2009年12月19日

鳩山民主党の妄想ブレーン寺島実郎 石原莞爾の苦悩と90式戦車の演習場

 鳩山由紀夫の助言者である日本総研会長の寺島実郎は2つの対米原則論なるものを提示しているという。一つは、米軍の前方展開兵力をハワイやグアムに後退させて緊急派遣軍とし、その維持費を日本が負担するというものである。もう一つは、アメリカをアジアから孤立させないために日本が両者の懸け橋になるというものである。

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 しかしアメリカは日本の仲介を経ずにアジアと交渉する能力を既に持っているし、前者の構想は、「プレゼンスそのものが抑止なのに意味不明」とアメリカ政府に一蹴された「アメリカ軍の日本駐留なき日米安保」という鳩山構想と同じく、アメリカ軍を「出前持ち」と扱うものである。寺島はアメリカを侮蔑している。

 それに寺島の原則よりアメリカ軍の前方展開兵力を日本に駐留させて、維持費を日本政府が負担する方が、在日アメリカ軍将兵の消費活動を通じて維持費の内のいくらかを日本国民に還元できるから、我が国の経済にとって得である。日本の資金を使って日米離反をはかり共産中国を利そうとする寺島は悪辣である。

 さらにアメリカ軍の前方展開兵力をハワイやグアムに後退させて有事即応の戦略予備部隊に再編するならば、なおのこと東洋の火薬庫-朝鮮半島と台湾海峡と尖閣諸島を扼する戦略要衝たる沖縄にアメリカ軍基地(日米共用基地でもいいが)と基地機能維持部隊を配備して、沖縄とグアムとの間のフローム・ザ・シー(from the sea)戦略ラインを強化する必要があり、アメリカ軍の日本常駐なき日米安保など妄想である。アメリカ政府が寺島を相手にしないのは当然だろう。

 そもそも寺島は、尾崎秀実の東亜協同体の焼き直しである東アジア共同体を妄想する左翼人らしく、冷戦の終了というウソを撒き散らしているだけでなく、平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点を理解していない。

 アメリカの世界戦略は、マハンとマッキンダーとスパイクマンの組み合わせである。アメリカは、ユーラシア大陸の外縁に位置する国々と同盟関係を結び、同盟国および準同盟国とアメリカ本土の間にフローム・ザ・シー(from the sea)戦略ラインを構築して大西洋・太平洋・インド洋を制し、アメリカ本土を防衛しようとするのである。

 地球儀を北極から眺める人はアメリカの世界戦略を容易に理解できる。ユーラシア大陸の中心部を占める勢力にアメリカ本土を包囲させないために、アメリカはユーラシア大陸の中心部を包囲して大陸勢力を封じ込めるのである。

 スターリンはこの大陸包囲網を突き崩すために、日米英中に諜報謀略網を張り巡らせてアメリカと日本をはじめユーラシア外縁部の国々を噛み合わせることに成功し、共産ロシアと共産中国は大膨張したのである。

 アメリカの世界戦略は、第二次世界大戦の反省に立っており、半島大陸側の深刻な脅威に直面する日本の国益に適うから、我が国は日米安保を堅持し、アメリカ軍に在日基地を提供するのである。その代償として我が国は平時から世界最強のシーパワーたるアメリカによって護られる海洋の安全を得、またアメリカの軍事力ならびにアメリカ本土の兵站機能を利用しているのである。

 繰り返し強調するが、日本は集団的自衛権(他国への武力攻撃を自国への脅威とみなし、戦争権もしくは戦争に至らざる平時の武力行使をもって反撃する権利)を行使してアメリカを軍事的に助太刀することはしない、アメリカの世界戦略に協力しない、アメリカ軍に日本国内の基地を提供しない、アメリカ軍駐留費を負担しない、しかし日本有事の際アメリカは集団的自衛権を行使して日本を助けなければならない、アメリカ軍将兵、アメリカ国民の生命を犠牲にして日本を守らなければならないとなれば、当然アメリカは激怒するだろう。

 勿論こんな虫のいい話はどのような社会でも通用しない。同盟はギブ・アンド・テイクの関係に成立するのである。

 かつて京都第16師団長の石原莞爾陸軍中将は北満移駐の内命を受けて次のように喜び勇んだ。

・新戦術の現地的研究に基づく合理的訓練

 世界最新鋭の軍隊を目標として、新戦術を速に我がものとして合理的訓練を企図している各隊が練兵場・演習場の不便に苦しむこと実に想像以上である。

 師団長は着任と同時に京都練兵場の使用統制を希望したが、考えてみるに物には自ら限度がある。歩兵の小隊戦闘教練を行えば、それだけで一杯になる練兵場の狭さである。遂に目的を達することができない。どうも不愉快で練兵場の側を通る度に頭を悩ましている。

 また京都においては諸兵の連合演習は至難である。万難を排して稀に行う歩砲連合演習は、歩砲連合演習のための演習となり、ややもすれば逆に弊害を起こさんとすることのあるのも否定できない。いわんや隔地部隊においては殆ど他兵種の顔を見ることすらできない。

 しかるに我等の新駐地を考えると、一人微笑ましくなってくるのを禁ずることができない。営門から出れば直ぐ大練兵場、自然の大練兵場であり我等の戦場と同じ練兵場しかも師団の全部がいつでも一緒に演習がやれる。

 各隊が最近きわめて熱心に研究しつつある必勝の戦法も、新駐屯地において始めて徹底せる訓練を可能にする。武人としてかくの如き幸福はない。酒飲みが灘の銘酒を得、鉱山師が大山を掘り当てた時の気持ちも多分こんなものかと想われる。

 師団長は移駐したならば、未だ各隊が行李を解かないうちに各団隊長を集め師団の作戦を予想して幹部演習を行い、団隊長は直ちにこれを部下軍隊の訓練に移して行く。また師団長は常に各兵種を統一訓練し、歩砲の連合演習等は何も特別なものでなくなるのである。

 かく考えれば、移駐後まもなく我が師団の戦闘力は、数倍することは何人も疑うことができない訳である(昭和15年4月24日師団長訓示説明)。


 我が国が広大な軍事演習場に恵まれないことは地政学的宿命であり、戦前も戦後も変わりない。日本の演習場では、広さの問題から行進間連続射撃や最大射程射撃訓練などが十分に出来ない為、陸上自衛隊は1992年(平成4年)度より毎年9月にアメリカ・ワシントン州のヤキマ演習場に90式戦車を持ち込んで戦闘射撃訓練などを行っている。

音声入力タンク陸上自衛隊90式戦車
R/C ボイスタンク 陸上自衛隊90式戦車

 このことも日米同盟が我が国にもたらす大きな恩恵の一つである。有事の戦闘力は平時の準備と訓練に比例するからである。

 軍隊は国内法秩序の崩壊した戦場で活動しなければならないが故に、行政と司法から独立した自己完結能力を持ち、軍隊自ら軍法会議を設置して軍規違反者を裁き、軍紀厳正を保持しなければならない。これが軍隊の原則であり、軍事機密の保持に必要な措置である。

 だから鳩山民主党内閣が日米安保体制を堅持しつつ対等な日米関係を構築したいなら、在日(沖縄)アメリカ軍の撤退を妄想せずに、まず最高裁に終審を仰ぐ軍事裁判所を設けて陸上自衛隊をアメリカ本土に常駐させる。そしてアメリカの陸上自衛隊は広大な軍事演習場を活用して猛訓練に励み、現在の自衛隊に欠けているという戦闘教義(戦闘の得意技)の開発と確立と更新に勤しむ。

 そしてアメリカに駐留する陸上自衛隊の不届き者が公務中において犯罪に手を染めてアメリカ警察に逮捕されたならば、在米の陸上自衛隊司令部はアメリカ警察から容疑者の自衛隊員を引き渡してもらい、これを日本の軍事裁判にかける。

 もしアメリカ政府が以上の日本側の要求に応じないならば、その時こそ鳩山民主党内閣は日米地位協定あるいは日米安保条約の不平等を叫び、アメリカ政府を批判すればいいのである。

 占領憲法は多数の欠陥を抱えており最高法規の体をなしていないが、憲法の下位規範である国防関連の法律にも多数の欠陥があり、それらは憲法改正を待たなくとも修正可能である。しかるに麻生内閣はそれをやろうとしたものの、鳩山民主党内閣は逆に我が国の防衛力を弱めようとしている。

 片務的な日米安保体制を対等な日米関係にもっていくために、肝心かなめの日本の軍事的実力を高める努力を怠り、それどころか軍事力を高める努力そのものを嫌悪しながら、対等な日米関係を欲するのは、滑稽でありコントである。

 衆参両院から成る実質公選一院制の国会と議院内閣制の下では、内閣の能力は有権者が政治家を選ぶ能力の平均値に比例する(奇怪なるコマーシャル―パチンコ加山雄三とアグネスラム 治者と被治者の同一性という悪政)。だから鳩山内閣の迷走は有権者の迷走そのものである。

 結局のところ日本国民は、この平和の地政学―アメリカ世界戦略の原点を知らないのである。

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posted by 森羅万象の歴史家 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の防衛を考えるコラム | 更新情報をチェックする
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