二十七条つまり安保理の決定を否決し無効化する拒否権の制度なのである。拒否権は、国際社会における多数決原則の抱える深刻な矛盾に歯止めをかける重要な役割を人知れず静かに果たしているのである。
 第二次世界大戦に敗れた我が日本にとって、第二十七条も第三十九条も鼻持ちならない戦勝五大国の特権条項ではある。しかし連合国憲章は前者をもって後者を相殺する、いわば毒をもって毒を制する非常な理論構造を持っており、拒否権を廃止し全ての安全保障理事会の決議を多数決原則に委ねてしまうことは恐ろしい結果を生むのである。

 この憲章の欠陥を憂慮した初代の連合国事務総長リー(ノルウェー)は、一九五一年十二月に侵略の定義に関する質問を発したものの、これに回答できた国家は六十ヶ国中わずか十五ヶ国に過ぎなかった。

 一九七四年ようやく連合国総会は「侵略の定義に関する決議」を行い、とりあえず侵略行為に相当すると考えられる場合を網羅してみたものの網羅しきれず、決議の中に「前条に列挙された行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は憲章の規定に従いその他の行為が侵略を構成すると決定することができる」という規定(決議第四条)を設置せざるを得なかった。彼らは定義できないものを無理やり定義しようとして失敗したのである。
 集団リンチを被る危険な状態に無実の国家を陥れかねない連合国憲章第三十九条の巨大な穴は、誰にも埋められないまま二十一世紀の国際社会に残存しているのである(4)。

 「侵略者という言葉は、アメリカ帝国主義とか赤色帝国主義とかいう言葉と均しく国際政治において、全世界から相手方を仲間はずれにさせるために用いられる讒謗の言葉である。」

とは高柳賢三博士の言葉である(5)。これはまさに「侵略」という言葉の本質を突いた名言といえよう。

 これまで試みに提案された侵略の定義の中で最も短いものは、フランスの「自国外における軍隊の存在」である。これはフラー少将という軍人をして、「この提案を考案した人は、気狂か又はユーモリストに違いない」と言わしめたのである(5)。この批評は、豊臣秀吉の朝鮮征伐以降の日本が遂行した対外戦争に「侵略戦争」という讒謗の言葉を浴びせ続ける反日的日本人および支那人南北朝鮮人と、侵略者と非難されることを恐れて日本の国防戦略を「専守防衛」という、日本国民にとって危険かつ過酷きわまりない本土決戦計画に限定し続ける臆病な日本の政治家すべてにピッタリと当てはまる。

 地球上に存在するあらゆる諸民族を納得させる、公正かつ客観的で完璧な侵略行為の定義を確立する作業は、おそらく人文系学問における最難題であり、今後もし先哲を超える国際法の天才が出現し奇跡的にこれを成就するならば、安全保障理事会が憲章第三十九条に基づき実施する軍事的非軍事的制裁措置もまた諸民族を納得させる公正なものとなり、連合国は、第二次世界大戦の戦勝の果実を半永久的に米英露仏中の連中にむさぼらせる為の国際軍事機構から、地球連邦政府の萌芽を芽吹かせる苗床に生まれ変わるかも知れない。しかし連合国憲章第三十九条が定義を欠いたまま存在する限り、我々にとって鼻持ちならない拒否権という戦勝五大国の特権も、諸国家を連合国機構のリンチから防衛する必要悪として存在しなければならないのである。そしてこの拒否権が存在する限り、連合国という国際機構が連合国憲章第一条に掲げられた連合国の崇高な存在目的―これらは建前に過ぎないのだが―を達成するに足る強く正しい力を得ることは、ほとんど不可能であろう。

 拒否権を持つ安保理常任理事国を増やすことなどは、連合国の組織改革には程遠いものであり何の解決にもならない。それは、拒否権が行使され安保理の決定が否決され無効化される頻度を増して、連合国の無力化と形骸化とに拍車をかけ、日本の連合国分担金をますます死に金にするばかりなのである。

 筆者が確信するに、日本政府は日本の安保理常任理事国入りを目指して世界各国に金銭をばらまく援助交際を重ねるよりも、アメリカとの同盟関係を徹底強化しつつ、むしろ連合国への分担金を年間一万円程度にまで大削減し、残りの国民の血税を日本独自の情報先知能力(インフォメーションandインテリジェンス)の再建と飛躍的向上とに注ぎ込み、明石元二郎や尾崎秀実のごときスパイマスターを大量に育成し、米英露仏中の国家中枢に網を張る努力を重ね、また国際世論を親日化する真実の宣伝活動を徹底的に実施すべきである。その方がよほど現代日本の虚弱体質を克服し、日本の国益に適合しよう。


(1)田岡【国際法上の自衛権】三一六頁。
(2)【パル判決上】五〇〇頁。リチャード・マイアニ【勝者の裁き】七十八頁。
(3) 田岡【国際法上の自衛権】三三七~三三九頁。
 一九六三年、アフリカの三十二ヶ国は、ポルトガルを国際平和および安全に対する脅威と名づけ、これに制裁を加える共同決議案を提出した。安保理事会では、すべての国にポルトガルの植民地弾圧を助ける一切の行為を差し控え、武器その他の軍用機材をポルトガルに輸出しないことを要請し、またポルトガルに向かって在アフリカ植民地に独立を与えることを要請する決議は七月三十一日に可決された。続いて八月五日、安保理事会は、南アフリカ連邦に対しても武器禁輸の制裁を加え、かつアパルトヘイト政策の放棄を要請する決議を可決した。
 当時、ポルトガルも南アフリカも、外国に対していかなる武力行使も為していなかったにもかかわらず、連合国機構から憲章第三十九条に基づく制裁を加えられたのである。
(4)しかも連合国国際法委員会は、一九九六年の時点でも未だに侵略を正式に国際法上の犯罪とは認めていない。佐藤【世界がさばく東京裁判】四十八頁。
(5)小堀【東京裁判日本の弁明】一八五頁。



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【緊急要請1】


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